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【vol.108】 座談会『日中のコミュニケーションギャップをどう乗り越えるか(2)』

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■■■■■言論NPOメールマガジン
■■■■■Vol.108
■■■■■2004/11/23
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●INDEX
■ 座談会『日中のコミュニケーションギャップをどう乗り越えるか 第2回』

●TOPICS
■ 12/15 (水)「言論NPO 設立3周年記念パーティー」のご案内
■ 11/27 (土)「ローカル・マニフェスト推進大会」のご案内


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■ 座談会『日中のコミュニケーションギャップをどう乗り越えるか 第2回』
  張仲梁 (新生代市場監測機構CEO)、霍虹 (新生代市場監測機構副長経理)
  五十川倫義 (朝日新聞社論説委員)、山田賢一 (NHK放送文化研究所主任研究員)
  古畑康雄 (共同通信社メディア局編集部記者)
           司会:工藤泰志 (言論NPO代表)、牧野義司 (言論NPO理事)
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●日中のコミュニケーションギャップをどう見るか

張  それから3点目に申し上げたいことは、日本であれ中国であれ、つまりどちら
   側であれ、友好をやらない理由、あるいはお互いの交流を発展させない理由を
   挙げろと言えば恐らく100ぐらい挙げられるでしょう。しかし、同時に、友好
   を発展させるべき理由を挙げるとすれば、やはり1000ぐらいは挙げられると
   思うわけであります。そういう点でもメディアの役割が大きいと思います。

   中国の社会、特に主流は、中日関係に対してやはり心配を持っております。そ
   して、そうした問題を解決する道を探したい、探り当てたいと希望しておりま
   す。しかし、こうした人たちが心配しているのはやはり民間の力です。民間の
   力というのはどういうことかといいますと、先ほど申し上げましたように、い
   ろいろなマイナスイメージを人為的にブローアップする、そしてコントラスト
   を強烈にする、そういう民間の力の影響というものを心配しております。

   ですから何かやらなければいけないと思っているわけですが、やらなければい
   けないと思っても、なかなか良い方法が見つからないということがあります。

   2年ぐらい前でしたか、S会社の人たちと意見交換をしたことがありました。新
   日鉄の技術で北京-上海の鉄道をやりたい。そのための意見交換でした。た
   だ、この事業をやりたいのは日本だけではなく、ドイツもフランスもそうでし
   た。日本の場合はS会社が間に入って、JETROがコーディネートしていまし
   た。私は当時、こういうことを申し上げました。S会社は政府の鉄道部の人た
   ちといろいろ関係を持とうとしていたわけですけれども、私は、そういう必要
   は余りないと申し上げましたん。なぜならば、鉄道部としては日本の新幹線の
   技術に非常に注目しているわけです。ただ、それがどうしてできないかという
   と、政治的な要因があります。

   どういうことかといいますと、もし中国が北京-上海の鉄道に新幹線の技術を
   入れるということになると、恐らく反対を唱える意見がかなり出てくるでしょ
   う。それに対して、ドイツ、フランスのものを入れるということであれば、反
   対意見は基本的にあまり出ないと思います。ですから、もしもS会社が本当に
   北京-上海の鉄道に加わりたい、このプロジェクトを本当に引き受けたいと考
   えているのであれば、そのビジネスの発展を願うのであれば、鉄道部の役人と
   関係をつくるよりも、むしろPR活動を通じて民間をうまく誘導する方がいいと
   申し上げたわけです。

   その点に関しては、いろいろエピソードを申し上げることができます。例えば
   韓国の鉄道ですけれども、やはり同じような反対に直面して、結局、フランス
   のものを入れた。ところが、フランスのものを入れて、きちっと仕上げること
   ができなかったものですから、最後には日本に支援を求めたということもあり
   ました。私個人の観点としては、民間の意見と政府の政策を単純に同じものと
   してはいけないが、政府は政策を決める時に、民間の意見を考えなければなら
   ない。

   ですからもしも中国のメディアが、韓国の鉄道におけるようなエピソード、こ
   ういう経験を大衆に対して報道したのであれば、反対意見は少なくなるであり
   ましょうし、逆に新幹線を支持しようとする人たちの発言の機会も増えるで
   しょう。ですから、私はS会社に対しまして、もしもビジネスを進めようと思
   うのであれば、そのやり方を変えるべきであるということを申し上げました。
   恐らく鉄道部としても、民衆の意見というものは考慮せざるを得ないだろうと
   思います。しかし残念ながら、今日までのところ、そういう面で具体的な動き
   は見られません。

