大阪府知事の主張 第1話:「知事は地域経営のCEO」

太田房江 (大阪府知事)
おおた・ふさえ
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1951年生まれ。75年東京大学経済学部卒業後、当時の通商産業省に入省。産業労働企画官、生活産業局住宅産業課長、近畿通商産業局総務企画部長、岡山県副知事、消費者行政担当審議官を経て、2000年2月に大阪府知事に就任。初の女性知事として日本中の注目を集めた。
「地域主権」、「生活者の視点」、「公民協働」を政策の基本に据えて府政をすすめ、「子育て・少子高齢化対策の推進」、「多様な人材の活躍支援」、「大阪産業の成長支援」や「災害に強いまちづくり」への取組みを強化している。
知事は地域経営のCEO
私は改革マインドのない人は知事には絶対なれないと思っています。私もそうだったつもりですし、ほかの知事の皆さんもそうだと思います。この間、世代交代というのか、先の選挙でその顔が大きく変わりました。その中で分権改革を進めるのに誰を旗手として、どういう姿で国民から見てわかりやすい形で進めていくのかが今問われているのだと思うのです。
増田さん(寛也前岩手県知事)や宮城県の浅野さん(史郎前知事)のように、これまで表に出てそれをうまく伝えておられた方々がいなくなった。分権改革をこれからどういう形でどうメッセージを伝えながら世論を引き付けながらやっていくのか、という意味で、これは知事全体にとって1つのターニングポイントになっていると思います。
ただ、分権改革についてはいわゆる改革派の知事の方々だけが進めてきたものではなく、みんなで進めてきたものです。だから、これからは国との関係でそれぞれの局面で、47人の知事がそれぞれタフ・ネゴシエーターになってやっていくことが大変大事だと思うのです。
知事に求められる資質として最近よくいわれるのは、例えば企業誘致や、IRといういわゆる地方債の発行に係る金利をどうするかというようなことについて、地域経営の責任者としての役割が非常に高くなっているということです。知事は地域経営のCEO(最高経営責任者)といっていいのではないかなと思います。これは過去になかった役割です。
地域経営には企業誘致などの側面と共に、もう1つ、コーディネーターとしての側面があります。公民協働といわれますが、公共サービスの担い手としてふさわしい企業を公益実現の新たなパートナーとしてとらえ、連携する、そういう意味でのコーディネーターを務めることもこのCEOの役割です。
また私は、つい最近、地方独立行政法人を含む23の機関で不適切な会計処理が行われていたのですが、このような問題に政治家としての感覚を持って処理しなくてはならないものがたくさん地方にもあります。府民の目線に立って仕事をし、その実行に政治的なリーダーシップが問われている。これは、危機管理といってもいいのですが、府民から信頼される組織体であり続けるために、危機管理的な側面を含めた政治的リーダーシップがこれまで以上に知事にも求められるようになっていると思います。
こうした知事の役割の変化は、分権改革とは裏腹なのです。従来、中央集権が非常に強かったから、こうした経営者としての決断や知事の個性を問われることはなかった。私も小さいころは知事の名前なんて知りませんでした。今は、知事というのは最近のそのまんま(東国原英夫宮崎県知事)旋風のようにいろいろな面で、注目されるようになっている。ということは、例えば大阪府庁という組織をどうするといったときにまず私の責任が問われる。昔は多分違っていて、何となく地方組織で動いていたと思うのですが、そういう意味での経営的な、あるいは政治的なリーダーシップもこれまでに比べると非常に大きく求められるようになっています。
私にはもう1つ、関西のリーダーとしての役割もあります。道州制が大きくクローズアップされてきている中で、大阪はやはり関西の中心です。道州制に対してはいろいろな意見もありますし、特に私は「東京帝国」、「関西共和国」と言っているのですが、首都圏はもう東京が全面的に強い。しかし、関西は神戸、大阪、京都という非常に歴史と特色の異なるところがいい意味でライバルであり、また切磋琢磨しながら発展してきたという側面がありますので、帝国と同じようなわけにいかない。その中で大阪はどのような役割を果たすか。これは地域経営の中で大阪府域を越えて考えていかなければいけない私の課題だと思っています。
2007年05月22日 17:55
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