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 「年金・社会保険庁」に関する安倍政権の実績評価 / 評価の視点


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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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評価の視点

 社会保障制度改革においては、大きく2つの論点があり、これに対していかに応えているかどうかが、評価の視点となります。

ア)年金システムは持続可能なものになっているか。

イ)社会保険庁の本質的な問題は解決しているのか。

(1)年金システムの持続可能性

 平成16年の年金改革は、マクロ経済スライドと保険料率の上限を法定化することで、給付水準と保険料率の引き上げ幅を抑制し、形の上では100年間は保険財政のつじつまが合うようになりましたが、その前提となる出生率なども狂い始めています。

また、マクロ経済スライドはデフレを脱却しなければ稼働しないためまだ発動されてはいません。これは、年金保険料率は賃金上昇率から0,9%を引いて決めるという方式で、その結果、所得代替率は2023年には50,2%になると政府は試算しています。年金改正で所得代替率の50%は守るというのがその際の政府の約束だったのです。

 この0,9%のマイナスとは、公的年金被保険者数(おおむね労働力人口)の減少率0,6%に0,3%を加えた数値です。しかし、平成16年の年金改革が前提とした平成14年1月発表の将来推計人口よりも、平成18年12月の推計では、合計特殊出生率はより低く(1,39人→1,26人)、平均寿命はより長く(男80,95歳→83,67歳、女89,22歳→90,34歳)になっています。

こうした新たな年金財政の圧迫要因を吸収するためには、スライド調整期間を延ばしていくことにならざるを得ません。政府は当初、20年後の2023年度までマクロスライドを実施し、2024年度からは従前どおり、原則である賃金スライド、物価スライドに戻るとしていました。より厳しく少子高齢化が進展すれば、それは先へ延ばすことになり、法律上もそのような規定となっています。スライド調整率が変わらない以上、期間を延ばすことは、すなわち、将来世代にしわ寄せをする期間が長くなり、後世代の給付水準をさらに下げていくことにほかなりません。

(2)社会保険庁問題

 社会保険庁問題のそもそもの発端は、2004年6月の年金改正の際に「年金未納国会」となり、当時の福田官房長官の辞任など政治家も同庁の問題で手痛い目に遭ったことに対する「お仕置き」でした。その後、同庁の杜撰さが様々な事件で明らかになり、世間からも糾弾を浴びるに伴い、社会保険庁バッシングの様相を呈するようになりました。

同庁に対するバッシングもさることながら、より基本的な政策論が必要でしょう。わが国では、政府部門間で課税ベースの多くが重複し、一体徴収はほとんどなされていません。また、基礎年金のように全国民共通の社会保障制度を持ちながら、国税と社会保険料の一体徴収が行われていません。

これらの点は、主要先進国と比べて特異であるという指摘があります。これでは納税者や一般国民の立場に立っているとはいえず、「小さく効率的な政府」ともいえません。こうした点を重視すれば、社会保険庁改革のスタートラインとして、国税と一体で年金保険料を徴収することが一つの選択肢となります。

この点では、社会保険庁を別組織として残すことからスタートしている政府・与党案よりも、民主党の「歳入庁法案」のほうが優れていると言えます。また、社会保険料の徴収事務をかつてのように古巣の市町村に戻し、地方税徴収部門に担わせることも、もう一つの選択肢となりうるでしょう。


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2007年06月25日 15:07

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