政策本位の政治の実現に向けて、言論NPOの活動に期待

2012年9月13日

茂木 友三郎氏
(キッコーマン株式会社 取締役名誉会長、取締役会議長)

 今、日本の問題は何かというと、一つは、政治が極めて不安定だということです。この5年間に総理大臣が5人、つまり1年に1人ずつ出ている、これは大変な問題ですし、これに象徴されるように極めて不安定になっているということですね。加えて、その原因になっていることかもしれませんが、ポピュリズムが横行している。これは与党も野党も両方ともそうなのです。自分たちの選挙のことしか考えない。自分たちの信ずる道を国民に訴えるのではなく、国民にごまをするという態度が見え見えです。これはまさに民主主義の危機だと思っているので、何とかしなければいけない。

 日本にとってもう一つの大きな問題は、20年以上にわたって経済が長期低迷しているということです。その結果、日本は2年ほど前、世界第2の経済大国の座から滑り落ち、中国にとって代わられた。また、購買力平価でみた1人あたりの国民所得を比較すると、アジアの主な国の中で、日本は第4位に転落しました。1位がシンガポール、2位が香港、3位が台湾。台湾には2~3年前に抜かれたわけですが、アジアにおける経済的な地位もどんどん低下している。それは20年間にわたって経済が低迷した結果です。

 何とかこれを再活性化しないといけない。このためにはもちろん民間も精一杯努力する必要がありますが、その前提として、やはり政治が安定しなければならないと思います。

 言論NPOの使命は日本の民主主義を守り育てることだ、というのは工藤さんのお考えだと思いますが、私もそれに賛成です。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

 今、日本の問題は何かというと、一つは、政治が極めて不安定だということです。この5年間に総理大臣が5人、つまり1年に1人ずつ出ている、これは大変な問題ですし、これに象徴されるように極めて不安定になっているということですね。加えて、その原因になっていることかもしれませんが、ポピュリズムが横行している。これは与党も野党も両方ともそうなのです。自分たちの選挙のことしか考えない。自分たちの信ずる道を国民に訴えるのではなく、国民にごまをするという態度が見え見えです。これはまさに民主主義の危機だと思っているので、何とかしなければいけない。