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【vol.105】「第1回言論NPOフォーラム」参加者からのご意見、ご質問の回答:増田氏前編

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■■■■■言論NPOメールマガジン
■■■■■Vol.105
■■■■■2004/11/02
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●INDEX

■ 「第1回言論NPOフォーラム」参加者からのご意見、ご質問の回答:増田氏前編


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■ 「第1回言論NPOフォーラム」参加者からのご意見、ご質問の回答:増田氏前編
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言論NPOは10月13日に「ローカル・マニフェストと地方の自立」と題し、ゲストに
北川正恭早稲田大学院教授(元三重県知事)、増田寛也岩手県知事、穂坂邦夫埼玉県志
木市長をお迎えし、フォーラムを開催しました。

フォーラムでは参加者の皆さまより、ご意見、ご質問をいただき、質疑応答の時間を
設けましたが、全てはご紹介出来ませんでした。後日、事務局が書面でゲストの3氏
にお送りし、回答を頂きました。

今回は増田氏の回答(前編)を公表いたします。

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●Q1:
文化ソフトパワーなどコミットメントが数値化しにくいマニフェストの評価は、どう
行うのか。


○A1:
マニフェストの構成要件の一つに「検証可能性」が挙げられます。従って、目標を数
値で明示していないものは、従来の公約の域を出ておらず、マニフェストとは言い難
いものであると思います。

内容が文化保護・育成政策に係るものであれば、例えば「○○文化の継承者を育成す
る○○養成講座の受講者数を○年までに○人にする」といった具体的数値目標を示す
必要があると考えます。

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●Q2:
昨年の統一地方選挙の中、増田知事が掲げたマニフェストについて、県民の皆さんか
らの関心を強く感じましたか?

業界、利害関係者から、マニフェストの内容についての質問や批判はどのようなもの
がありましたか?


○A2:
マニフェストは作成したものの、公職選挙法上配付できませんでしたが、地方紙等の
マスコミが私の政策を取り上げてくれたことで、県民の皆さんにその内容がある程度
伝わったものと思います。

やはり、公共事業三割削減が最も反響が大きく、多くの批判等をいただきましたが、
マニフェストは言わば県民との約束であり、それを実行することが私の責務であると
考えています。

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●Q3:
増田知事が公共事業削減などの"苦い薬"の入ったマニフェストを書けたのは、2期目
で政権基盤が安定していたからではないのか?


○A3:
確かに、マニフェストに「苦い薬」を盛り込むことができた理由の一つに、「知事を
二期務めてきたこと」が挙げられます。ただし、二期の経験により、岩手の財政構造
をどのように転換する必要があるのかが見えてきたということであり、必ずしも政権
基盤が安定していたということではありません。

また、今回、私のマニフェストに「苦い薬」を入れたことで、従来の公約との違いを
県民は感じとってくれたのではないかと思います。県民は部分的ではなく、トータル
で判断する目を持っており、今回「苦い薬」を入れなければ、今までの公約と変わら
ないということになり、逆にマニフェストというものに失望したのではないかと思い
ます。

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●Q4:
岩手の場合は、県民がマニフェストを支持したとは単純に思えず、そもそも圧倒的な
支持がある増田知事だから当選したとも言えると思います。県職員の方も皆さん志が
高く、マニフェストで当選した知事だからというより、すでに自立に向けて取り組ん
でいるように感じます。

(1) その点はいかがですか?
(2) また、今後、知事と県職員の(良い)サイクルを県民一人ひとりのレベルにどう広
げ、ある種のギャップを埋めていかれますか?


○A4:
地方紙等のマスコミが私の政策を取り上げてくれたことで、県民の皆さんにその内容
がある程度伝わったものと思いますが、公職選挙法上配付できなかったため、政策の
伝達は十分ではありませんでした。しかし、より重要なことは、マニフェストを掲げ
当選することで、「県民の支持」という裏づけの下、マニフェストを改革や政策推進
の大きな起爆剤とすることであると考えていました。

個々の職員も、マニフェストに公共事業三割削減を明記したことで、知事が責任をと
ることが明確化され意識改革が進むとともに、改革のスピードを速めることにつな
がったと思います。

また、マニフェストが有効に機能するためには、(1) マニフェスト作成、(2) 政策論
争、(3) 選挙、(4) 達成度検証というマニフェストサイクルを確立することが必要で
す。9月8日のローカル・マニフェスト検証大会では、私を含め5人の知事が達成度の
検証をしていただきました。こうした検証の動きが県民、あるいは県内のNPOの中か
ら出て、行政への住民参画の機運が高まることを期待しております。

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●Q5:
「ローカルパーティ」の概念には正直目から鱗が落ちる思いがしましたが、一方で地
方選挙においては「共産党 vs. others(各党相乗り)」や「無投票当選」のケースが
多く、「対立軸」自体が選挙民にはなかったのであり「有権者の無関心」を助長して
きたのではないかと思っております。

そこで、「ローカルパーティ」の生まれる要件、条件についてどう思われるか?(有権
者の関心を高めるきっかけ)について、ご意見をいただければと思います。


○A5:
国政レベルと地方政治レベルでは、議論の対象が自ずと異なってきます。(例えば、国
会では、外交、年金問題について各党がそれぞれの政策を掲げ議論しているが、地方
議会ではそれぞれの自治体により、議論の対象が異なる。)

地方政治においても、その自治体固有の問題を政党(政党の地方支部)間で政策を出し
合い議論できれば、対立軸が明確になると思いますが、必ずしもそのようにならない
部分もあるようです。

このような状況を補うために、地方議会では、ローカルパーティを結成した動きもあ
るようですが、ローカルパーティが生まれる要件としては、以下のようなことが挙げ
られると思います。
(1) 自治体に内在する問題を複数の議員が共通認識として持っている
(2) 志を同じくする議員(候補者)が複数存在している
(3) 有権者、様々な分野の専門家、NPOとのネットワークを有している
(4) 政策立案能力を有し、ローカル・マニフェストを作成できる
(5) ローカル・マニフェストを自己検証する機能を有している
(6) 既存政党とのしがらみがない

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●Q6:
マニフェストと総合計画の整合性について
4年で変わるマニフェストと20年スパン総合計画は整合できないとの指摘があります
が、いかがお考えでしょうか。


○A6:
マニフェストの作成に当たり、数値目標やロードマップなどで任期4年間の枠にのみ
とらわれると、長期的な視点がなおざりになってしまいがちです。このため、10年先
のビジョンを持った上で、最初の4年間に実施すべき目標を示すことが大事であると
思いました。

地域の将来像なり理念というものをしっかりと持っていないと、目先の業績で点を稼
ごうという傾向に走りがちであり、やりやすいものばかり取り組むことにもつながっ
てしまいます。

私のマニフェストは、平成11年からスタートした岩手県総合計画をベースとしつつ
も、社会経済情勢の変化に応じた指標数値の変更や新規の政策項目の追加等を行った
ものであり、岩手県総合計画との整合性が図られた内容となっております。

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