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 アンケート調査 「与党マニフェストと小泉政権に対する政策評価」vol.5 (※受付終了)

(回答期限:5/10)

(※受付は終了しました。多数のご回答ありがとうございました)

各設問について、いくつかの論点が並べられています。その中からあなたのお考えに最も近いものを一つ選んでください。あなたのお考えにそのまま当てはまらない場合でも、それに近い選択肢をできるだけ選んでいただきますが、それでも該当する選択肢がない場合、ご意見をお書きください。ご協力、よろしくお願いします。


■ 構造改革路線について(経済運営総論)

日本経済はバブル崩壊後既に3度目の景気回復循環に入っていますが、この間、デフレ、とりわけ資産デフレが継続してきました。歴代政権は財政金融政策などを総動員して景気回復に取り組んできましたが、小泉政権のスタンスは、「改革なくして成長なし」との言葉が示す通り、問題の根源は構造問題にあるとの認識の下に、日本経済の構造改革こそが持続的な経済成長の基盤を整え、景気回復に資するという考え方を貫いてきました。すなわち、自律型の景気回復の実現に向けて、3年間の「集中調整期間」を設定して銀行の不良債権問題や産業の過剰供給体質といった構造問題を解決するとともに、民間のリスクテイクを阻害している官の改革を進め、財政を健全化していくなど、構造改革への取組みが進められてきたところです。

経済運営という観点から見れば、相変わらずゼロ金利政策や金融の量的緩和は続いていますが、2003年度は景気対策のための補正予算の編成を行わない緊縮路線の下で、実質GDPは伸びを続け、足元では株価も持ち直すなど、特に今年に入ってからは日本経済はいよいよ自律回復の局面に入ったとの楽観論も強まるに至っています。自民党マニフェストでは、マクロ経済については、様々な改革努力の結果、2004年度末には不良債権比率は半減し、デフレが克服され、2006年度には名目2%以上の経済成長を達成することや、財政健全化路線の下で2010年代初頭にはプライマリーバランスが達成されるなどの目標が明示されています。

 

Q16

以下は、自民党マニフェストをも踏まえつつ、小泉政権の構造改革路線を経済運営全般の視点から評価しようとした場合の論点ですが、それらのうち、あなたの評価に近いものを選んでください。(複数選択可)

 
1:「官から民へ」、「国から地方へ」を基本理念とする自民党マニフェストは、官主導経済から民主導経済へと経済構造を改革し、市場メカニズムを貫徹させて民間が自主自立路線の下に創意工夫を行う中で日本経済の再生に必要なリスクテイクを促していくという、小泉内閣の構造改革路線の理念を明確に掲げており、その路線を追求することが「デフレに勝ち抜く日本」と名目2%以上の経済成長につながることを明示している。既に日本経済は回復と再生に向けて自律的な歩みを着実に進めており、それは構造改革路線の成果の現われでもある。残された今後の課題は、公的システムの持続可能性の確保であり、そのための官の分野の改革に再び焦点が当てられようとしているのは正しい。自民党マニフェストも、財政のプライマリーバランス、三位一体、社会保障、郵政改革など、必要な官の改革を正面から取り上げており、全体として適切な内容である。
2:現在も依然としてデフレが続いており、景気が本格的な自律回復に向かっていると考えるのは早計である。企業のリストラにより分配が家計から企業に移っているだけであり、株価も外国人投資家によって支えられているに過ぎず、アメリカや中国向け輸出に引っ張られる形で一部の製造業が潤っているだけの現状は、トータルで見て本物の回復とはいえない。特に問題なのは、グローバル展開で利益を得ている一部の勝ち組みと、その他大勢の負け組みとの格差が拡大しているという二極化現象であり、地方や中小企業・非製造業を中心に、景気局面に無関係に所得が構造的な低下を続ける人々が人口の40%にものぼっている。構造改革の先にあるのはこうした経済社会の姿であり、とりわけ日本が今後、超高齢化社会に突入していく中で、努力をしても報われない人々の塊をどうしていくのか、全体として活力ある経済社会の姿がその中でどう描かれていくのかについての理念こそが今最も問われている。こうした日本のシステム設計全体についての思想や哲学が構造改革にもマニフェストにも描かれていないことが最大の問題である。
3:小泉改革の問題は、道路公団改革にも見られるように、スローガンやキャッチフレーズで改革への流れは作りながらも、その具体的な検討過程は民間有識者等に「丸投げ」して総理自らは十分なイニシアチブを取らないうちに、官僚や利害関係者との妥協がいつの間にか重ねられ、得られた成案は中途半端な改革か、改革の趣旨が換骨奪胎されたものと化してしまうところにある。一つの極論を唱え、それと現状との中間に現実的な落とし所を探る政治手法は、その分野の改革に国民の関心を引きつけ、結果として既得権益の実態を白日の下にさらし、後戻りできない流れを作ってきた点については評価できるものの、マニフェスト政治のあり方としてどうかという問題があり、期待と実績とのギャップが続けば、かえって国民の政治への不信を煽ることにもなりかねない。
4:昨年の総選挙後の状況を見ると、予算編成過程などにおける従来型政策形成の復活現象や、経済財政諮問会議の存在感の低下など、小泉政権誕生時に見られたような改革の意気込みやイニシアチブが低下し、民間部門での調整も含め、全体に改革の停滞現象が見られる。その原因としては、景気や株価が好転し、全体的に危機感が後退していることや、小泉政権が政治的に無風状態の安定を示してきたことなどが挙げられる。加えて、これまで構造改革がかなり進展し、既に現状で手がけられる問題はほとんど手をつけられ、残されたのはいずれも日本のシステムの根幹に関わる難問だけになってきたことも大きな原因である。日本の構造問題は未だ十分な解決に向けて成果をあげておらず、現在の状況は真の問題を隠蔽しているだけであって、こうした状況での改革のモラルハザード状態は、日本の構造問題をさらに拡大させる恐れがあるのであり、今こそ、大きなビジョンの下にシステムの本丸に踏みこんだ改革の巻き直しが必要である。
5:

