2008年7月31日
第4回 東京‐北京フォーラムまであと47日を切りました
第4回 東京‐北京フォーラムまであと47日を切りました! 聞き手: |
本日、「第4回 東京-北京フォーラム」の実行委員会が開催されましたが、いかがでしたか。
中国では熱い北京オリンピックの季節が始まりますが、その直後に中国から大訪日団が日本に来ます。フォーラムまであと47日を切り、記者会見も終え、言論NPOにとっての熱い季節もこれからが本番だなという感じです。
昨日は最後の実行委員会と記者会見が行われましたが、実行委員会にはオブザーバーを併せて45人ほど来ていました。日本の各界を代表する日本の有識者が、手弁当で参加し、この日中の民間対話という歴史的事業に参加していただいているわけです。改めて「東京-北京フォーラム」は多くの人に支えられているんだなと思いました。
やはり思い出すのは、05年の反日デモにより、政府間関係が悪かったときに、日中間のほとんどの民間の交流事業が停滞してしまいました。その時、この状況を打開するため、本気の対話をしようという動きにつながったわけです。
僕たちのこのフォーラムは、友好という儀礼的な対話ではなく、本当に日中間の課題について議論をするんです。本気で議論し合うので、その議論が日本や日中間、ひいてはアジアの未来に関して、非常に重要な論点を議論しているので、どんどん輪が大きくなっています。
今日は中国側のパネリストがまだ確定していないので公表できなかったのですが、中国側の打ち合わせでは、閣僚級を含めた50人位の中国人が、オリンピックの直後に日本に来ることを検討していると聞きました。
このフォーラムに問われているのは、知的な交流のレベルをもっと上げることだと思っています。日中間は歴史的にも特別な関係にありますが、それを世界的な視野からも見詰め直し、お互いがその課題に関して真剣に対話することも必要です。
今回のフォーラムでは、経済、環境、食料、地方、安全保障について徹底的に議論しますが、そうした視点からも質の高い議論を行っていきたいと思っています。
また今回のフォーラムでは、いろいろな工夫をして議論がより広く公開できるようなことを考えています。例えば、当日会場に来られない両国の人たちにも、インターネットを通じて議論に参加できる仕組みを初めて導入します。日中の両国民の意識を探るために世論調査を今回も行っていますが、この世論調査を軸とした日中の相互理解の議論に、より多くの人たちに参加してもらいたいからです。
この仕組みは7月14日の民主党とのマニフェストフォーラムで、一度実験してみたのですが、まだまだ改善しなければいけないと思っています。いずれ議論の参加方法を皆さんに呼びかけますが、ぜひ申し込んでいただければと思っています。
私は日中間の民間対話が、本気の議論を通じて、日中間だけではなくて、世界的で大きな視点から日中関係を議論できるような、そういう段階に進まなければいけない時期に来ている気がします。グローバリズムの中、世界経済も非常に厳しい状況で、この前のサブプライムローンの話や食料不足、資源問題も含めて、世界的な課題が非常に大きくなっていまして、そういうことも日中でどう考えていけばいいかという議論もできるかもしれないし、日中そのものの課題もあるだろうし、さっきの国民間の感情の問題とかね、そういうことに関して真っ向から僕は議論していこうと思っています。
手伝ってくれるボランティアの人がまだまだ不足しておりますので、これから募集もしますので、ぜひこの民間の対話、本気の議論をバックアップしたいという人は、来ていただければと思っております。
(文章は、動画の内容を一部編集したものです。)
投稿者 genron-npo : 18:10 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月29日
東京に戻ってきました
四川省からやってきたパンダを見てきました。 |
東京に帰ってこられて数日経ちましたが、体調等いかがですか
僕は日本に帰ってきてすごく疲れました。訪中で疲れたのではなくて、東京に帰ってきたら北京より暑くて。日射病になった感じで、眩暈はするし、本当に疲れました。確かに、中国は暑いんだけど、こんなに日差しは強くなかったですね。朝とか夜はそれなりに対応できたけど、東京の暑さは半端じゃないですね。中国にはこうした強い日差しがないから、どっちが正常なのかわからないけど。とりあえず東京の暑さは半端ではないですね。皆さん体調管理には気をつけましょう。
