【インタビュー】日本の経済改革と言論の役割

竹中平蔵 (経済財政政策担当大臣)
たけなか・へいぞう
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1951 年生まれ。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所研究官、ハーバード大学客員准教授、慶応義塾大学総合政策学部教授などを経る。経済戦略会議、IT 戦略会議の主要メンバーとして政策提言を行い、テレビ・雑誌など幅広い分野でも活躍してきた。主な著書に『研究開発と設備投資の経済学』、『対外不均衡のマクロ分析』、『経世済民―経済戦略会議の180日―』、『経済ってそういうことだったのか会議』(共著)、『みんなの経済学』など
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経済財政政策担当大臣の竹中平蔵氏に、今後の経済改革の方向性と、マスメディアを含む言論界の社会的役割についてインタビューした。 理論的に正しくても、政策形成プロセスの問題で実現できないケースが多々ある。政策形成を健全化する意味において言論界の役割は大きいはずだが、ほとんどの言論人は単なる政府批判、揶揄を繰り返すだけで、政府に対する建設的な議論がほとんどないと竹中大臣は嘆く。
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政府は去る2月末に総合デフレ対策を発表した。竹中大臣はもっと早い段階からデフレ対策の必要性を訴えていたが、なかなか理解を得られなかったという。それは、デフレには良いデフレと悪いデフレがあるという考え方が世間で広く認知されているからだ。デフレは悪くないという議論は、一般価格と相対価格を明らかに混同している。物価全体が下がると、実質債務が増える。バランスシートの調整を行おうとしている企業や家計にとって、デフレは大きな負担になる。 また、財政的な観点からもデフレは容認できない。税収は名目GDP(国内総生産)で決まるから、600兆円以上の債務を負った公共部門がデフレを容認していたら、財政は破産する。したがって、政策論としてデフレはやむを得ないという議論はあり得ないと竹中大臣は強調する。
そして、話は言論の社会的な役割へと広がっていく。竹中大臣は、言論側が政府批判をするのはやむを終えないとしつつも、政策の常識を踏まえた議論をしないと単なる揶揄で終わってしまい、なんら建設的な発展性がないと語る。
よく例として挙げられるのが、小泉政権とサッチャー政権、ブッシュ政権の比較だ。この比較は小泉改革のスピードが遅いという文脈で使われることが多いが、それは事実に反すると竹中大臣は指摘する。1979年に誕生したサッチャー政権が英国航空を民営化したのは84年、レーガン政権の航空運賃完全自由化は政権発足から3年目である。これに対して、小泉政権は発足から1年以内で160 の特殊法人のうち64の民営化や廃止を決定している。
改革のスピードをさらに速めるために、竹中大臣は税制改革を今年の最大の課題に挙げる。これまでの租税原則は「公平、中立、簡素」であったが、これに活性化を加えるべきではないかと竹中大臣は考えている。税は経済のサブシステムであり、経済をよくするために税制は存在しているからだ。そして、収支中立、オープンな議論という原則で税制改革を進めたいと語る。
2002年03月16日 21:44
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