「構造改革特区」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / 実行プロセス
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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。
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実行プロセス 10点/20点中
形式評価 6点/10点中
【体制変更が見られます】
①「所掌の変更」
小泉政権下で始まった構造改革特区であるが、当初は構造改革特区大臣がもうけられ、次から国務大臣の所掌事務になりましたが、それには規制改革と特区が含まれていました。しかし、安倍政権、佐田国務大臣以降、特区は国務大臣の所掌事務から消え、同大臣所掌事務である地域活性化の下に構造改革特区が位置づけられています。さらに、佐田氏辞任後、就任した渡辺国務大臣は、地域活性化、行政改革、道州制、産業再生を担当しています。特区は地域活性化の下に位置づけられました。(ちなみに、渡辺氏は内閣府特命担当大臣として行政改革・規制改革大臣を兼務しています。)このことから、体制面はマニフェスト上の目的変更(規制緩和から地域活性化)に連動し、再編されていると考えることができます。
②「評価・調査委員会の設置」
安倍政権発足当時は、前政権の運営方法を引き継いだかたちとなっており、構造改革特区推進本部とそのもとに設置された評価委員会が運営されていました。しかしながら、H19年5月より、評価・調査委員会が新たに発足し、特区認定の段階から調査を行う機能を有するようになりました。これまでの実施プロセスから得られた課題を踏まえ、評価委員会の機能を拡充したものと思われます。
実質評価 4点/10点中
ここでは、構造改革特区推進本部および評価委員会は、本制度実施プロセスからどのように課題を抽出し、また、政策目標の変化に対応しているのかを検証していきます。
①特区実施プロセスにおける課題
【現場の声を反映した課題認識はあるものの評価体系に不備が見られます】
特区推進本部およびそこに設置された評価委員会は、本制度によって一定の成果を上げたと評価していますが、特例措置を全国展開にするべきか否かの評価時期の問題、特例措置に関連する規制などの障害、全国展開の可能性のないものについての全国展開の撤回の問題、地域活性化の観点から特区を継続すべき案件の扱い、などを課題として挙げています。
また、政府としては、上記の問題に加え、実現数の減少、案件の小粒化、財源手当てがないこと、民間が計画策定段階で直接関与できないこと、等を挙げています。
これらの特区制度実施・運営上の課題は、現場の声を反映したものでしょう。
しかしながら、現行評価制度においては特区施行による弊害のチェックしかなされておらず、特例措置導入による効果をアウトカムレベルで把握することは経常的に行なわれていません。効果や成果を検証する視点が評価システムに組み込まれていなければ、今後の持続発展的運営のための改善点を見出すのは困難ではないでしょうか。
また、報道でも大きく取り上げられ、社会的注目を浴びた株式会社大学(LEC)問題について、推進本部、評価委員会の双方ともに明確に言及せず、評価委員会の個別検討の中で、現段階での判断は尚早であるとして今後の課題としています。特区制度導入以来、最も大きな問題のひとつとなったのがLEC問題ですが、原因の究明や対応策の検討は早急に対応すべきもので、所轄庁のみならず認定した側も取り組まねばならない課題ではないでしょうか。
②政策目標変更に伴う課題
【地域活性化に資するように制度を再設計する必要があります。】
安倍政権は特区を地域活性化の手段として位置付けており、前政権の規制改革の手段から、その位置付けを変えていることは前述のとおりです。この点を反映して、実行プロセスに何らかの変化があったのか、あるいはそれに伴う課題を新たに抽出したのかを確認するために、公開資料や情報を探ってみました。しかし、挙げられているものは運営面での改善策に留まっており、目標変更に伴う議論を記したものは見当たりませんでした。地域活性化の視点に関係するものも、全国展開を急がず特区継続をするというものだけでした。
しかし、地域活性化という目標に基づき、特区制度見直しを議論するとのであれば、より抜本的な制度の見直しが必要ではないでしょうか。
そもそも構造改革特区制度は規制緩和の速やかな展開を目途に、特例でテストし全国展開するというシナリオに基づいて作成された制度です。
しかし、地域の活性化という視点からみれば、先の都道府県担当者のヒアリングでも指摘されていたように、全国展開は先行者の利益を損ない、地域活性化のための事業を疎外する要因にもなりえます。
また、申請数の4割近くを占めている市区町村からの提案数の大幅減少への対策、あるいは全体の18%にも及ぶ草の根レベルの提案者の運営実施能力を強化する政策や、彼らの資金基盤強化策などを進めてゆかないと、地域活性化の手段としての特区制度は容易に機能しないようにも思われます。
2007年06月25日 15:07
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