「エクセレントNPOフォーラム」 報告

2012年9月28日

 9月28日、都内にて、市民会議主催の「エクセレントNPOフォーラム」が開催されました。今回は、「望ましい非営利組織とは何か」を主題に、エクセレントNPOの評価基準と非営利セクターの資金調達の透明性、ガバナンスのあり方を議論しました。

 まず、代表の工藤は、「非営利組織が課題解決に取り組み、市民から信頼を得て、社会の資源を集める、そうした良循環を生み出したい」と抱負を語り、皆で議論することを目的とした円卓会議が始まりました。それに続いて、特別参加者の中川正春内閣府特命担当大臣から、NPO法人の資金源の偏りについて指摘があり、「市民サイドから優先順位を決めて、自立的な活動を行う」ための環境作りが必要との見解を示しました。


 第1セッションでは、「望ましい非営利組織とは何か」を主題に、市民会議の提起したエクセレントNPOの評価基準について議論しました。まず、各賞の審査過程で留意した点について審査員から説明がありました。審査の視点について、田中弥生氏(日本NPO学会会長、大学評価・学位授与機構准教授)は「市民参加があり、公序良俗が守られている」ことと「自己評価が適切に出来ている」ことを前提としたと説明しました。市民賞について、島田京子氏(横浜市芸術文化振興財団専務理事)は「市民の参加・ケアでの工夫と成果」、「コンセプトの分かりやすさ」などを基準としたと述べました。組織力賞について、武田晴人氏(東京大学大学院経済学研究科教授)は「課題に見合った組織か」と「組織の持続的な展開が出来ているか」を重視したと述べました。課題解決力賞ついて、田中氏は「課題を深化し、活動を変えていく」ことと「課題の背景にある慣習あるいは政策に目を向けているか」という点で差異が生じたことを示しました。

 それに続いて、応募団体から自己評価に関する発言があり、今回出席した多くの応募団体が自己評価を通じて組織の課題を見直すことが出来たと述べました。その中で、高木仁三郎市民科学基金の菅波完氏は、自己評価によって市民性の視点が欠けていたと気付き、「活動を改める」ために応募したと述べました。さらに、スペシャルオリンピックス日本の渡邊浩美氏は、「組織の再点検」の目的で応募し、自己評価を通じて「使命に即した課題解決が出来ているのか、を見つめなおす必要性を感じた」と述べ、自己評価によって良循環が始まりつつあることが明らかになりました。なお、このフォーラムに先立ち、136の応募団体に実施され、42団体が回答したアンケート調査の結果も公表されました。

 第2部では、大賞の見送られた理由について武田氏が報告し、「自己点検が出来ている団体が多くなかった」、また「資金の透明性と政治的な中立性に問題があった」と指摘しました。特に、村上ファンドからの不透明な資金調達が審査で問題となったため、資金調達の透明性とガバナンスの評価基準について会場から幅広く意見を募りました。外資系証券会社、助成団体、非営利組織など多様な企業・団体から意見があり、その中で世界的な外資系ファンドの代表取締役である蓑田秀策氏は、係争中の企業から資金調達することについて、「こんなことは世界のどこでも通用しない。これはマネーロンダリングである」と厳しい見方を示しました。こうした問題の実務的な解決策について武田氏は、「資金の受け手が自分たちの活動に望ましい資金を選ぶ。それと同時に選ばなかった理由を開示していく」必要性に言及しました。

 最後に、代表の工藤は、市民との信頼関係を構築するために「情報の共有が不可欠だ」との見解を示し、「今回の議論を踏まえて評価基準を深化させ、来年のエクセレントNPO大賞をよりよいものにしていきたい」と語り、フォーラムを締め括りました。

 今回の議論から、市民会議の提起した自己評価を通じて、望ましい非営利組織を生み出すため良循環が生じ始めていることが明らかとなりました。今後は皆さんの助けをお借りしながら、この動きを加速させると共に、来年のエクセレントNPO大賞に向けて評価体系を深化させ、普及させていきたいと思います。

 エクセレントNPOフォーラムの開催に先駆けて、エクセレントNPO大賞に応募いただいた皆様にアンケートをお願いしました。 アンケート結果はこちら アンケート自由記述はこちら