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2015年1月30日

戦後70年という節目の年にどのようなメッセージを出せるのか
~「東京-北京フォーラム」の準備が本格化~

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戦後70年という節目の年にどのようなメッセージを出せるのか
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言論NPOの工藤です。年が明けてから、インドネシアとインドから帰国後、今、北京に来ています


本格的に始動した今年の「東京-北京フォーラム」に向けた準備

戦後70年、この間、日本がどのような国をめざしてきたのか。私は平和、そして安定的な社会のために日本がアジアの中で貢献できるのか、ということに関心があるのですが、中国との対話の準備のために北京に来ています。

私たちは、10年前に「東京-北京フォーラム」を立ち上げ、昨年10回目を迎えました。中国との間で、政府外交があまり機能していない中でも、民間では対話をしようということで、この対話の枠組みが実現しています。この対話を、今年、どう発展させればいいのか、ということが今回の訪中の主要な課題でした。中国側のカウンターパートナーは国際出版集団という大きなメディアですが、今日は、彼らと朝からずっと議論を行い、今年の対話をどう進めていけばいいか、そして、今年が戦後70年ということで、どのようなメッセージを世界に出せばいいのか議論しました。


戦後70年の年に、日中の民間対話でどのようなメッセージを発信できるのか

言論NPOの中国との対話は、政府外交とは異なり、民間の役割を果たそうということで進めていますが、今年も1つの大きな節目の中で議論を行うということで、いろいろな困難や障害を感じています。しかし、私は、民間の議論の力で北東アジアに平和の枠組みをつくりたいと思っています。そのために、どのように議論を進めればいいのか、勝負を掛けなければいけないと思っています。今日は、中国の主催団体と議論をして、明日も中国の政府を始めとして、いろいろな人たちと協議を行うことになっています。今年の日本と中国との対話、そして戦後70年という節目の年に、どのようなメッセージを出し、どのような議論をつくっていけばいいのか、突っ込んだ準備をしてきたいと思っています。

明後日、東京に帰り、正月から始まったアジア各国との対話は一巡します。いよいよ、対話の準備段階を終えて、今後の議論の進め方などについて本格的な準備に取り組まなければいけないと思っています。

言論NPOは今年、戦後70年という節目の中で、日本のデモクラシーの問題、そして、アジアや世界の中で、将来的な役割をどう果たしていけばいいのか、ということで議論の準備をしています。この議論は、いろいろな形で皆さんに届けたいと思っていますので、いろいろな形でご意見を寄せていただければと思っております。帰国後、正月から始まった様々な議論を次につなげるためのチャレンジをしていきますので、私たちの活動に注目していただければと思っております。
ということで、北京から工藤がお送りしました。



投稿者 genron-npo : 12:56 | コメント (0)

2015年1月15日

デモクラシーを機能させ、平和構築に向けた動きをつくりだす年に ~インドネシア、インド訪問を振り返って~

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デモクラシーを機能させ、平和構築に向けた動きをつくりだす年に
~インドネシア、インド訪問を振り返って~

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工藤:今、ガンジーのお墓の前にいます。墓といっても火葬された場所で、遺骨は全国の河に流れたそうで、記念館のある場所にいます。私たちは今回、インドネシアとインドを訪れ、デモクラシーの問題に関する対話を民間レベルでできないか、ということで、昨日まで多くの人に会いました。


インドで驚いたことは、民主主義をボトムアップでつくろうとする意識

特にインドに来て驚いたのは、ボトムアップ、つまり、下からデモクラシーを作ろうということにかなり多くの人たちが取り組んでいるということです。講演をしたり、色んなところで話をしましたが、完全に話がかみ合いました。多くの人が、デモクラシーというものは、社会の発展や一人ひとりの人権や生活にとって決定的に重要で、下から作っていく社会になることが、非常に重要だという意識を持っていました。