さて、今月20日から「第4回東京-北京フォーラム」に向けて訪中されましたが、3日間どのように過ごされましたか。また、今回の訪中の具体的な成果についてお話いただけますか。
オリンピック直前の北京は整然としていて、交通量は少なかったです。というのも、ちょうど僕たちが行った日まで交通制限(8月17日~20日の4日間)をしていたんですね。オリンピックを控え環境問題を含め全てに取り組んでいるのが分かりました。それに、晴天ではないものの、太陽とお月様が綺麗に見えましたしね。また、街にはいたるところにボランティアの人たちがいました。北京はオリンピックの準備一色ですが、僕は直後に行われる、「東京-北京フォーラム」もそこまで迫ってきたなと改めて実感しました。
今回のフォーラムで一番心配していることは、日本側で考えている議論に見合った人たちが、中国側のパネリストとして参加できるかどうかということでした。中国の要人には渡航制限がかかっています。でも、かなりハイクラスの訪日団を中国側は検討していたことが分かり、ひとまず胸をなでおろしました。その結果は、来週30日の記者会見で、皆様にはご説明することになりますが、例年にないぐらいの大訪日団になると思います。今回のフォーラムは、オリンピックが終わった直後に開催され、今後の中国の経済運営や食料、環境問題など、世界が注目する様々な課題があります。そうした課題での真剣な対話が始まるんだという、手ごたえを感じて帰ってきました。
このフォーラムは05年の反日デモという最も深刻な時に、日中間での様々な課題を真剣に議論するため、立ち上がりました。昨年までの3回を通じて、ある程度定着しつつあると思っています。それをさらに次の段階に進め、発展させるためいくつかのことを考えています。
まず、もっと両国の国民の人たちに当日参加をしてもらったり、Webを通じて一人でも多くの人に見てもらえるような仕組みをつくりたいと思います。また、抽象的なテーマではなく、現実的なテーマや身近なテーマについて経験を出し合い議論したいとも思っています。世論調査もすでに集計が始まっていますが、こうした両国民間の相互認識に関しては、会場外にいる方も議論に参加できないかと考えているところです。
北京に滞在中に議論に行ったのですが、その中で日中の知的な交流はもっとレベルを上げないといけない、という意見がありました。その意味で僕たちの「東京-北京フォーラム」にかなり期待している人が多いこともわかりました。
この民間対話は日中のトラック1・5としてもその役割を果たさなくてはならないと、思いました。
それから、今回の訪中では時間があったので、四川省からやってきたパンダを見に行き、対面してきました。本当に5分間、僕はパンダとにらめっこしたのですが、何か目がとても印象的でした。
聞き手:学生インターン 高田玲子
投稿者 genron-npo : 14:14 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月24日
北京から報告です
北京での1日目が終わりました。今日は、大使館や、対外友好協会の陳昊蘇(ちんこうそう)さん達と会ったんですが、そこで感じたことは、日中関係はかなり改善してきたということです。議論の中で、日中間の課題に向きあい、解決するような知的な交流のレベルをこの数年の間に上げることが重要だということを、日中の多くの人が思っていることを知りました。僕たちのフォーラムが他と違う点は、交流や友好ではなく、今の日中関係でネックになっていることを真剣に議論し、話し合う対話の舞台を作り上げたということです。そういう意味で、「東京-北京フォーラム」が非常に重要だという認識を多くの人たちが共有し、また期待されていることを痛感しました。現在、オリンピックや地震の対応もあり、中国側は要人の渡航制限をしています。にもかかわらず、中国側からは大規模な訪日団が組まれようとしています。このフォーラムは、両国民に対して議論の内容が全て公開されます。両国の国民が、日中間やアジアの未来について考えてくれるような判断材料を提供したいと思っています。
