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2010年9月20日

ニコニコ政治放談 日本と中国の政治課題は進展しているか?

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8月30日、31の両日にわたって行われた「第6回 東京-北京フォーラム」。今回のフォーラムでは、外交・安全保障、政治、メディア、経済、地方の5分科会で熱い議論が交わされました。
このフォーラムの様子を振り返ると共に、このフォーラムを通じて見えてきた日本の政治課題について、工藤泰志が語ります。

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ニコニコ政治放談
日本と中国の政治課題は進展しているか?
(2010年9月3日 「ニコニコ生放送」放映
 本編ノーカット版 全54分45秒)


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 低画質・低音質の点、ご了承ください。

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投稿者 genron-npo : 14:44 | コメント (0)

2010年9月 1日

第6回 東京-北京フォーラムを終えて

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2010年8月30日、31日の2日間に亘って開催された「第6回 東京-北京フォーラム」を終え、今回のフォーラムから見えてきた課題とは一体何か。工藤が語ります。
聞き手:田中弥生氏 (言論NPO 監事)


田中: お疲れさまでした。たった今、「第6回 東京-北京フォーラム」が終わったところですが、今回の全体のアウトラインをお話いただけますか。

工藤: 一昨日(29日)に、中国から現役の閣僚や元大臣などを含む中国を代表する有識者120人が日本にやってきました。それで、一昨日(29日)に歓迎式典をやって、昨日(30日)の朝から全体会議と、5つの分科会という構成で議論しました。全体会議は、日本側から内閣官房長官の仙谷さん、福田元内閣総理大臣、三村新日鉄会長、中国側からも新聞弁公室の現役大臣の王晨さんなどが話をして、政治対話を行いました。僕たちは、政治家同士が民間の舞台を活用して本当の議論をしてほしいと思っています。それを多くの人達に公開しようということをやっていましたので、全体会議の政治対話には、日本側から自民党の加藤紘一さん、民主党幹事長の枝野幸男さんなどが来ました。中国側から、元外務大臣の李肇星さんなどの人達が、ガチンコの議論をしました。それで午前中が終わって、その後、5つの分科会で議論を行いました。

 もう少し詳しく言うと、まず、「政治対話」ですが、全国から大学生200人が聴衆として参加し、その前で政治家が話をして、それにたいして学生が質問をするという状況でした。その他、「経済対話」、「地方対話」、「メディア対話」、「外交・安全保障」です。「メディア対話」は、日中の主要メディアの若手記者を含めて、200人ぐらいが集まりました。その前で、世論調査結果から明らかになった色々な日中の基本的な理解の問題、メディア報道の問題についてかなり激しい議論になりました。

 今日(31日)は、その5分科会についての報告を行って、それについて意見交換をして終了しました。今日(31日)は、分科会報告の前に、宮本前中国大使と、小林陽太郎さんの基調報告がありました。宮本大使の発言は、書き下ろしではないんですが、日本に帰ってきてから初めての本格的な講演ということで、非常に中身の密度が濃いもので、僕たちもかなりすごいな、と思いました。この発言の内容をほしいということを、色々な人達から言われました。この発言内容は、言論NPOのホームページで公開しますので、見てもらえればと思います。

 今回のフォーラムの議論は、全体的にかなりレベルの高いものとなりました。第一に出演者が、それぞれのアジェンダに対して向かい合っていました。このフォーラムも、昔は批判する傾向があったり、本音で語れないことがありました。でも、今回は単なる批判だけではなく、かなり本音の議論になりました。同時に、日中が、アジアに対して何ができるのか、という議論ですから、かなりレベルの高い議論になりました。僕は、こういう形のきちんとしたレベルの高い議論は、これからも本当に必要だと思いました。本当に、色々な人達に見てもらいたいと思います。言論NPOのサイトでも中継したのですが、まだまだこれから色々な形で報告しますので、見てほしいと思っています。


田中: 確かに、今回のフォーラムには延2500人の人達が参加されていたし、それからパネルディスカッションではあるのですが、どの座長の方も、会場とのやりとりにかなり時間をとられていて、双方向型の議論ということを意識されていましたよね。


工藤: そうですね。やっぱり、専門家同士の演説会になってはダメで、今回は質を上げると言うことと同時に、会場とのやり取りを大事にするようにしました。私は「メディア対話」に出ていたのですが、会場に加藤紘一さんとか、通貨問題で有名な行天元財務官とかが、一聴衆としてこっそり聞いているわけです。そういうクラスの人達が、各分科会にいっぱい来ています。だから、日本の知識層の人達がかなり来ていて、この日中の対話にかなり期待しているというか、そういう色々な人達の期待を感じました。


田中: それから、私もお手伝いさせていただいたのですが、どうしても聞きたいことがあります。「外交・安全保障対話」なんですが、これもレセプションでも、多くの人が本当に面白かったと口を揃えていましたが、障りだけでもご紹介いただけますか。


