「モーニング・フォーラム/ゲストスピーカー塩崎恭久・厚生労働大臣」報告

2015年11月25日

 11月25日(水)、言論NPOは東京都内のホテルにて、塩崎恭久・厚生労働大臣をゲストスピーカーにお迎えして「2015年の安倍政権の取り組み、厚生労働行政の課題」と題してモーニング・フォーラムを開催しました。

 まず、冒頭に行われた講演で塩崎大臣は、第二次安倍政権成立からの3年を振り返り、安倍政権が重点的に取り組んできたことのひとつとして、国の意思決定プロセスの見直しである「ガバナンス改革」を挙げました。その一例として自身が第一次安倍政権時に構想づくりに携わった「国家安全保障会議」(NSC)の創設に言及し、これによって安全保障分野では「外務省と防衛省の間で『交通整理』ができるようになった」と評価しました。

 その一方、課題としてはグローバル・ヘルス問題におけるガバナンスを挙げ、そこでは厚生労働省、財務省、外務省というように、課題解決をしていく上で複数の官庁間で「交通整理」ができていない構図はいまだに残存していることを紹介しました。

 その上で塩崎大臣は、「エボラ出血熱への対応を契機としてWHOの脆弱性が明らかになり、グローバル・ヘルスのアーキテクチャが変わろうとしている。しかし、今の仕組みでは日本では誰もグローバル・ヘルスの『トータル・ピクチャー』を描くことができない。これでは本当の意味での日本の強さにつながっていかない」と指摘するとともに、今後も政権として様々な分野におけるガバナンス改革を続けていく意欲を示しました。

 その後、工藤との対談に移りました。ここでは「アベノミクスの『新三本の矢』をどう進めていくのか」「潜在成長率がなかなか上がらない現状をどう打破するか」「若者の雇用の安定をどう図るか」「河野太郎行政改革担当相が提起した厚生労働省三分割案をどう考えるか」など多岐にわたるテーマで活発な議論が交わされました。

 また、その後行われた参加者との質疑応答では、「橋本行革の総括と安倍行革の方向性」や「かかりつけ医の機能強化」など専門的で掘り下げた議論も交わされるなど、盛況のうちに本フォーラムは終了しました。


※モーニング・フォーラムは、言論NPO会員、および会員からご紹介いただいた方のみの限定イベントです。各界からゲストスピーカーをお招きして開催します。
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