総勢12名の有識者が「第7回北京−東京フォーラム」事前協議で激論! 震災復興や日中関係の再構築をメインテーマに8月開催で合意

2011年4月04日

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総勢12名の有識者が「第7回北京-東京フォーラム」事前協議で激論

震災復興や日中関係の再構築をメインテーマに8月開催で合意

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いつも言論NPOの活動にご理解を賜り、ありがとうございます。

言論NPOは3月31日から4月2日の三日間にわたり、中国・北京市おいて、
「第7回北京-東京フォーラム」の事前会議を開催し、昨年9月の尖閣諸島漁
船衝突事件、またその後の東日本大震災を経た日中関係や両国民の相手国に対
する世論について議論を行いました。

大震災に対する中国側の関心は非常に高く、今夏行われる「第7回北京-東京
フォーラム」でも中心的議題として取り上げられることが決定されました。ぜ
ひお読みいただき、ご意見、ご感想をお寄せください!

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今回は、代表工藤の他、日本側から明石康氏(財団法人国際文化会館理事長、
元国連事務次長)、秋山昌廣氏(海洋政策研究財団会長、元防衛事務次官)、
高原明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、松本健一氏(麗澤大学
経済学部教授、内閣府参与)、宮本雄二氏(前駐中国特命全権大使)の5名と、
中国側から趙啓正氏(全国政協外事委員会主任)、陳昊蘇氏(中国人民対外友
好協会会長)、呉健民氏(国家創新与発展戦略研究会副会長、国際展覧局名誉
主席)、魏建国氏(中国国際経済交流センター秘書長)、楊毅氏(中国国防大
学・戦略研究所所長、少将)、劉江永氏(清華大学教授)の6名、計12名が
参加しました。

事前協議では、今回の日本における大震災に対する両国の協力が新たな日中関
係に向かう扉を開くだろうとの認識で一致、また夏の本会議は8月下旬に北京
で開催されることが決定し、日本の災害復興や日中関係の再構築をメインテー
マとして、5つの分科会を設けて議論を行うことが合意されました。


▼事前会議開催に関するプレスリリースこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/press/2011/03/post-10.html

▼事前会議の速報記事はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/world/genre/tokyobeijing/post-168.html

▼事前会議の報告に関するプレスリリースこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/press/2011/04/post-11.html

◆昨年9月以降の日中関係、そして日中両国民の相互認識の現状について
協議ではまず、昨年の尖閣諸島問題や東日本大震災を踏まえた日中関係や日中
両国民の相互認識の現状について議論が行われ、いま日本が直面している困難
に対する両国間の協力が、新たな日中関係の幕開けとなるとの認識で一致しま
した。

その中で宮本氏は、「尖閣の事件を通じて、中国、とりわけ人民解放軍に対す
る不安が日本国民の中で広がっている」と指摘した上で、「脅威ではないとい
うことであれば、日本の一般国民にも分かるような形でそれを説明して欲しい
」と中国側に対応を求めました。さらに、「幅広い層にまで「中国は怖い国だ
」という認識が広まり、マイナスの感情が想像以上に広く共有されてしまった
が、それには報道するマスコミにも問題がある」と述べ、今回の本大会におい
て本質的なメディアの報道姿勢を深く議論すべきだとの見方を示しました。

▼前半の議論の報告はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/world/genre/tokyobeijing/post-168.html


◆第7回北京-東京フォーラムの具体的な開催方針について
後半の協議では、前半の協議を踏まえたうえで、!)第7回フォーラムのテーマ
と分科会、!)フォーラムの発信力強化の二点を主な論点として、本大会開催に
向けた具体的な意見交換が行われました。ここでは、8月下旬に北京で開始さ
れること、日本の地域や経済の復興、そして日中関係の再構築をメインテーマ
として、5つの分科会を設けて議論を行うことが日中双方で合意されました。

秋山氏は、「安全保障の議論では、演説のし合いでは意味がなく、ディスカッ
ションがなければ相互理解は進まないだろう」と述べ、非公式・円卓方式での
議論形式とすることを提案、また、「東シナ海や太平洋、インド洋の安全、大
災害における軍の役割、日米同盟といったテーマを、『日中間の問題』として
ラウンドで議論したい」と述べました。

▼後半の議論の報告はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/world/genre/tokyobeijing/post-168.html


協議終了後には、日本側参加者による座談会が行われ、今回の事前協議の成果
について総括がなされました。

〈明石康氏〉
我々は、こういう大災害のときに、アジアの有力な国として、日本と中国が、
どういう風に協力すべきかという大きな課題、チャレンジに直面させられたわ
けです。中国側もそれをきちんと受け止めて、単なる情緒的な同情ではなくて、
改めて日中のあるべき姿を考えさせられたのではないか。日中の間にの課題は
ありすぎるほどあるわけですが、それに対して前向きに、両国の長期的な、基
本的な利害に基づいて一緒に対話を続けたい。その手段として、北京-東京フ
ォーラムは絶好の機会ではないかという気持ちが中国側の参加者から感じ取れ
た。

〈松本氏〉
菅総理としては、実際に日中の関係を修復したいというふうに一貫して思って
いるわけですが、その流れの中で、実は中国の側からも東日本大震災に対して
非常な関心をもち、共感あるいは支援をしてくれることがあったわけで、今回
は、中国の人々に対する菅総理としてのお礼を届けました。

私は第2回からのフォーラムの常連ですが、同時に日本政府、首相からのメッ
セージを今回は伝えることができて、その上に第7回の北京-東京フォーラム
がうまくいくようにと思える、そういう時間だったと思います。

〈宮本氏〉
昨年9月の尖閣絡みの問題に関しても、中国側もこういう問題が起こるのを、
二度と見たくないと思っていることが、ひしひしと伝わってきました。したが
って、今回の東日本大震災を契機に、中国側としても日本との関係をいかに強
化していくか、どれだけ震災を通じて、どういう日中の協力の仕方があり得る
のか、ということを真剣に探ろうという気持ちが伝わってきたということに、
私は元気づけられました。

〈秋山氏〉
非常に有力なオピニオンリーダー、ポリティカルリーダーが参加して、あるい
は、経済界の重鎮が参加するという形で、率直に意見交換をし、相互理解を深
めて、かつ、対外発信をするフォーラムだなという事を感じました。今回はあ
る特別な環境のもとで、ある意味での外交活動も必要だったからそれもされた。
非常にマスコミの関心も高く、多少外交的配慮のための発信でもあったが、そ
れなりに成果があったと思います。

〈高原氏〉
いま中国は、国内も色々と問題があるのですが、外交政策をどうするかという
大きな曲がり角というか、分岐点に来ているわけであって、そういう状況の中
で日本と長期的にどうやって付き合っていけばいいのか、ということを非常に
真面目に考えているな、という印象を受けた日だったと思います。


▼会議終了後の日本側参加者による座談会の全容はこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/world/genre/tokyobeijing/post-168-2.html

言論NPOでは、今回の事前協議の結果を8月下旬に中国北京市で開催される
本大会に着実に反映し、第7回を迎えるフォーラムの影響力や発信力ををさら
に高めるために、今後も準備を行っていきます。その模様は随時言論NPOの
ウェブサイトで公表しますので、ぜひご覧ください!


▼言論NPOへのメッセージはこちらから↓↓
https://www.genron-npo.net/contact.html

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