日本の中でも下からの社会的活動とデモクラシーとのつながりが非常に大事なのですが、まだそういう形になっていません。おそらく政治にしても市民と政治の間に距離が広がっているという問題があり、市民が具体的にデモクラシーを強くして、政治を変えていくという大きな流れができていないからだと思います。しかし、そうした動きを日本の社会で作っていかないといけないということを強く感じました。ただ、日本の社会の中でそうしたデモクラシーの基盤をつくるためには、私たち自身がもう少し努力をしないといけないということも改めて感じました。


市民の力が様々な課題や民主主義の様々な障害を克服していく

インド、そしてインドネシアもそうでしたが、社会的、経済的な発展という点では非常に遅れているところもあります。インドについては、私たちが見ても貧富の格差を非常に痛感しました。ただ、社会の発展のプロセスにあるにも関わらず、デモクラシーということに関しては、非常にこだわっていました。そして、デモクラシーをつくるために、多くの人たちが、選挙や人権、貧困など様々な問題に取り組み、社会的ムーブメントまで広げようとしているということを、私は理解しました。

日本でもそうしたアプローチの仕方が必要だと感じました。つまり、知識層や私たちみたいな言論に関する様々な取り組みが、世論を変えていくということが重要です。一方で私たちの取り組みに多くの市民が参加して、その市民の力が様々な課題や民主主義の様々な障害を克服していくという動きを作っていかないと、おそらく日本の将来も大きく発展することは難しいのではないかと思いました。


デモクラシーと平和構築に向けた動きをつくりだす決意を新たに

今回、インドネシアとインドを訪問し、多くの人たちがそうした取り組みを行っていることがわかりました。そうした人たちと言論NPOが様々な形で対話をしていこうということも約束しました。言論NPOだけではなく、日本の様々な人たちがこうした対話の枠の中に入ってくるというのが極めて大事だと思っています。

これから日本に戻りますが、2015年、戦後70年の新しい年に日本の中でデモクラシーと平和に向けた確実な動きを作りだしたいと思っています。そういう覚悟を固めた旅でした。

以上、ニューデリーからの報告でした。




投稿者 genron-npo : 23:53 | コメント (0)

2015年1月10日

「民主主義を機能させる」という問題意識を共有できたインドネシア訪問 ~インドネシア訪問を振り返って~

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「民主主義を機能させる」という問題意識を共有できたインドネシア訪問
~インドネシア訪問を振り返って~

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言論NPOの工藤です。今、ジャカルタの国際空港に来ていて、これからインドに向かいます。

2日間のインドネシア滞在で、インドネシアの元外務大臣やバリ国際フォーラムの関係者、主要メディアの編集長、政府関係者、CSISのディレクターなど、いろいろな人たちと意見交換を行いました。そうした会合を経て驚いたことは、インドネシアの人たちがデモクラシーという問題にかなりこだわっていて、それを深化させ、発展させることに非常に関心を持っていたということでした。


インドネシアで共有できた「民主主義を機能させる」という問題意識

言論NPOは元々、日本の国内においてデモクラシーをいかに機能させるか、そして健全な輿論をどのように構築するのか、ということを考えていたのですが、問題意識はかなり共有することができました。インドネシアの民主化はまだまだ途上で、かなり不安定な面もあると思うのですが、様々な困難を乗り越えて民主主義を獲得しようとしているために、リアルにデモクラシーを考えているという感じを受けました。ですから、私はインドネシアの人たちに、「デモクラシーという問題について、日本とインドネシアの人たちで議論をしてみませんか」ということを問いかけつづけました。皆さん、その提案に対しては賛意を示してくれて、私たちといろいろな議論をしたいと言ってくれました。

昨日も深夜まで、政党政治の在り方や民主主義をインターネット上でどのように発展させるのか、投票をベースにした代表制という問題をどのように有権者の中で構築していくのか。また、オピニオンリーダーの意見をどのように吸い上げていくのか、かなり踏み込んだ議論をしていました。まさに、言論NPOが持っている問題意識を共有できるような思いがインドネシアの人たちの間にもあり、議論が始まったわけです。


