小泉政権第3期(2005年8月)実績評価 評価の視点
![]()
|
ここでは最初に評価にあたって言論NPOが考慮した視点を説明します。
評価点の詳しい説明を先に知りたい方はこちらをご覧ください。
評価の視点
私たち言論NPOは、個人の自立と、自立的個人の参加による市民社会の形成を基本理念の一つとして掲げています。これは、官も民も超えた「公」の領域を創出・拡大することでもあり、それを自立的な市民が担うことを促進する仕組みとしてNPOが位置づけられてきます。私たちがこの分野のマニフェストに対して問うのは、まず、こうした将来の社会像の全体理念の中にNPOを位置づけているかどうかです。この考え方は同時に、持続可能な全体システムへの再設計の上で重要な柱になるものです。
小泉改革は「小さな政府」「民が担う公」を掲げていますが、その背景には財政破綻、超高齢化社会の到来、従来の高度に中央集権化された官のコントロールや徴税システムの維持が困難であるという危機感があります。従って、真に必要なのは、政府の失敗や財政難への対応としてのNPO活用策ではなく、民が担う公の領域の確認とそれに必要な制度の見直しや設計です。
しかしながら、マニフェストや経済財政諮問会議で謳っているのは、雇用対策や行政事務などの受け皿としてのNPOの役割にとどまり、民が担う公の主体の一つとしてNPOを位置づけるという視点を持ち合わせていません。例えば、公益法人法が110年ぶりに改正されますが、この法制度とNPOは切り離されて説明されています。民が担う公の視点に基づけば、NPOのみならず公益法人、学校法人も公的領域に属し、これらを視野に入れた政策が必要ですが、マニフェストではNPOのみに焦点をあてており、公益法人などもあわせて民が担う公の領域を再確認しようとする姿勢はみられません。
NPO数はNPO法制定以来急増し、各省庁もNPO関連の予算措置を行うなど、行政のNPO支援策も進んでいます。しかし、政治側の認識が雇用対策にとどまるのであれば、NPOセクターの成長は政治主導というよりも、NPOの自助努力や行政による施策によるものが多いと考えられます。マニフェストで求められるのは、日本社会におけるNPOの役割、期待を記したビジョンと実現に向けての目的と具体策です。
2006年02月08日 12:48
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.genron-npo.net/mt/mt-tb.cgi/197
トラックバックルール
工藤ブログおよび言論ブログへのトラックバックは、基本的に歓迎いたします。
ただし、スパムや内容的に不適切と言論NPOが判断した場合は、予告なくトラックバックを削除させていただくことがありますので、ご了解ください。また、トラックバックいただいた文章につきましては、当方から本文中に引用させていただく可能性がございますので、予めご了承ください。
前の記事:2005年衆議院選挙マニフェスト評価 評価の視点
次の記事:小泉政権の評価 /NPO政策






