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 '07参議院選挙 有識者の評価 / 「NPO・公益法人/構造改革特区/市場化テスト」編 田中弥生氏(大学評価・学位授与機構准教授)


田中弥生(大学評価・学位授与機構准教授)
たなか・やよい
profile
独立行政法人大学評価・学位授与機構 准教授
(株)ニコン、笹川平和財団、国際協力銀行、東京大学助教授をへて現職。国際公共政策博士(大阪大学)、政策メディア修士(慶応大学)。
財政制度審議会臨時委員、日本NPO学会副会長。外務省ODA評価有識者委員、内閣府公益法人制度改革委員会有識者委員、政府税制調査会特別参考人、参議院行政改革委員会 参考人などをつとめる。
専門は非営利組織論と評価論。ピーター・F・ドラッカー氏に師事。
主な著書に『NPOと社会をつなぐ ~NPOを変える評価とインターメディアリ~』(東京大学出版会 2005年)


構造改革特区

 経済構造改革特区にも全く同じ問題が出てきます。構造改革特区は小泉政権のときから5年計画が始まっていました。それを引き継いだ安倍政権には、今までの構造改革特区の実績をきちっと評価・総括した上で、課題をきちんと抽出して次につなげるという責任がありました。

 しかし、小泉政権下では規制緩和、民間開放という政策目標に資するものとしてつくられた構造改革特区制度だったのですが、安倍政権下では地方再生活性化のためという位置づけになっています。なぜそのように目指す目標が変えられたのか、理由が私にはよく見えません。

 また、構造改革特区の前回のパフォーマンスを見てみますと、明らかに問題が出てきています。まず、申請件数、提案件数、認定率が極端に下がっています。申請者の4割程度を占める市区町村が応募をしなくなっているということが、認定率、申請率低下の原因になっています。理由を聞いてみますと、自分たちは地域おこしのつもりで申請をするんですが、すぐに全国化されてしまうので先行利益が失われてしまうということなのです。そうであれば、苦労して提案書を書くよりは、他がやっているのを待って、そこに便乗してしまった方が得だろうと考えていらっしゃるということを聞いたことがあります。

 それから、特区で認可されたとしても、他にも関連する規制が色々ありまして、それらをクリアするのにかなりのエネルギーが必要になる。そして、3つ目はかなり深刻だと思うんですが、実際に特区をとったとして、事業を担ってくれる企業等々が地元にはそうそう見つからないという声を市区町村や県の方たちから聞きました。このような実態を政府はどのように考えていらっしゃるというか、今後に反映していくのかは、よくわかりません。

仮に、地域再生のために構造改革特区を設定するのであれば、マニフェストに書いてあるように全国展開を急ぐのは逆効果です。地域再生で行いたいことと、制度が行おうとしていることが相矛盾していることになります。

 また、株式会社大学の問題も大きいと思います。民間に任せればすべて上手くいくというわけではないわけで、申請してきたところに担える力がなかったとか、また、担えていないにも関わらず、担えているようなふりをしている場合が既に生じてきています。それにも関わらず、前期の構造改革特区制度の評価委員が総括した報告書を見る限り、今判断するのは時期尚早なので、先送りをするという形になっています。つまり、こうした問題について、本部と委員会はまだ答えを出していない状況です。PDCAサイクルに基づいて構造改革特区の運用をしていくというのであれば、この先送りはよくなかったと私は思います。


    

2007年07月08日 13:54

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