民主導でデモクラシーを議論し、課題を乗り越えるための環境づくりを

バリに政府系の人たちが動かしているデモクラシーフォーラムというものがあります。この動きも現在進行形で動いていて、そうした動きに対する協力についての提案も受けました。ただ、私たちは民間ベースでデモクラシーという問題を話し合い、その中でお互いに課題を共有して課題を乗り越えていく、そうしたサイクルが日本とインドネシアの間で実現できないか、問いかけ続けました。そうした問いかけに対し、インドネシアの人たちも賛意を示してくれて、非常に手応えを感じています。年内に何らかの動きが起こるのではないかと思っています。

こうした対話は、アジアの中で極めて大事なことだと思いました。日本は民主主義の国ですが、デモクラシーという問題は、日本だけではなく世界各国でいろいろな形でチャレンジを受けているわけです。そのデモクラシーへのチャレンジを乗り越えて、更に機能させていくために試行錯誤を繰り返す。デモクラシーは制度としてあるだけでは意味がなくて、機能させなければいけないのですが、そういうことに対して、インドネシアの人たちも全く同じ気持ちでした。

私は、今回のインドネシア訪問を通じて、こうした議論がアジアの中で全体的に広がって行って、自由な言論、議論が起こってくるような環境づくりが必要なのではないかと思いました。


議論の舞台はインドネシアから、世界最大の民主主義国家のインドへ

さて、これからもう一つのデモクラシー大国であるインドに向かい、アメリカの外交問題評議会(CFR)が創設したカウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)の地域会合に出席し、世界各国のシンクタンクの人たちと世界の課題について議論することになります。会議では、世界的な経済の問題、気候変動やミレニアム開発目標のポスト2015年の目標、さらにエボラ熱の感染の抑止やWHOの問題などの議論が行われます。また、先日から話題になっている、フランスでのテロの問題、イスラム国の問題も含めテロという問題をどのように考えていけばいいのか、そういったことも議論になると思います。

つまり、こうした国際的な課題について、市民がどんどん発言していくような環境がこれからも必要だと思いますが、まず私の方で、そうした課題について、世界のシンクタンクの人たちと徹底的に議論してきたいと思っています。また、その中身については皆さんに報告したいと思っています。


ということで、ジャカルタの国際空港から、工藤が中間報告というかたちでお送りしました。


投稿者 genron-npo : 18:50 | コメント (0)

2015年1月 9日

日本の将来にとって岐路となる2015年
~言論NPOの課題解決に向けた取り組み~

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日本の将来にとって岐路となる2015年
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言論NPOの工藤です。改めまして新年、あけましておめでとうございます。
さて、私は今、インドネシアのジャカルタにいますが、27℃と非常に熱い日が続いています。2015年、言論NPOの取り組みの第一声はジャカルタからお送りします。


インドネシア訪問の目的とは

私が今回、ジャカルタを訪問した目的は2つあります。1つは、言論NPOがこれまで行ってきた「アジアの平和づくり」、そして「民間外交」についてアジアの人たちと議論をしたいと考えたからです。特に、東南アジアの人たちとこうした問題を共有して、いろいろな取り組みを一緒にできないかと思っています。

一方で、インドネシアはデモクラシーという問題に取り組んでいる国でもあります。言論NPOは、有権者が強くならなければ日本は変わらない、という思いで日本のデモクラシーを強く機能させるために様々な活動を行っていますが、こうした取り組みを、インドネシアを始めとして、アジアの人たちとも議論ができないか、と考えたのが2つめの目的です。

昨日、インドネシアを訪れ、私たちの取り組みに対して、いろいろな人たちと意見交換を行いました。アジアの人たちと共有した価値をベースに、課題解決に向けた議論ができるという手応えを感じているところです。


