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 福島県知事の主張 第3話:「東京圏との近接という現実は考慮せざるを得ない」

佐藤雄平 (福島県知事)
さとう・ゆうへい
profile
1947年生まれ。70年神奈川大学経済学部卒業。83年厚生大臣秘書官に就任。その後、衆議院議員政策秘書、参議院議員(2期)、国土開発新幹線自動車建設審議会委員、決算委員会理事、沖縄及び北方問題に関する特別委員会委員長、国土交通委員会理事、予算委員会筆頭理事を経て、06年福島県知事(1期目)に当選。
県民の立場に立った安定感ある県政を行う一方で、「均衡ある国土の発展」を主張し、地方への税財源移譲を進め、地方分権を提唱している。

東京圏との近接という現実は考慮せざるを得ない

福島県のこれからを考えた場合、やはり現実は考慮する必要があります。それは東京圏という大都市に近接していることです。例えば、福島県から大都市に通ってもらってもいいのです。そこで大都市近郊を対象とした施策というものが考えられます。

福島県というのは、浜通り、中通り、会津の3つに大きく分かれ、これはもう大変な広さです。それだけの県土を持って、しかもそれぞれ色彩が違う。浜通り地方には太平洋、港があります。中通りは交通インフラが整備され産業の集積があります。会津は古い歴史や伝統、文化を持っています。これだけ特色あるものをどうとらえ活用していくか。やはり、東京圏の人々の癒しの場として、将来的にも注目されることになると思います。

長期的な視点に立てば、地球温暖化などにより人が北上して来ることになるのは間違いないと私は思っています。10年後には人が北上してくるでしょう。それを考えれば、今は現実的な対応として東京の経済集積効果をまず利用し、他方で、地域の独自性を生かして、そこに飲み込まれていかないよう、こちら側でも中核をつくっていくことが重要と考えています。

東北各県ともいろいろ交流を行っていますが、茨城、栃木、群馬、新潟、福島、この5県の連携を取ったら楽しい絵が描けると思っています。東京から常磐自動車道でいわきに来る、磐越自動車道で新潟へ行く、新潟から関越自動車道で東京へ行く。そうすると、これはだいたい1周600キロになります。ここは今でも一部、準首都圏になっており、これが北上するという発想です。

こうした現実を考慮した対応と、先に述べた政治と経済の哲学というのはおのずと違います。政治哲学というのは、究極は財産、人命を守ることです。逆転的な発想をすれば、東京の繁栄は大変な危険がたくさんある。だからこそ危機管理はきちんとしなければならない。東京が壊滅すると世界が壊滅します。それにはやはり、機能の分散が必要です。分散は、基本的には200キロ圏内の分散です。そうすると、ちょうど我が県にも当たる。現実とこうした哲学を結びつけて、私は福島県の将来を考えようと思っているのです。

2007年05月28日 11:04

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