「東京-北京フォーラム」は、05年の反日デモという最も困難な時に民間の対話が重要だということで立ち上がりました。危機の中から生み出されたこのフォーラムが、将来に向かってどう発展していくのか、ということを考える時期にきているのかなと思っています。今年は東京で開催する年ですが、年に1回東京と北京で交互にやるよりも、お互いが議論のチャネルをもっと多様化し、継続的に行うため、年に数回できないかという意見もあります。年に1回やるのも大変なので、すぐに実現できるとは思いませんが、この対話の舞台をどう発展させるのか、僕も真剣に考えなければいけないと思いました。
現在の中国は、オリンピックがすぐそこに迫っていて、街にはボランティアの人たちの姿が見られます。車の制限もあり、道路もかなりスムーズに移動できます。オリンピック終了後のフォーラムまで残り60日もなく、時間との戦いです。準備はこれから本番ですが、日本側の主催者として何としても成功させないといけないと改めて感じました。
明日、カウンターのチャイナデイリーと議論して、本格的な準備の打ち合わせをします。そこで意思統一をして、それをベースに東京できちんとした議論づくり準備を始めなければいけないと思っています。
以上、北京から工藤でした。
投稿者 genron-npo : 21:13 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月20日
今日から中国に行ってきます!
今日から中国に行ってきます! |
第4回の「東京‐北京フォーラム」が9月に行われますが、言論NPOは今、急ピッチでその準備に追われています。
今月30日に実行委員会を開いて、フォーラムの概要を最終決定し、記者会見でも発表しようと思っていますが、その前に決めなければならないことがまだたくさんあるんですね。中国はオリンピックの直前で、この前の地震のことなどもあって、日本と中国のパネラーに関する最終的な打ち合わせがまだ進んでないんですね。それを僕は明日から北京に行って、それらを協議をしてきちんと固めようと思っています。
この前、中国からパネラーの一次案がリストとして届きましたが、それを見ると省庁の関係者や政治家、ジャーナリストなどが集まり、総勢50名ほどの大訪日団になる可能性があります。それを迎えるために、日本側も議論づくりにしっかり取り組まなければなりません。
今回の訪中は3日間という短い期間なんですが、その中でカウンターとなる中国側のチャイナデイリーや新聞弁公室などと、できる限り打ち合わせをしてくるつもりです。今回の訪中で成果があれば、フォーラムそのものが成功するということはまず間違いないので、何としてでも頑張ってきます!
北京は今ものすごく暑いんだそうで、本当の話かはわかりませんが、最高気温が連日40度くらいになるらしいです。僕は今週民主党と議論したばっかりということもあって、かなりバテている状態なんですが...でも何としてでも頑張ってきます。短パンか何かで行こうと思います(笑)
帰国したら、今回の訪中の成果を皆さんに報告します。30日に行う記者会見で、いよいよこのフォーラムが動き出します。今年もよろしくお願いします。
投稿者 genron-npo : 10:11 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月16日
言論NPO 対 民主党 『第1回 マニフェストフォーラム』 を終えて
マニフェストフォーラムを終えて(1) 聞き手: |
今日(7/14)、民主党の議員と言論NPOのマニフェスト評価委員を招いて第1回マニフェストフォーラムを開催しましたが、いかがでしたか。
まず、言論NPOの評価委員の四人(生源寺眞一氏、齊藤誠氏、土居丈朗氏、西沢和彦氏)が出たのですが、やはり良い評価をしようとしていていい質問をしていました。しかも、それに対して民主党の次の内閣の大臣となる議員の人も、とても誠実に答えていた。話は一応かみ合ったし、内容は別にしてもきちんと説明しようとしていたので、僕としてはこうした民間側と政治との政策論をめぐった対話は非常に大切だと思いました。それがすごく印象的で、是非次につなげたいし、自民党ともやりたい。今日は農業、財政、社会保障、年金がテーマでしたけど、外交や安全保障もやりたいと思っています。その意味で、今日はこれからの始まりというか、きっかけの日になったと思います。