日本の将来を考える上で大きな岐路となる2015年

先日、年末年始に行った有識者アンケート結果を公表しました。その結果、2015年は「決定的とまではいわないが、日本の将来に影響を与える重要な1年になる」、「日本の将来に影響を与える、決定的な1年になる」との回答を合わせると、8割を超える人が2015年は日本の将来を考える上で、大きな岐路になるのではないかと考えていることが分かりました。私もまさにその通りだと思っていて、日本は将来に向けて、課題解決に真剣に取り組む局面に入ったと思います。アベノミクスが成功し、日本の経済が成長できるか、という点も大きな問題です。過剰な金融緩和が続く中で経済の再生に取り組み、財政再建への答えを出し、高齢化社会が急速に進む中で社会保障の大きな改革に踏み込むことができるのか。そして、こうした問題に対する答えを出せるのか、多分、今年が本当の意味でも勝負になる年だと思います。私たちは未来に向けて、本格的な議論や動きに入らなければいけないのだと思っているところです。


日本や世界の課題解決に向けた、2015年の言論NPOの取り組み

東京からインドネシアに向かう飛行機の中で、今年、言論NPOはどのような取り組みを行っていけばいいのか、ということを考えていました。1つは戦後70年を迎える節目の年に、日本がアジアや世界に対して何ができるのか。私は「平和」や「民主主義」という問題を認識し、解決に向かっていくのか、ということも1つだと思っています。一方で、日本の未来に向けて、多くの人たちとの対話を始めたいと思っています。日本の未来を有権者が考えるためには、有権者が自分たちの家族や地域、そして未来に対しての考えを持ち、その実現に向けて課題解決に取り組まなければいけないと思います。そのための対話の場をつくっていきたいと思っているところです。

今回、インドネシアの後、インドを訪問することになっています。その後、帰国し、すぐに北京に行くことになっています。これまで行ってきた韓国、中国との対話に加えて、他のアジア諸国やアメリカを含めた対話を行うことを計画しています。

同時に、戦後70年に向けた議論を開始します。私たちは「オピニオン」や「言論」という役割、それは14年前に言論NPOを立ち上げたときの初心に戻って、議論づくりやオピニオンというものに責任を持った取り組みを開始していきたいと思っています。そして、私たちは今年、日本が未来に向けて重要な一歩を踏み出せるような流れをつくり出さなければ、と思っています。

私たちの今年の取り組みは、東南アジアの訪問から始まりますが、それは、日本の役割が、日本の未来だけではなく、アジアや世界に対しても大きな責任を担っていることを強く感じているからです。ただ、私たちのこうした取り組みは、日本の多くの市民やオピニオンに携わっている人たちの協力がなければできないと思います。

私たちは様々な形で、多くの人たちにそうした議論に参加してもらえるような場をつくり、皆さんの意見も取り入れながら議論を開始してきたいと思っています。

ということで、ジャカルタから、2015年の第一声をお届けしました。私たち言論NPOの2015年のチャレンジに、ぜひ期待して注目していただければと思います。


投稿者 genron-npo : 11:47 | コメント (0)

2015年1月 1日

2015年、課題解決に向けた大きな流れをつくらないといけない

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2015年、課題解決に向けた大きな流れをつくらないといけない

聞き手:田中弥生氏 (言論NPO理事)


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田中:あけましておめでとうございます。いよいよ2015年を迎えましたが、いかがでしょうか。


新しい流れをつくる決定的な年

工藤:今年はやはり、これからの日本や世界の将来を決める決定的な年になると思っています。毎年そういっているので、「またか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、新しい流れを始めないと未来が見えない局面に来たなと思っています。そろそろ有権者、市民がそういう状況を自覚して、色んな形で考えたり、発言したり、という状況に変えていかないといけない年になると思います。

田中:その決意というのは確かに同質のものなのですが、決意の対象が、言論NPOは広がっていると思います。特に世界との議論において広がっていると思います。外交問題評議会の議論に参加されていますが、ここでは何が現在のアジェンダになっているか教えていただけませんでしょうか。


世界の課題に対して日本はどう考え、どう貢献するか

工藤:昨年、アメリカの外交問題評議会からアンケートが来ました。私を含めて、23か国のシンクタンクのトップに出されたアンケートです。世界の課題解決に対して、どう考えていけば良いのか。そうしたことを考えて、発信していこうという動きが世界で始まっています。

