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 佐賀県知事の主張 第4話:「地元経済をどう振興し、県財政をどう改革するのか」

古川 康 (佐賀県知事)
ふるかわ・やすし
profile
1958年生まれ。82年東京大学法学部卒業後、自治省(現・総務省)入省。自治大臣秘書官、長崎県総務部長などを経て、03年無所属から佐賀県知事に当選。日本で初めてマニフェストを掲げて選挙を戦った政治家の一人であり、当時全国で最も若くして知事となった。07年に再選を果たし、現在2期目。全国知事会政権公約評価特別委員長。
「がんばらんば さが!」をキーワードに、「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」の実現を目指して県政に取り組む。

地元経済をどう振興し、県財政をどう改革するのか

地域経済の観点ということで言えば、私は大きく3つの課題があると思っています。1つは、とにかく地場の企業をどうアップデートさせていくか。2つ目は、例えばベンチャー企業に代表されるような新しいものをどう育てていくか。もう1つは、外からどう引っ張ってくるか。この3つに尽きるだろうと思います。

地元のものをどう生かすかについては、なかなか妙案はありませんが、佐賀県はトライアル発注といって、例えば佐賀県の企業が開発したものを県が率先して買うということを始めまして、実はこれが今全国に広がっています。こうした地域の企業を育てる成功事例をつくり出していきたいと思っています。すぐに役に立つのは、やはり企業を引っ張ってくることです。この4年間で大体3000人ぐらいの企業誘致をと思っていたのですが、4千何百人にもなり、成功し過ぎてしまいました。1000人規模の世界最大の半導体工場が伊万里にできるようになりましたし、小糸製作所も立地を決めました。すでに立地した企業は、今度は工場の規模を倍にしたいと言っています。

この4年間で、むしろマニフェストの数字のほうが小さくなっています。佐賀県に帰ってきて働きたいと思っている人が多いにもかかわらず、それに応え切れていないのが非常にもったいないと思っています。ですから、企業誘致をしていくことがすぐに役立つ対策としては最も良いだろうと思います。

トライアル発注をなぜやっているかというと、佐賀県が使ってOKでしたら、OKとお墨つきを与える。そうすると、その会社は営業実績、納入実績で佐賀県庁と書ける。お役所というところは、どこかが使っていると自分たちも使っても大丈夫だと思うのです。どこも使っていない会社のものは使いたくない。例えば、卵の殻でつくったチョークがある。これは環境にも優れ、廃品利用としても良い。ところが、本当に大丈夫かということで、皆、使ってくれない。それを佐賀県庁で使いました。佐賀県はマーケットが小さいですから、佐賀県がお墨つきを与えて、世界中で売ってもらう。本社や工場は佐賀県にあるわけですから、その会社の業績がよくなることによって雇用も生まれ、税収も生まれていく。それが佐賀県に還元されていくということを目指しているのです。トライアル発注は、私の造語です。今、30数県でこの制度を始めています。

次に、県の財政改革ですが、県債の残高は確かに総額は増えています。しかし、これはマニフェストにも書いたのですが、県の実質的な借金とは何か、ということです。県の実質的な借金というのは、公共事業が減っていますし、赤字地方債は出せませんので、減らざるを得ません。ただ一方で、国が地方交付税をお金で払わずに、今は現金がないから後年度に必ず交付税で払うから、今借金しておいてくれと言われている部分が増えてしまっている。そのために総額が下がらないという状況もあるわけです。この部分が地方の責任なのか、経営者の責任なのかどうかということなんです。

ここも含めて減らさなくてはならないとすれば、これは地方での自立的な経営は難しいですね。ここの部分が幾らになるかというのは、毎年12月ぐらいに決まるわけです。だから、交付税ではなく、借金に振りかえる額が増えたら、その部分だけ例えば社会資本整備を減らしますというふうなメッセージを出さないと予算を組めなくなります。
 経営的な目で見たときには、県ができる手段は増税と増収との2つがあります。もちろん歳出を減らすという方法もあって、まず人口が減っていけば、公共サービスがカバーする範囲も小さくなっていくので、職員が要らなくなる。まずはそこの部分で、いわゆる内部コストは下げられると思っています。

ただ、一方で、例えば県立の福祉施設を民間に移譲するということで職員が減るとしますと、減ればコストも下がりますが、その部分を何に使うかということで、私は3分の1ルールというものをつくり、3分の1は財政の健全化に使っていきますが、残りの3分の1は福祉施設の例えば障害福祉なら障害福祉に使う。次の3分の1は福祉全体、例えば子供の医療費の負担軽減などに使っていくというやり方で、県立福祉施設の民間移譲が福祉切り捨てにならないようにしていくという方針でやっています。

ですから、既存のものを変えていくときに、充実させていかなくてはいけないものの財源を見出すやり方として、そのようなやり方をとりつつ、財政再建にも資するものにするということはあるのではないかと思っています。

2007年05月19日 10:43

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