郵政事業の民営化は、小泉内閣の最大の政策課題であるとも言われています。郵政民営化は、道路公団を始め特殊法人改革に一応の決着をつけた現在、官の分野での構造改革の残された最大の課題としてクローズアップされています。郵政事業は、政府の保証がつき預金者や契約者にとってリスクのない郵貯や簡保が民間の資金を吸い上げ、リスクとリターンとの関係の中で市場メカニズムを通じて適切な資金配分を実現することによって生産的な投資に向けたリスクテイクが行われるという民間の金融市場の機能を著しく損なっているとともに、郵貯や簡保の資金が財投システムを通じて特殊法人などに回り、その存在を支えていること、特定郵便局長が自民党、とりわけその守旧派の集票マシーンとなっていることなどから、小泉政権は郵政公社の民営化を構造改革の中核に位置付けています。 小泉内閣発足直後に総理自らが検討を指示した「郵政三事業のあり方を考える懇談会」での結論は、郵政の公社化実現後の事業のあり方として、1.郵貯、簡保、郵便の三事業一体化のままでの「特殊会社」、2. 三事業を維持する完全民営化、3.郵貯、簡保廃止による完全民営化の3案併記の結論を出しました。その後、郵政公社が誕生しましたが、昨年秋に言論NPOが行った小泉改革の政策評価評価アンケート調査では、上記懇談会の結論が3案併記に終わり、首相自身がそのうちどれを目指すつもりなのかを明確にしていないことへの失望感も見られたものの、自民党内閣が従来タブー視してきた問題に小泉政権が真正面から取り組む姿勢を示したことへの高い評価が示されたところです。 その後公表された自民党マニフェストは、郵政事業改革を、「官から民へ」の中の「1.「民間にできることは民間に任せる」-民主導・自律型の経済社会へ-」の理念の下に、マニフェスト全体の第一番目の項目として掲げています。その上で、「郵政事業を2007年4月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、2004年秋頃までに結論を得る。」としています。 4月26日には、経済財政諮問会議は、2007年4月から、郵政三事業を5~10年の移行期間を経て段階的に民営化し、新規の郵貯・簡保の政府保証は打ち切ることなどを盛り込んだ中間報告を決定しました。 |