田中:具体的にどのようなアジェンダが上がっているのでしょうか。

工藤:外交問題評議会が提起して設立されたシンクタンク会議、CoCの最大の問題意識は、グローバルガバナンスが十分に機能していないのではないかということです。つまり、世界でグローバリズムが強まって、様々な課題が世界的な展開で起こっているのに、それを解決するためのガバナンスが十分に機能しない。国連を中心とした様々な枠組みが十分に機能をしていなかったり、そこに新興国と先進国の対立があり、十分な合意が形成されないという問題があります。それは環境や、医療、貿易、安全保障、インターネットガバナンスなど至るところにあります。いまアンケートで来ているのは、国際経済の動き、例えばアメリカの利上げが想定されていますが、その影響や、イスラム国を初めとしたテロの問題、ロシアの通貨の問題、TPPなどの国際貿易の問題、エボラ出血熱などのWHOの問題、ウクライナ問題、気候変動、サイバーテロ、南シナ海・東シナ海の領土の問題、核兵器の軍備の問題、ミレニアム開発目標などの貧困の問題といったものです。こうした問題が全て同時に、複雑に絡み合って動いているわけです。それに対して、世界の人たちが声をあげて、その課題解決に向けて動き始めています。

田中:グローバリゼーションという言葉は私たち日本人にも馴染みがあると思うのですが、他方でこういった課題に対して、日本が何を考えているのか、どういう貢献ができるのかということについて、ボイスレスだとか、発信が少ないという批判を耳にしますが、これについてはいかがでしょうか。

工藤:私は海外に行き、会議にかなり出てきました。日本だけではなく、他国もそうですが、声がないというか、ワンボイス化しているように感じます。政府の一部の声だけが出ており、それが対立になってしまっています。また、世界的な課題に対してはほとんど声が聞こえてこないという問題は確かにあります。

 ただ、例えば気候変動でも、気象がここまで異常になってくると「これはどうなっているんだ」と生活の中で思うのと同じように、この問題に対して多くの人が本当に答えを出さないといけないと本気で思っているわけです。

 しかし、その課題に対して日本政府がどう取り組んでいるのかなかなか一般の市民には見えてこない。一方で、政府だけでは機能しない課題に関して、私たちみたいな非営利シンクタンクやNPOやNGO、色んな研究者や医者といった人たちが世界的に動いています。そういう人たちは、なかなか発信ということに関しては、あまり得意ではない人たちが多いです。声が聞こえてこないのはそのためだと思います。

田中:つまり、日本でもグローバルのイシューをしっかりと認識している方々がいて、なおかつその課題解決に向けて行動している人たちが確かにいると。だけれども、それがボイスとして国際的に発信されていないという現状があるということですね。


課題解決に向けた声と言論NPOの役割

工藤:そうですね。ボイスとして形成されるためには、本来は日本の中でそういう議論が起こっていないといけません。日本の中の市民社会なり、民主主義の機能の中で本質的な課題の議論があり、政府がそれに対してどう答えを出すかということを有権者に問うというサイクルが動いていないといけません。国際社会の問題は、なかなか政治は市民に語りにくいという状況があります。研究者も学問的な分析や解説をしても、世界の課題解決に真剣に取り組んでいるという人は少ないわけです。でも現実にはいます。一般の人々は、例えばテロという問題がテレビで放送されると、「えっ、こんなことがあるんだ」とわかります。ロシアの通貨危機があるのではないかなど、色んな問題をテレビで知ることができます。しかし、その周辺にはそれを課題として捉え、解決のために努力している人たちが存在しているわけです。そこには日本人もいます。ただ、それに向けた大きな議論が国内で出てこないと、やはりボイスになりません。私たち言論NPOも、まさに日本国内でそういう議論をしようとしていますが、そんなに大きな動きにはなっていません。だから、世界から見れば日本の声は小さいなと思っている人はかなり多いと思います。

田中:そこのパイプをどう作っていくか、あるいはそういった努力している人材をどうやって発掘して、そのパイプに乗せていくかという大きな課題がありますが、それはまさに言論NPOが頑張らないといけないことではないですか。