今回は、政治家と評価委員の対決とあわせて、初めての試みとしてネット会議システムを使って、ウェブ上で一般の方にご参加いただきましたが、手応えはいかがでしたか。
僕も司会をしながらウェブ上での動きは見ていました。告知の問題もあって参加者は少なかったんですが、チャット方式や、(実験的に投入した)アンケートもきちんと答えている。また会場での政治家の話を聞きながら、それに対する質問にも答えていて、しかもそれが結構いいところを突いているんですね。やはり、政治家の政策をきちんと見ようと思っている人が今回参加してくれたのだと思います。その点でも良かったと思います。
これをもっと広げていって、いろんな人たちが参加していけるようにしたいと思いました。
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マニフェストフォーラムを終えて(2) 聞き手: |
では、今日のフォーラムの議論の中身についてはいかがでしたか。
やはり、今回のテーマである年金・社会保障・農業・財政というテーマは、僕たちが実施した有識者アンケートの中で、「政治が取り組むべき政策課題は何か」という問いに対する答えのうちの上位4位でした。つまり、政治に対するこれらの分野の課題解決への期待が強いと。それに対して民主党の皆さんもそれなりにさまざまな政策を検討しているのですが、ひとつ気になったのは、党としてのガバナンスがどうなっているのかということです。仮にも今回の参加者は次の内閣の大臣であり、政調会を通じて政策形成をしているのかと思ったのですが、しかし今日の民主党の参加者らの政策は、党の政策として集約されていないような印象を持ちました。つまり民主党の場合、党内で政策をまとめ上げることの大変さがわかってしまった。けれど、有権者から見れば政党なわけですから、政党は有権者に対してきちんとしたひとつの政策を提示し、実現していくという形で有権者との議論が始まるのであって、そこに関して、民主党だけではなく自民党もかもしれませんが、党の政策プロセスはどのようになっているのだろうかと疑問を持ちました。
それから、経済政策に関しては、やはり弱いなと。今回の言論NPOの評価委員は日本の経済学者の中でも第一人者がそろっており、対談を聞いていると経済政策的な掘り下げが少し弱いと感じました。特に成長政策については、政治が出来ることとしては数値を約束するというより成長のための基盤を作ることなのですが、民主党議員の発言に、そうした視点は見られませんでした。今非常に深刻化している財政再建、赤字の問題についてそれをどうやって解決していくか、納得できる明確なビジョンは提示されていなかったですね。これらに関して、今日のフォーラムの模様は皆さんに公開しますので、是非皆さん自身で判断してほしいと思います。
また、もちろんマーケットが機能しない社会的なゾーンがあるというのはわかるのですが、なんでも所得再分配のような議論になってしまうとよくない。評価委員の生源寺氏も言っていましたが、例えば農業の話にしても、農家の人達だけでなく消費者も農業問題に関心があるわけでね。それに対しても民主党はきちんと語らなければいけないんですが、やはり農村の特定の基盤に対する発言しかない。しかしその一方で、農業の未来を描いているわけでもない。こうした状況では、民主党は政権政党としての政策の掘り下げや展開が少し弱いのではないかという気はしましたね。
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マニフェストフォーラムを終えて(3) 聞き手: |
あと、僕は会場でのアンケートやウェブでのアンケートも見ていたのですが、今回の民主党の政策説明に関して納得できない人が意外に多い。しかし、なぜ皆がそう思ったかというと、ある面で言えば民主党議員の皆さんが私たちの質問に誠実に答えていたからなんですね。政治家という人たちは、よく発言をごまかします。しかし、今回出席してくれた民主党の方々は、有権者に政策をきちんと説明したいという意思がかなり強かった。そのこと自体が僕はすごくうれしかったんですね。アンケートで納得できないと答えた人たちも、おそらく怒って納得できないというよりは、ちゃんと説明してくれたんだけど、まだ納得できないという感じでしたので、こうしたフォーラム作りを継続して行っていきたいなと思いました。
