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 「少子化」に関する安倍政権の実績評価 / 評価の視点

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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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評価の視点

 この分野の評価に当たっては、以下の視点を評価のポイントとします。

ア)政治資金規正法改正案によって、政治資金の流れに関して透明性が確保されたか。
イ)子育てに対する社会的サポートは適切か。
ウ)上記の政策実現のための財源論がきちんとなされているか。

安倍政権にとって、少子化問題には2つの側面があります。

一つは、トータルな社会全体の国家運営の問題としての少子化問題という切り口で、もう一つは、この政権の思想的なポジションという観点からの位置づけです。ただ、今後20~25年間は、新たな労働力の数が既に決まっており、懸命に少子化対策を講じて子供が増えても、基本的には何も変わらず、それを前提にどうシステム対応できるかが課題です。
 具体的には、①右肩上がりにはならない人口減少社会を前提に、社会保障制度を始め様々な社会システムをどう見直していくか、②人口減少の中で高齢化が進む状況において、現役労働力をどう確保するかです。

その答えは労働力率の引上げですが、その余地は、高齢者の雇用延長か、女性の労働力率の引上げにしかありません。この観点からすると、既に非婚女性の労働力率は80%を超えているため、結婚や出産によって職場を離脱する女性の数を減らし、既婚女性の労働力率を引上げることが必要となります。

また、日本が大量に持ちながら、十分に活用されていない高学歴で優秀な女性労働力をどう活かすかも重要です。今後20~25年は、意思と能力のある女性や高齢者を労働市場にきちんと組み込んでいくことが課題といえるでしょう。そのためには、現在の常用雇用や終身雇用を前提とした労働政策や雇用管理のシステムを、大幅に変えなければなりません。

 システムを組み替えるにあたっては、基本的に、日本の現在の出生数減少の原因の相当部分は、働き方にある
、ということを踏まえる必要があります。つまり、現在の企業側の給与体系や雇用管理・生産現場は、フルタイムの労働者と扶養家族(専業主婦)という暗黙の前提の下に作られているのです。

この前提の下では結婚や出産はもちろん、女性が週60時間もの長時間労働をしながら子供をゼロ歳から保育園に預けることも現実には困難です。また、単なる労働時間の短縮では問題解決にならないばかりか、このようなシステムは、既婚女性の労働力化が必要となった途端に崩壊することになります。

他方では、子育てを社会的にどうサポートしていくかという問題があります。そのためには、保育等の直接的なサービスもあれば、母親をサポートする活動、育児休業制度など、様々なサービスが用意される必要があります。

 しかし、多額の財政負担で子育て支援に取り組んでいるフランスのような国を除き通常の欧米諸国の制度と比べても、日本のこの分野のサービスや支援は非常に弱く、金額的には、欧米諸国の6分の1~7分の1とされます。ベーシックなサポートを作るには、GDPの1%~2%(5~10兆円)の財源が必要で、新規財源なしには政策的に不可能です。

 すなわち、少子化対策の問題とは、安倍政権が今後の財政再建の中でこの分野をどう位置づけ、増税、あるいは増税以外の形での社会的な財源を構築するのかという問題になります。

特に今の局面は、少子化の背景にある問題は何か、あるいは少子化がこのまま進展すると日本社会に何が起こるのかといった点からフィードバックして政策を導き出すことが安倍政権に問われています。

 加えて、安倍政権は思想的なポジションを明確にしようとしている政権であることから、少子化のような多様な価値観に関わる問題に対するポジションは慎重に考えねば、不毛な思想対立に入っていく恐れがあります。


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2007年06月25日 15:07

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