   最近、ご存じのとおり、中国の外交官であります王毅さんが駐日大使になった
   わけであります。私のある友人は、王毅さんと個人的なつき合いを持っていま
   して、そういうところから得た情報で感じるところは、王毅さんの肩にかかっ
   ている責任というのは非常に大きいと思っております。そうした友人と王毅大
   使について話したことですけれども、王毅大使が今のような状況で自分自身の
   役割をきちっと演じきるというのはなかなか難しい。むしろ駐日大使という役
   どころをきちっと演じきれない方が容易、つまり可能性が大きいのではないか
   と話しました。

   以上、3つの原因を申し上げましたけれども、これは基本的に出発点となる1つ
   の概念があります。中日間に存在している問題というのは非常に厳しい状態に
   ある。この問題に対して、ぜひとも新しい考え方、言うなれば新思考を持って
   当たる必要があるということです。


●コミニュケーションギャップとメディア

霍  私は霍と申します。かつて91年から2000年まで9年間、日本で暮らした経験
   もありまして、その経験によって自分なりに日本という国を理解していると思
   います。また、日本という国に対する親近感を持っている。自分は最初に留学
   生として来ました。きっかけは親のお友達からの誘いがあったことです。その
   方は日本人で、ずっとその方のおうちにホームステイをしていまして、つま
   り、本当に民間の個人対個人のレベルで親しくしていただいているところから
   親近感が生まれた原点でもあると思います。

   また、普通の留学生と違うのは、皆さんはアルバイトでお金を稼いでいるのに
   対して、自分は時間を勉強に使って、成績で授業料の免除とか奨学金をもらっ
   ていたため、アルバイトをしている間の不愉快な記憶が自分自身には何もな
   かった。

   また、大学院を出た後にNTTに就職しまして、後にNTTコミュニケーションズ
   になりまして、国際本部に配属されていましたので、外国人であることがハン
   ディではなく、強みになっていたということからも、周りと非常に仲よく仕事
   をしていまた。そういったような経験の積み重ねで、自分の留学経験がいい思
   い出ばかりだったというのもあったと思います。

   中日問題という大きな問題について個人的に言わせていただくと、世論という
   のは対抗できないぐらい非常に強いものであるのですが、世論というのは、
   人々が口をそろえて言えば、それは世論になる。では人々がなぜそう言うかと
   いいますと、その人の自分なりの情報源から情報を得て、自分の考え方がそれ
   によって出来上がり、多くの人々が持っている考え方が、世論のベースになっ
   ているのではないかと思います。

   つまり、情報がプラスの情報であれば、世論というのも当然プラスの世論に
   なっていくと思いますが、その情報源―一番大きな情報源は恐らくマスコミで
   はないか。私の友達は、マスコミ以外に私からも情報を得ることができるので
   すが、私の影響力はマスコミにはとても比べ物にならないぐらいの小さな影響
   力ですので。

   そういうところで、マスコミの力を今の私の仕事と中日問題という大きな問題
   で関連付けて言うと、私が今働いている新生代ではテレビや新聞の内容分析を
   しておりまして、そこでの結果から、今のマスコミはどういうことを言ってい
   るか、現状把握というのができまして、またその変化、いい方に変化していっ
   ているのか、悪い方に流れ込んでいっているのか、そういうのはまず今の仕事
   から分かっています。そこでタイミングよくプラスの情報を流すことによっ
   て、世論を期待する方向に導いていくことも可能になります。たとえ最初に不
   祥事があって注目されたとしても、注目を浴びていることをいい方に回すこと
   によって、あまり隠そうとしないで、いい情報を注目されているところで流せ
   ば、結果としていい結果になるのではないか。よく企業の不祥事などのとき
   に、賢い企業はそういうふうに利用しているのと同じように、中日問題に関し
   てもそういう使い方をすれば、みんなが望んでいるいい方向に導かれていくの
   ではないかと思います。

                          ──次号へつづく──

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■ 12/15 (水)「言論NPO 設立3周年記念パーティー」のご案内
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平素は言論NPOの活動にご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

言論NPOは2001年より「言論不況からの訣別」を目指し元「論争東洋経済」誌編集
長の工藤泰志を代表とし、各界の有志と共に活動して参りました。御陰様で今年の11
月をもちまして設立3周年を迎えることができました。言論NPOではアドバイザリー
ボードの小林陽太郎氏、宮内義彦氏、佐々木毅氏、北川正恭氏らの呼びかけにより、
3周年を記念いたしまして、下記のとおりカクテル・パーティーを開催することとい
たしました。