このフォーラムでの議論もふまえ、僕たちは評価作業をこれから本格化させたいと思っています。
(文章は、動画の内容を一部編集したものです。)
投稿者 genron-npo : 20:18 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月13日
民主党との政策討議『マニフェストフォーラム』について
民主党の国会議員と言論NPOのマニフェスト評価委員が激突するフォーラムが、いよいよ明日開催されます。皆さんがこれをご覧になっているときはもしかするともう終わってしまっているかもしれませんが、政党に政策を直接問うという試みは、僕たちのマニフェスト評価作業にとっても初めての試みです。僕たちが特に問題視しているのは、日本の政治が日本の課題解決に取り組むよりも、選挙を意識した攻防に明け暮れていることです。特に政権交代を求める民主党の政策は支持できないという声が多いということが、僕たちの行ったアンケートからも明らかになりました。民主党はいったい何を考えているのか。そこで僕は民主党の政調会にネクスト大臣との議論を要望しました。
内心、NPOが政党の政策を問うという試みは政治の世界では理解されないのではないかと思っていました。ところが、民主党からの返事は「受けてたつ」というものでした。
7月14日には民主党の結党10周年パーティーが行われます。その前ならネクスト大臣を4名出せるということで、この企画は一気に動き出しました。
言論NPOのマニフェスト評価委員は、いずれも各界の専門家の方々ですが、今回のフォーラムではその中でも、前述のアンケートで関心を集めた「社会保障」「財政」「農業」の各分野の専門家4氏が、こちらからも登場します。
フォーラムはお昼からということで、残念ながら来られない方も多いと思いますが、そのような方々のために、インターネット中継を行い、議論に参加できるしくみも導入します。さて、民主党はこの3分野で何を国民に約束しようとしているのか、僕は明日、これを明らかにしてみせます。(これから勉強しなくては...)
投稿者 genron-npo : 21:39 | コメント (0) | トラックバック
2008年7月 3日
工藤の活動報告―「第4回 東京‐北京フォーラム」に向けて
6月30日は「東京‐北京フォーラム」の分科会の打ち合わせで、東京大学に行ってきました。数えてみるとフォーラム当日まで、あと70日ほどしかありません。中国はその前にオリンピックもあり、今は地震の問題もあります。しかもこのフォーラムはオリンピックの直後に開催されるということで、これはまさに歴史的なタイミングです。私たちのこの民間対話は、日中関係を大きく、太いものにして行く可能性を秘めているものです。
日本では、昨今環境問題が大きく叫ばれていますが、もうひとつ、食料に関する問題があります。世界的に食料の確保が非常に難しくなり、日本は食料自給率が39%と、ほぼ輸入に頼っている状態です。中国も今は自給率100%を超えていますが、小麦など一部の食料を輸入に頼り始めています。経済成長に伴い、中国でも食料が大きな問題になるでしょう。この問題をどのように考えていけばいいのか。これが今回の分科会のひとつのテーマです。
この日大学の先生たちや農水省の人と協議していて気づいたのですが、日中間で食料について対話を行うことはこれが初めてだということです。経済や環境の問題と日中関係はもはや切っても切れないものになってきているにもかかわらず、食料問題はほとんど協議されてきませんでした。しかし、対話というのはそういうもので、なにかきっかけがなければ動き出しません。私たちの食料対話は、食の安全性のルールづくりを、政府だけでなく民間レベルで取り組んでいくことや、両国の食料自給に関することもテーマとして扱っていくことになるでしょう。このような対話は、たいてい大きな事件が起こったときに生まれ、その処理で終わってしまうことが常だったことを考えると、今のうちに食料の安全保障も含めて対話を行うことには非常に大きな意味があると思います。
これらについて、この日は東大で、先生たちとある程度考え方を共有しました。これをベースに、私たちは中国との交渉に臨み、適切な人に日本に来ていただき、徹底的な議論を行いたいと思っています。