小泉政権下での経済運営は、市場メカニズムによる自律的な調整を標榜しつつも、現実にとられている政策は構造改革路線に反し、逆に金融危機対応型で管理的、統制経済的な色彩を強めてきたのが実態である。ゼロ金利政策の継続や、度重なるペイオフ延期、その下でのりそな銀行の国有化や、金融庁による金融機関への介入の強化、あるいは、株価の維持、債券市場における極端な国債管理政策、為替市場への極度な介入なども含め、市場原理に背を向けた無原則性が日本の金融市場を統制主義の下に置く結果をもたらすなど、社会主義的な経済へと後退している。資金循環は民間市場でのリスクマネーではなく国債に吸収され、銀行などへの公的資金や政府保証の拡大と相俟って、「官から民へ」に反して実際には「民から官へ」の様相を強めており、政府によるリスクの吸収、政府信用の異常な肥大化が続いてきた。本来は、一定の時間軸の下での一時的な危機対応だったはずのものが、出口が描かれないまま継続していることは、資本主義経済のあり方としても、日本経済の効率性や生産性の上でも大きな問題である。

6:

小泉政権が構造改革に向けて設定した3年間の「集中調整期間」の状況を見ると、政府の中期展望などでデフレ脱出の時期を先送りしてきたことにも見られるように、当初の期待に反して改革が十分な実質的進展を見せていないことが評価できない点である。生産性の低下したオールドエコノミーを整理合理化し、サービス産業を含め新たな分野の創出で経済の生産性を高めていくという構造改革の趣旨を貫徹するためには、現状の対応では中途半端であり、ペイオフ解禁に加え、構造改革特区を超えた規模での大胆な規制改革や、金利の上昇によって金融市場での資金配分におけるマーケットメカニズムの復活を図るなど、市場原理をより一層活用した政策にさらに踏み込む必要がある。

7:

小泉政権の経済運営の誤りは、当初における課題設定の誤りにある。本来、バブル崩壊で1,500兆円もの富を失った日本経済の問題に対しては、金融の膿を出して簿価と時価との大きなギャップを埋めるためのハードランディング路線以外に解決策がなかったにも関わらず、金融危機を起こさないことを至上命題とし、時間をかけてゆっくりと痛みを治していく一種の忍耐政策の下にソフトランディング路線が採られてしまった。預金の全額保護はバランスシート調整のテンポを落とし、過剰能力問題という構造問題を温存させている。グローバル経済の中での世界大競争時代に対応するためには、こうしたソフトランディング路線を採っているゆとりはない。問題の大きさに対する状況認識と、そこから論理的に帰結される大胆な政策フレームを適切な時間軸の下に設定しなかったことが間違いであり、例えば早い時期に銀行の国有化に踏み切れなかったことなど、90年代の政策の何が問題だったかのをもう一度冷静に洗い直すところから、政策を再構築することが求められる。

8:

小泉政権の経済運営を見ると、言っていることと実際に行っていることが全く異なっている。前例を見ない規模での為替介入こそが、小泉内閣が採った最大の経済政策であり、それによって得たドル資金のアメリカへの供給が世界に流動性を供給していることが、アメリカなどの景気を支え、外国人による日本株買いを促進しており、これが日本の輸出産業の活況と日本の株高につながり、日本での景気回復の動きをもたらしている。それは、政府の方針にも自民党マニフェストにも一切書かれていないことであり、こうした大規模なマクロ政策が構造改革路線の中でどう位置付けられるのかの説明が全くなされていない。これは財政再建路線の下での抜け穴的な需要拡大政策ともいえるが、これほどの規模での変則的な政策は、いずれ大きな歪みをもたらし、調整が避けられなくリスクがある。対米債権を拡大させる形で日本を潤す経済政策路線は、日米一体化路線の強化でもあり、日本がアメリカとますます運命共同体化していくことをも意味するものであるが、これは一つの大きな国家路線の選択であって、それを国民に問うことなく、そこにはまり込んでいく姿は危険であるだけでなく、マニフェスト型の民主政治のあり方としても問題である。

9:

小泉改革路線は供給面に偏った政策であり、問題はデフレ克服がなければ構造改革も進まないことにある。「デフレを勝ち抜く日本」という目標の手段として不良債権の処理を始めとする構造改革を位置付けている自民党マニフェストも、不良債権の処理や構造改革の先にデフレ克服を描く現政権の政策運営も、順序を取り違えており、まずはデフレを克服することが構造改革を可能とする経済環境を生み出すと考えるべきである。生産性の低下した資源をシフトさせる先である新規分野の創出を可能とするためにも、需要面の政策にこそ高い優先順位が置かれるべきであり、より大胆な金融政策と、必要であれば財政再建路線の一時凍結をしてでも、通貨供給両の拡大と需要の創出を図るべきである。このように、小泉政権の政策運営は、路線設定そのものの誤りと、優先順位付けの失敗に陥っている。

10:

その他 (具体的にお書きください。)

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2004年05月12日 00:29

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