【座談会】「霞が関金融問題座談会」 デフレ対策が問う日本のガバナンス
司会 工藤泰志 (言論NPO代表)
覆面官僚A
覆面官僚B
覆面官僚C
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銀行に対するマーケットの不安が高まる中、首相は金融庁に対して特別検査の厳格化を命じた。しかし、金融庁サイドには銀行が過小資本状態にあるという認識はなく、公的資金注入による経済危機の予防にも消極的だ。一方の日銀は金融庁の公的資金注入を待ち、静観の構えを示している。 閣内に不協和音が響く今、デフレ脱出、不良債権解消のために金融行政ができることとは何か。3人の経済官僚が本音で話し合った。
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2月末、政府は「総合デフレ対策」を発表した。懸案だった金融庁による特別検査の厳格化は盛り込まれたものの、小泉首相がどのような危機意識をもち、どこに着地しようとしているのか、今回の発表からはまったく読み取れない。
銀行の株価は前回の資本注入前よりさらに2~3割下落している。特別検査の結果公表は4月中旬移行の予定だが、税効果会計と公的資本を除く中核的資本をベースとすれば、銀行はすでに過小資本状態に陥っている可能性が高い。もしそうだとすれば、新たなる危機の波が襲ってくる前に、公的資金の再注入を含めた何らかの方策をとらねばならないだろう
ところが経済官庁の現役官僚メンバーはそのような考えを真っ向から否定する。金融庁による特別監査は国際的ルールに基づいた適当なものであり、監査法人や日銀による考査も行なわれているのだから問題ないというのがその理由だ。
公的資金の再注入に関しても慎重な態度をみせる。金融庁は、公的資金の再注入により、事実上銀行を国家管理してゆくことの危険性を強く懸念している。彼らが強調するのは、公的資金を投入するには「それをしないと国または地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障がある場合」という厳しい法律的要件が必要であるということだ。したがって、ペイオフ解禁後増えると予想される「資金繰り破綻」においては日銀がリスクを負い、公的資金よりむしろ法的要件の緩い日銀特融で流動性資金を供給するべきだと提言する。
金融行政は、あくまで合理的なルールに依拠しつつ金融システムを安定させることを念頭に置いているが、それだけではこのデフレからは抜け出せそうにない。金融庁、財務省、日銀、それぞれの思惑を集約し、強力に牽引していくような日本のガバナンス(統治システム)をどう構築していくかが、今後問われることになる。
2002年03月16日 16:47
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