工藤:私も正直にいうと、4年くらい前まで世界の課題に対する広い意識はありませんでした。しかし、様々な国際会議に参加するようになってはっきりわかったのは、リージョナルでもグローバルでも、政府だけでは解決ができないという問題が確実にあるということです。先ほどの気候変動など、色んな問題があります。アジアの問題もあります。それに対して市民なり、研究者など色んな人たちが、様々なネットワークを作って、課題に対して取り組んでいる。そうした変化が世界では始まっているのです。ある意味で、課題は国境を越えている。ただ、国境を越えた課題に対して、解決するガバナンスというものが存在しない。それを繋ぐものがない。そういう状況にあるのだと思います。

 私も国際的な会議に参加することで、それを痛感しまして、私たち民間がその役割を果たそうと思っています。だから、国際的な課題だけではなく、アジアの平和に向けて去年日中・日韓の対話でかなり取り組んできました。

田中:さて、言論NPOの話にだんだん近づいてきましたが、2015年の言論NPOのテーマを教えて頂けますか。


2015年、言論NPOは何に取り組むか

工藤:昨年末の選挙の時に政府や政党の政策の評価を行いました。その時に非常に痛感しましたが、国際社会での発信力だけではなくて、日本自体が日本の未来に関して正念場にあると感じを持っています。やはり高齢化の問題が非常に大きいです。それに対して、この国の社会保障や財政というものが機能できなくなるのではないかということに不安があります。日本の政治は、そうした不安に答えを出していません。また、地域が人口減少の中で色んな悲鳴を上げています。そうなってくると、その問題を立て直していくということに覚悟を決めて動かないと、おそらく日本は将来が見えない状況になってしまうというリスクを感じています。ただ、待っていれば政治が課題解決をしてくれるわけではありません。有権者がそれを政治に迫り続けないといけません。自分たちがその課題を問題として認知して、取り組んでいくという動きが起こっていかないと、おそらく課題解決をするという大きなエネルギーなり、インパクトが日本の社会で起こってこないと思います。私たち言論NPOはそのための一つの起爆になり、多くの人たちをその中に繋いで、発言したり、色んなことを考えたりするような、今の状況を解決する役割に立つことが私たちの最大の使命になっています。

田中:では、具体的に今年の計画の中で目玉となるような企画をいくつか挙げてください。

工藤:私は来週からインドとインドネシアにいくのですが、私が非常にいま気にしているのは、今年は戦後70年ということで、日本が今後の国際社会なり、アジアに対してどのように貢献できるか、また、北東アジアの平和を構築するためにどのように寄与できるかということを私たちは問われているような気がしています。本来であれば、それは政府の役割でもあるのですが、やはり国民感情が悪化する様々な局面の中では、民間がその役割を果たさないといけません。言論NPOはアジアにおける平和構築に向けたマルチの対話を今年中に作り上げたいと思っています。

 もう一つはデモクラシーの問題です。日本の政党というものが、課題解決に対して課題解決能力がまずあるかどうか。それだけではなく、日本の政治が国民に向かい合ってそれを実現するために本当に動く、つまり、国民に向かい合った一つの仕組みとしてデモクラシーが機能しているのかということに関して、私たちは真剣に考えています。私たちは去年の選挙では非常に「これは不安だな」と思いました。政党政治が課題解決になかなか機能していないという問題がありし、国民に十分に説明していません。

 つまり、有権者はもっと強くなって、政治をもっと変えていくという流れをつくらないと、この状況は変えられません。課題を解決するためにはまず課題を知るところから始めないといけません。そのために私たちは様々な議論をして、その認識した課題を解決するためのプランまで入り、それを政治にぶつけていくという流れを作りたいと思っています。

 デモクラシーというものが機能して、政治が日本の未来のための仕事をしっかりとできる、そういう民主政治に向かうスタートとする年にしないといけないと思っています。

田中:大変壮大なテーマに取り組んでいくのだと思いますが、ぜひお体に気をつけて、頑張ってください。

工藤:これからアジアに行ってきますので、お腹を壊さないように頑張ってきます。



投稿者 genron-npo : 00:40 | コメント (0)