工藤: 日本側は自民党政調会長の石破さんと、防衛大臣政務官の長島さん、元国連事務次長の明石さんとか、そうそうたる人達をズラっと揃えました。この対話がすごく注目されたのは、今まではある意味で、パネルディスカッションが何個もあるという形でした。今回は、この対話だけパネルディスカッションではなくて、円卓会議方式にしました。だから、日中それぞれ8人のパネラーがテーブルに座って、4時間半ずっと議論し合いました。僕も少し覗いた時に、ちょうど石破さんが集団的自衛権問題を含めて議論していました。それで、長島さんは日本の防衛政策を語っていました。この前の新安保懇が報告書を出したのですが、その内容についても説明していました。中国の軍事政策を含めた形での本当の議論をしていました。政府レベルや専門家レベルの、しかもハイレベルの会議をみんながリアルに傍聴できている、本当にすごいなと思いました。その会議の中に、自分が入っていると思えるような真剣さ、ぴんと張り詰めた緊張感がありました。傍聴席である企業の社長さんが聞いていたのですが、「途中で帰ろうと思ったけど、こんなに真剣な議論だと帰れない」と、皆さん必死でメモをとっていました。こういう民間対話に、色々な人達が参加して、その中でアジアの未来、北朝鮮問題などの軍事や外交政策を含めて、本当に議論している。このフォーラムは、反日デモがあった2005年から、日中両国民の相互理解を促進するためにから始まったのですが、何かをつくりだそうというステージに間違いなく上がったと思います。


田中: しかも、日中からアジアの方に視野が広がりました。


工藤: 広がりました。アジア、世界で日中で何ができるのか。まさに、未来志向の議論に本当に変わっているんですよ。だから、今までの過去5回と今回のフォーラムを比べると、多分すごく大きく飛躍していますね。今日も、多くの人達が同じ事をいっていました。ただ、これを毎年やるというのは、僕たちにとってもかなり大きなハードルになってきたなと思っています。


田中: 事務的な準備と言うよりも、議論のコンテンツのクオリティをいかに上げていくかであり、これについては今回のフォーラムの実行委員長の安斎氏がヒントを仰っていたと思います。今までは、日本のバブル崩壊以降の教訓で話をしたけれども、これからは今日本が抱えている課題について、どうチャレンジしていくのかという、将来に向けたプランの議論が必要だということを、自らおっしゃっていましたよね。


工藤: そうですね。議論の中身のステージも変わったんだと思います。つまり、今までは相互理解だったから、自分たちがどうだった。日本は中国よりも先に成長して、先に環境や、少子高齢化を含めて、様々な先進的な課題を抱えているわけです。いずれ中国も、同じような状況になると思っていて、その中で意見交換や情報交換があるから、教訓めいた話になったと思うのですが、そんな状況じゃなかったですね。今年、中国は経済力で日本を抜いて、世界第二位になった。日本も三位になったとしても、中国と日本だけでアジアの力は非常に強くなっている。そういう状況の中で、アジアに対して日中で何ができるか。プランニングを含めて考えないといけない局面にきたわけです。ただ、僕が見ていて残念だと思うったことは、日本側の方が、プランニングや未来志向という議論について、まだまだ力不足の感じがしました。どうですか。


田中: 直感的ですが、私も具体的な前に向けた議論というものはなくて、まだ反省の時期なのかなというような感じはしました。


工藤: 加藤紘一さんがレセプションで言っていたのですが、この「東京-北京フォーラム」は、05年の日中関係が非常に厳しい中で、相互理解を深めるために、毎年進化して発展し続けています。でも、この6年間よく見たら、日本の首相は6人替わりました。つまり、毎年変わっている。ひょっとしたら、この数日間で、7人目の首相がでるのではないか、というぐらい、日本の政治は不安定化しているわけです。日本の政治は、政権交代があったものの、なかなか未来志向に転換できていない。つまり、国内的に競争が起きていないわけです。これは冗談っぽいけど、かなり本質だと思いました。議論のレベルとしての「東京-北京フォーラム」はかなり高い。この議論のレベルを、多くの人達に知ってほしい。これぐらいの議論をしていかないとダメだと。しかし、その土俵を見ていると、日本側にビジョンがない、日本の将来戦略、アジアにおいて日本はどういう国を目指して、世界のためにどういう存在感を持っていくのか、何がしたいのか。その答えが日本側から提起されていないということが、今回出てきたわけです。


田中: そうなんですよ。だから、非常に成功したんだけれど、ステージが上がれば上がるほど、日本の宿題がよく見えてきたかなと、私は思います。


工藤: 見えてきましたね。まさに、未来志向で未来の競争が日本の政治に問われているし、日本の学会や論壇など、全てに問われているんですよ。つまり、僕たちは新しい未来に向けて、本当の真剣な議論を始めていかないと日本は非常に弱いものになってしまう。これからが勝負だと思います。言論NPOは、まさにそのために誕生したNPOなんですよ。日本社会に健全な議論を起こしたい。健全な議論をするために、強い議論、つまり競争がなければいけない。そして毎年質の高いものを目指さなければいけない。言論NPOそのものも宿題をもらったと思っています。
でも、僕たちは必ず日本の社会に関して未来への競争が起きて、市民がその議論を判断できたり、参加できるぐらい日本の市民社会を強くしたいと僕たちは思っています。だから、今日(31日)の議論が終われば、とにかく明日から日本の真剣な議論づくりに動こうと思っています。


田中: ぜひがんばってください。お疲れさまでした。


(文章は、動画の内容を一部編集したものです。)

「第6回 東京-北京フォーラム」
を終えて

 

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投稿者 genron-npo : 11:01 | コメント (0)