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明石康×小林陽太郎「世界の大変化の中で日本が考えるべきこと(4)」

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◆◆◆◆ 言論NPO コンテンツメールマガジン 
◆◆◆◆ Vol.4(2009年1月5日発行)

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コンテンツメールマガジン第4号では、元日よりお届けしております明石康氏と
小林陽太郎氏の対談「世界の大変化の中で日本が考えるべきこと」の第四話を
お送りします。司会は、言論NPO代表の工藤が務めました。
このシリーズは今回で最終話となります。
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□■「世界の大変化の中で日本が考えるべきこと」(4)■□
【4】2009年、私たちに何が問われているのか

(工藤泰志)
2009年は経済危機の影響が本格化する中で、日本では間違いなく国政選挙が
あります。オバマさんも1月20日に大統領になります。日本も民主主義を問われ、
日本の針路なりが問われる年になると思いますが、この新しい年を私たちは
どのように迎えればいいのでしょう。

(小林陽太郎)
大部分の人の関心は、今の世界不況がどこまで進み、続いていくのだろうか
ということだと思います。どの辺までいけばそれなりに見通しが立つようになるの
だろうか、ということは間違いなく最大の関心事です。また、身近に職を失った
人がいれば、もっと切実な思いを持っている人も多くいると思います。
その時、1年という長いスパンではなく前半に限って言えば、先が見えないという
のは世界中みんな同じで、気持ちの面ではイライラするとは思うけれど、やはり
軽挙妄動しても結果はでてこない。表現が適切かわからないけれど、じっと我慢して、
次にどういう方向でどれくらいのスピードで展開していけるのかをそれなりに示唆
してくれる人、色々あるけれど最悪の事態は起こさせないから任せてくださいと
言える、政治的リーダーシップを求める声がどんどん大きくなってくると思います。
ですが現政権や自民党は、まったくそれに対して応えていないだけでなく、
ますます不安をかきたてる以上の何ものでもない。では民主党はどうかと。
個々に名前が挙がってきて、いい人がいるではないかという人もいます。
しかし民主党は政権をとったことがない、未経験だからやはり怖い。それでも
自民党があまりにも駄目だから、少しのリスクをとってでも思い切って民主党に政権を
任せてみるかという風になる。そういう選択を心に秘めている人がだんだん増えて
きていると僕は思います。そして、その流れは変わりようがないのではないかと
思います。本当に自民党の先生方には申し訳ないけれど、麻生さんのリーダーシップ
のもとで、この通常国会で何を最低限の成果としてあげるのか。その辺りはきちんと
しないといけない。ただ、第二次補正は臨時国会にはあげず、政局論としてそういう
話が優先してしまっています。
民主党について言えば、自分たちが政権を担わなければならなくなったとき、
自民党が嫌だから仕方なく民主党にという受け皿ではなく、より積極的にこういう
ことをやり、多くの人に期待させるような提案を行ってほしい。
経済の問題を含め、そういう政治のリーダーシップというか、政治の安定をきちんと
やることが、2009年における、最初の日本の最優先課題だと思います。

(工藤)
やはり国会の議論は言論の府でもありますし、今の政局だけを意識した行動は
直さなければならないと思います。アメリカはビッグスリーへの支援の際に、
公聴会で納得いくまで議論をしています。
ブッシュさんにしてもエンロンのときは率先して「この危機は私が解決させる」と
議会で言っています。現在の状況について政治がリーダーシップを発揮して取り組む
意思を示す場が国会ですし、政治も多くの専門家に集めて取り組む局面でしょう。
選挙はその延長線上にあるべきもので、しっかりとした議論とリーダーシップの
循環が国会から始まらないといけないと思うのですが。

(明石康)
政策論争を盛んにしていくことが必要だと思います。政党単位の議論は行き詰った
議論になりかねないと思います。そういう意味ではマスコミの役割も重要だと
思っています。今の政治家の状況を情けないと一方的に批判するのでなく、
政治家がいいアイディアを出し、いいことをするならばそれを褒め、是々非々で
いくべきだと思います。自分のほうが偉いかのように距離をおき、どこか他の国で
起きていることのように政局を批判するだけというのは、甚だ建設的ではないと
思います。民主主義というのは、別に理想的な制度でもなんでもありません。
チャーチルのことばですが、「他のすべての制度に比べれば、まだマシ」だという
ことにすぎないわけです。こういうのをきちんと扱えないと、1930年代40年代の始め
に日本で起きたように、「議会政治はダメだ」とか「民主主義はまどろっこしいこと
ばかりやっている」という批判ばかりが出てきて、それ以外の絶対主義的・権威主義
的なやり方を国民が選ぶようになってしまう。
だからこそマスコミも態度を変えるべきだし、国民も単なる理想論ではなく、
自分が考えていること、やってもらいたいことを実現するためには何が必要で
そのためにどれくらいの予算が必要とされるのか、その予算を確保するために、
どれくらいの税金を払えばいいのか、というようなことまで思いが及ばないといけない。
そうしないと空理空論を繰り返すことだけで終わってしまう。民主主義というのは、
理念であると同時にひとつのプロセスでもあると思います。このプロセスにいかに
多くの国民を巻き込み、単なる情緒や好みや趣向に基づく議論ではなく、みんなが
納得できるような、そしてできれば日本国民のみならず他国の人々が何を考え、
何を心配しているのか、そういうことの推測をも交えた広い見地からの政策論議を
やっていくべきだと思います。

(工藤)
まさに言論の役割が問われる局面でもあります。
最後に、新年の言論NPOに何を期待されますか。

(明石)
「世論」と「輿論」の違いということを言いたいと思います。
単なる数字として現れた「世論」も大事ですが、本当に一生懸命に物事を考えて
いる人たちの流れといったものを「輿論」だとすれば、「世論」を「輿論」に高める
努力をするべきだと思います。マスコミにすべてを任せずに、自分たちでものごとを
考えていくことから始めようというのが、NPOのひとつの理想だと私は思います。
こういう動きをより幅広く進化させ、日本国内の問題についても外国との懸案に
ついてもやっていただければ、大いに期待してよい日本になるのではないかと思います。

(小林)
僕は、2009年は選挙の年だということを言いたいと思います。
この選挙は非常に重要な選択で、ある程度支持が決まったという人もいるかも
しれないけど、自民党について、民主党について、それぞれの主要な政治家について、
個々人がもう一度きちんと評価をし、その上できちんと責任のある決定をするべき
だと思います。本当に我々が選ぶ人は、いずれ総理になるかもしれない、すぐになる
かもしれない。そういう国を任せられる人を、我々が選ぶのだと。
だからまさにsense of ownership。他人事ではなく、自己責任で当事者意識を持ち、
選挙に臨むべきだと思っています。
そういうことを強く呼びかけてほしいと思っています。
 
<完>

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