増田寛也氏、武藤敏郎氏、宮本雄二氏3氏が語る!「被災総額20兆円強、被災地の復興をどう進めるのか」

2011年3月30日

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増田寛也氏、武藤敏郎氏、宮本雄二氏3氏が語る!
「被災総額20兆円強、被災地の復興をどう進めるのか」

言論NPOは東日本大震災の復興をめぐる議論を開始しました。

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いつも言論NPOの活動にご理解を賜り、ありがとうございます。

今回の大震災を受け、言論NPOは、「被害総額20兆円強、被災地の復興をど
う進めるのか」をテーマに、東日本大震災の復興に向けた議論を開始しました。

第1回目は、岩手県知事や総務大臣を務めた増田寛也氏(野村総研顧問)、武
藤敏郎氏(大和総研理事長、前日銀副総裁)、宮本雄二氏(前中国大使)の3
氏が出席。今回の震災復興の意味や復興の進め方、誰がその担い手になるのか、
財源や期間、さらには東北地域が復興を通じて自立するために何が必要かなど
について、かなり突っ込んだ議論が行われました。

▼報告をご覧になる場合ははこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/future/genre/cat142/post-135.html
▼議論の全容(テキスト)はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/future/genre/localgoverning/post-134.html
▼動画でご覧になる場合はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/future/genre/localgoverning/post-134-2.html#youtube

◆今、急務なのは「被災者の生活支援」と「行政基盤の再建」(増田氏)
震災発生から17日経ちました。当日の、災害対策本部の立ち上げなど初動は
早かったと思います。ただ、被災者の救援とか支援という意味では非常に時間
がかかっていて、現地の被災者の多くの方が仮設の風呂にさえ入っていない。
とにかく最優先にすべきは被災者のみなさんの支援であり、何とかガソリンも
少しずつ届き始めましたが、まだ医薬品が足りなかったり、ありとあらゆる物
がまだ足りない状況です。こういう状況下では、被災者の支援が急務になって
います。

ただ、もう一方では、本格的な復旧だとか今後のことを考えると、まず罹災(
りさい)証明などを出す。これがないと色々な生活支援金などがいただけない
のですが、いまは行政職員がそういったことからご遺体の埋葬の手続きまで多
くの作業に忙殺されていて、その行政の基盤を再建するというところにまだ非
常に困難さがある。(中略)ですから、私は仕事を2つに分けて、被災者の生
活支援的なことは少し別のところ、今の場所よりも居住環境が良いところに移
っていただいて、ボランティアの皆さん方などを中心にやっていただいて、行
政支援というところは自治体の職員にいっぱい入ってもらって、とにかくそこ
を早く立ち上げなければいけない。阪神淡路大震災の時に比べると、そこに非
常に時間がかかっているなという印象です。私自身も非常にそういう意味で何
か焦燥感に駆られている、というのが今の状況です。


◆復興では財政赤字を拡大させない財源捻出のメカニズムの設計が必要(武藤氏)
今の緊急対応については、とにかく国が前面に出ていくということでいいと思
います。私が申し上げているのは、その後の長期復興事業について、財政赤字
を拡大させるような方法はいかがなものかと。というのも、ちょっとやり方を
間違うと、日本の財政に対する信任を失うというこことになります。つい1ヶ
月前は、社会保障と税制の一体改革とか、プライマリーバランスを2020年に達
成すると言っていたわけです。そういう議論が全て吹っ飛んでしまうようなこ
とにしたら、やはり国際的にも信頼を失うし、それこそ、国債の格付けの引き
下げ、カントリーリスクと言った問題に発展しかねないわけですね。

資金需要という観点から見ると、国がやる事業、市町村がやる事業、民間がや
る事業ということがあります。国と市町村を少し脇に置いておいて、民間でや
る事業というものもかなりの資金量があるはずです。加えて、このような状況
の中で、コマーシャルベースは不可能だと思います。どうしても優遇された条
件、優遇された金利ということでないといけない。しかし、民間の経済活動で
すから、お金を借りてお金を返すという思想も必要です。全てをもらってしま
うというわけにはいきません。そのためには、基金をつくって、別途、有利子
資金を集めて、金利は低いけれども有利子の資金を貸す。損失率もかなり高い
ので、色々な形で保証をしないとそれを貸せない。そのために、何らかの国民
負担を求めて、その金額は利子補給とか不良債権の償却に使うので、私は巨額
なものは想定していません。そういう全体の公的な援助のある金融システムを
つくったらどうか、というのが私ども大和総研のの提案です。

もし、本当に連帯して国民が負担したいということの納得が得られるのなら、
それは国のやる事業、市町村のやる事業に対しても、税金でやるということも
あってもいいと思いますし、あればこれが一番望ましい。しかし、まずは民間
の方が先だと思います。復興というのは、金融支援がない限りできません。全
くお金もなく、資産も無くした漁民が、船を買うと言ったところで買えないわ
けです。しかし、何か会社をつくって船を建造する、出資金が欲しいといわれ
たら出資をしたり、漁船のリースをしたりする。そうすると、漁民からしてみ
れば初期投資はリース料だけで足りるわけです。網やガソリンなど、色々なも
のも買わなければいけない。これについては、また融資を受ければいいわけで
す。


◆東北の自立に必要なのは、核となる新しい希望の灯(宮本氏)
東北地方は先行して道州制の試行に入られたらどうかと思います。というのも、
被害が集中しているところは、今日明日のことでもの凄くエネルギーをとられ
ていると思います。そうすると、そうでないところは、比較的余裕があると思
うので、そういう人達にも参加してもらって、ひとつの方向性を出していく。
先程、増田さんがおっしゃったように、今は、とにかく緊急のものは国が主体
的にやらなければいけないと思います。同時に、中期的なことを考えなければ
いけないのも事実です。それは、国だけでやってもいけませんし、地方だけで
やるということも難しいですが、地方はどうしても必要ですから、道州制を少
し前倒しで、東北の各県で共同のチームをつくってもいいのではないか、と思
います。

(中略)

私も、ゆっくり東北地方を旅したことがあります。本当に美しい風土だという
ことを感じました。今回は、被災者の方々が自分を抑えて、他人を思いやると
いう素晴らしい気持ちが全世界に伝わり、大変な感動を与えました。一刻も早
く復興してもらいたいと心から思います。しかし、今は緊急事態ですから、私
は走りながら考えるということを提案したいと思います。やはり、これまでみ
たいに完成した100点満点のものを出すという時間的余裕はないと思います。
武藤さんから、復興基金などの提言が出されていますが、志のある人達が、色
々なことを考えて、こうした方がいいのではないかということを提案していく。
その1つの場に、言論NPOがなっていただきたいと思っています。我々とし
ては、ここでそういう有識者の方々に集まってもらって、議論してもらって発
信していく。これを是非とも続けてもらいたいと思います。


▼報告をご覧になる場合ははこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/future/genre/cat142/post-135.html
▼議論の全容(テキスト)はこちらから↓↓
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言論NPOでは、今後もこうした議論を積極的に発信することを通じて、被災
地の一刻も早い復興のために私たちなりの役割を果たしていきます。
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