言論NPOはこの3年間、日本の将来に向けて建設的な問題提起や解決策の提示を行
い、政治と有権者との間に政策をめぐる緊張感ある真剣な議論の舞台をつくろうと
様々な活動を行ってきました。しかし、これからの3年間こそ、日本の将来にとって
もまさに正念場と言える重要な選択の時期だと私たちは考えております。この3周年
という節目にあたり、私たちは決意を新たにして日本の将来に責任意識を持った真剣
な本物の議論の形成に取り組みたいと考えております。

つきましては言論NPOの活動を今後さらに発展させるべく、会員の方々を始め、各界
の幅広い方々にご出席を賜り、私たちの活動や思いにご理解をいただければ幸いで
す。楽しいご歓談の場とさせて頂ければと存じますので、ご多用中とは存じますが、
是非ご出席頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。


◆呼びかけ人代表
 小林陽太郎 佐々木毅 北川正恭 宮内義彦

◆呼びかけ人
 安斎隆 イェスパー・コール 伊藤元重 石黒光 上村多恵子 賀川洋 木村伊量
 国分良成 川本裕子 近藤正晃ジェームス 榊原英資 佐藤玖美 島田晴雄
 瀬戸雄三 橘・フクシマ・咲江 津川清 長岡實 深川由起子 福川伸次
 藤澤義之 牧野義司 増田寛也 増田宗昭 松井道夫 茂木友三郎 山田孝男
 横山禎徳


            - 記 -

◆日時    2004年12月15日(水)午後 5:30~7:30

◆場所    レストラン・アラスカ・プレスセンター店
       (千代田区内幸町2-2-1日本プレスセンタービル10階)

◆参加費   お一人様 3,000円

◆アクセス  会場近辺の地図は、こちらをご覧ください。
       http://www.alaska-net.co.jp/press/map.html


◆詳細、お申込みはこちらからお願いいたします。
http://www.genron-npo.net/about/history/041215_partyanno.html

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■ 11/27 (土)「ローカル・マニフェスト推進大会」のご案内
  主催:早稲田大学大学院公共経営研究科、早稲田大学マニフェスト研究所
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言論NPO代表・工藤泰志は、11/27(土)に「ローカル・マニフェスト推進大会」
(主催:早稲田大学大学院公共経営研究科、早稲田大学マニフェスト研究所)に参加
いたします。
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この検証大会は、2003年の統一地方選挙で当選した市、区長のマニフェストの進捗
状況、ローカル・マニフェストの意義および課題、今後の展望を検討する目的で開催
いたします。又、本大会はローカル・マニフェスト推進ネットワーク(全国8ブロッ
ク)とローカル・マニフェスト推進首長連盟の結成報告も兼ねております。真の分権
改革を進め「新たな国のかたち」を実現する大会にしたいと考えています。

●日時   2004年11月27日(土)13:30~17:40

●場所   早稲田大学西早稲田キャンパス14号館2階201教室
      (東京都新宿区西早稲田1-6-1)

●主催   早稲田大学大学院公共経営研究科
      早稲田大学マニフェスト研究所

●参加方法 FAXまたはメールにて事前申込制
      参加費無料、定員700名、定員になり次第締め切り

<お申し込み先>
  早稲田大学マニフェスト研究所事務局
  〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1
  Fax: 03(5286)1663 E-mail: maniken@list.waseda.jp

●お問合せ 早稲田大学マニフェスト研究所事務局(担当:林)
      TEL&FAX: 03(5286)1663
      E-MAIL: maniken@list.waseda.jp

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  ┏━━━━━━━━━━━━ 会員募集 ━━━━━━━━━━━━━┓
   言論NPOは、ウェブサイト以外に、出版、政策フォーラム、
   シンポジウムなど、多様な活動を展開しています。

   ●言論NPOの3つのミッション
   1. 現在のマスコミが果たしていない建設的で当事者意識をもつ
     クオリティの高い議論の形成
   2. 議論の形成や参加者を増やすために自由でフラットな議論の場の
     形成や判断材料を提供
   3. 議論の成果をアクションに結び付け、国の政策形成に影響を与える

   この活動は、多くの会員のご支援によって支えられています。
   新しい日本の言論形成に、ぜひあなたもご参加ください。
   http://www.genron-npo.net/guidance/member.html
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 このメールマガジンのバックナンバーはこちらに掲載されています。
 URL http://www.genron-npo.net/guidance/melma/melma.html
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 配信中止、メールアドレスの変更はこちらで。
 URL http://www.genron-npo.net/guidance/melma/melma.html
 このメールマガジンについてのご質問・ご意見などはこちらで。
 info@genron-npo.net
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 発行者 特定非営利活動法人 言論NPO  代表 工藤泰志
 URL http://www.genron-npo.net
 〒103-0027 東京都中央区日本橋1-20-7 電話: 03-3548-0511
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