言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係わる自己評価結果に関する意見 / 言論NPO監事 本間正明

本間正明(大阪大学大学院経済学研究科教授・経済財政諮問会議議員)
ほんま・まさあき
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1967年大阪大学経済学部卒。73年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。英国ウォーリック大学客員教授、ロンドン大学STICERD客員研究員、大阪大学副学長などを経て、現在大阪大学大学院経済学研究科教授。経済財政諮問会議議員、税制調査会委員などを兼任。主著に「租税の経済理論」「新・日本型経済システム」等。
言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係わる自己評価結果に関する意見
今般、言論NPOは、その2005年度の活動全体について、それが「非政治性・非宗教性」を満たすものとの自己評価を行なった。特定非営利活動法人が寄付金無税団体としての公益性を十分に満たす団体であるためには、その活動が特定の政治的ないしは宗教的な立場に偏ることなく、不偏不党で中立的に行なわれる必要がある。今般の言論NPOの自己評価は、適切な評価プロセスに従って行なわれ、その評価結果は適正であることを、ここに認証する。 言論NPO監事 本間正明
理由
特定非営利活動法人の活動の公益性をどのように判断するのかは民がパブッリク活動を担う時代において重要な課題である。言論NPOはまさにその課題に自己評価と言う形で取り組み、その評価プロセスや評価内容を寄付市場に開かれた広く社会一般に公開し、その判断を市場にゆだねるという日本では画期的な試みを行っている。
言論NPOは「言論」をその活動内容とする団体であり、その「言論」が特定の政治的・宗教的な活動でないこと、あるいはその恐れがないことを論証することは難しい課題ではある。言論NPOはその中立性を可能な限り、単純で客観的な事実をもって判定できる基準を構築するために、米国内国歳入庁(IRS)が作成・公表しているガイドラインをもとにまず禁止項目(ネガティブチェック・リスト)を策定の上、事実に基づいて外形的に客観的な判定を最初に行い、さらに外形的な事実判定のみでは判定し切れなかったグレー部分については、該当する個々の「言論活動等」のブロセスの中立性を個別判定するに当たっての客観的な基準を設け、それを一貫して統一的に適用し、評価体系を構築している。
中立性を満たす最低限の要件を満たしているかを、ネガティブチェック方式によって判定し、外堀を埋めていき、さらに判定基準を進化させていく方式は、活動の中身や議論形成プロセスの中立性の判断に恣意性や価値判断を持ち込まないための工夫として、極めて客観的であり妥当である。加えて、こうした判定方式そのものが日本では初めての試みであり、言論NPOが今般、ネガティブチェックに当たって設けた判定項目を、米国で既に確立しているIRS基準に準拠したことも、項目設定そのものの恣意性を排除する上で、極めて適切であったと評価できる。
またNPOの活動が公益性を担保するためには判定プロセスそのものの透明性とアカウンタビリティーを確保することが必要であるが、評価プロセスとその評価の公開についても、①まず自己判定を行い、②これを第三者の言論監事に意見を求め、さらに③これらを社会一般に公開し、④一般からの照会に対して説明責任を負うとの方式を採用しており、これは上記の趣旨からみて極めて適切な方式と評価できる。
このように、言論NPOが採用している評価方式は、極めて妥当であるとともに、言論NPOの活動の自己評価に当たってのその適用状況は極めて厳格であることが確認され、これによって得られた自己評価の結果は、極めて信頼性の高いものと判断できる。
2006年06月26日 19:30
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