福島県知事の主張 第2話:「県政の課題は税収の拡大にあり」

佐藤雄平 (福島県知事)
さとう・ゆうへい
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1947年生まれ。70年神奈川大学経済学部卒業。83年厚生大臣秘書官に就任。その後、衆議院議員政策秘書、参議院議員(2期)、国土開発新幹線自動車建設審議会委員、決算委員会理事、沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長、国土交通委員会理事、予算委員会筆頭理事を経て、06年福島県知事(1期目)に当選。
県民の立場に立った安定感ある県政を行う一方で、「均衡ある国土の発展」を主張し、地方への税財源移譲を進め、地方分権を提唱している。
県政の課題は税収の拡大にあり
市場原理で東京にヒトやモノ、カネが集まり、そこに税収が集まるという構造があります。しかし、従来は、基本的には「均衡」ということを政治は唱えていました。それが、小泉政権になってから、特色ある地方と都市の再生に重点が移ってしまいました。そこで、私は国会議員の時に総理に質問をしました。「特色ある地方」というのは過疎でもいいのかと尋ねたところ、「過疎も特色だろう」という答えでした。とんでもないことだと、その時に議論しました。
確かに、都市も昔の街並みなどが疲弊して、災害などに極めて弱くなっています。ところが、都市の再生をするにしても、国が指定した直轄事業で全部行ったのです。その代表が六本木ヒルズでしょう。汐留もそうです。7カ所のうち6カ所が東京で、1カ所が名古屋です。結果的に都市の人口をまた増加させ、カネが集まった。バブルまではいきませんが、人が集まるのですから、当然、土地が高騰します。都市が国際競争力を持つために集積が必要なのはわかりますが、適正な規模があると思います。
そのようなことを考えますと、哲学的にも、国民の生命、財産を守るという日本の政治の根本、地方自治の根本からも、一極集中という今の状況では国は存立し得ないと思います。だからこそ災害防災協定を結び、非常時にはいつでも地方が被災者を受け入れられる体制をつくることこそが、これからの都市と地方、いわゆる日本全体の政治の哲学になっていかなければならないと思っています。
首都機能移転は日本の政治の問題です。ですから、今までのように地方からお願いをする話ではなくて、むしろ逆に国が、「福島県、頼む」という話でしょう。
法人関係の税金など、東京都との税収格差は大変大きく、これは基本的に見直さなければならないと思います。しかし、国への提言や要望の話だけをしていてもしょうがないわけです。私自身が県政の中心課題だと思うのは、福島県の財政的なプライマリーバランスを保つことです。そのためにはやはり税収を増やすことです。税収を増やすためには、まず人口を増やすことであり、企業誘致や定住、二地域居住を進めることです。この推進を2006年から始めています。2006年、103社の企業が立地してくれましたが、2007年になっても相当引き合いがあります。それがいずれ福島への定住につながっていくことになると思います。
我々の世代は2007年からリタイアが始まる団塊の世代です。この3年で相当数の人が仕事から卒業します。この世代は、まだお父さん、お母さんが田舎にいますし、小学校、中学校時代の友達も田舎にいますから、郷愁や田舎を思う気持ちが残っているはずです。ですから、こうした人たちや、地方出身の人で福島県の好きな人に来てもらう。まずそこから税収対策を進めていこうと思っています。
2007年05月27日 11:04
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