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 「地球環境」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / アカウンタビリティー

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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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アカウンタビリティー 15点/30点中


【 排出権の購入負担など、環境外交のシビアな現実について説明責任があります。】

 「美しい星50」については、地球環境問題に関して日本の首相がこれだけのものをまとめて発信したことは初めてのことであり、内容的にも踏み込んでいます。その点は、アカウンタビリティーについて高い評価を与えられます。

 しかし、施策の中心が外交交渉のプロセスにあることから、国民への説明には限界はあるものの、国際社会の中でこの分野で日本が置かれている状況とあるべき方向性については、そこに至るプロセスの途上においても、もう少し説明の努力の余地はあったのではないでしょうか。

 とりわけ重要なのは、EUの思惑が日本にもたらす影響です。EUが各国別排出権キャップでの合意を急ぐ背景には、2013年以降に切れ目なくつながるようポスト京都議定書の枠組みをできるだけ早期に構築することで、CMDの金融商品化、その国際市場の形成を円滑に進めたいという意図があります。

 90年基準による総量目標を日本が達成すべく、日本が本格的にCMDの購入に動けば、その国際相場は高騰し、日本は兆円単位での支出を未来永劫にわたって余儀なくされることになりかねません。それは消費税率アップの負担に相当します。

 中国や途上国から見れば、それによって日本から流れる資金は、地球環境に係る国際約束を守れない懲罰として日本から取り立てたお金だということになり、そこには、途上国から見れば頭を上げたODA、先進国(日本)が頭を下げるODA、金融商品で潤うEUという構図が現出しかねません。

 政権に求められているのは、単に地球環境問題の重要性を訴えるだけではなく、そのようなことに日本の国民は本当にお金を出すのかといった点についてしっかりとした問い掛けを行うことです。

 「環境」という美しい言葉の背後に潜む国益のせめぎ合いの中で、日本の国益を図りつつ地球環境問題を解決していく道行きは何かを、国民の側にもより明確に示していく必要があります。今般の安倍提案では、前述のように「志ある途上国」との表現で、資金メカニズムがODAのばら撒きにつながらないための配慮が盛り込まれましたが、こうした問題の所在は納税者たる国民にも共有されるべきです。

 現実に京都議定書の目標を日本が本当に達成できるどうかは疑問です。現状の国内対策でそれにコミットすることは、すなわち、日本が大量に排出権を購入することをプレッジするに等しく、それが排出権取引相場を高騰させれば、日本の国益は大きく損なわれます。それを避けるためには、産業部門によるさらなるエネルギー効率の改善に加え、より根源的な排出削減スキームを提示し、そのアカウンタビリティーを果たしていかなければならないはずです。


【 国民運動にとどまらず、次世代のエネルギー社会のあり方について説明責任があります。】

 地球環境は参院選のテーマに浮上し、安倍総理も選挙対策を意識してか、サミットの舞台のみならず国内でも様々なパフォーマンスを見せていますが、「国民運動」として唱えられた「1人1日1Kg」(ダイエット)自体、実際に行うのは容易なことではありません。そうであるがゆえに、総理自ら気概を示すのは票にはつながるかも知れませんが、政治が国民に問わなければならない問題はそうではないはずです。日本の家庭部門での努力も確かに重要ですが、前述のように、産業部門の努力に比してそれが排出削減に寄与する効果は極めて小さい中で、「国民運動」をいくら強調し、総理自らゴミ拾いでパフォーマンスを示しても、それは問題の本質に対するアカウンタビリティーには決してつながらないでしょう。

 結局、私たち言論NPOがこれまで環境マニフェスト評価の折々に指摘してきたように、現在の化石燃料依存のエネルギー体系から「低炭素社会」の実現に向けて、原子力を中核とするそれに転換する、あるいは、クリーンエネルギー体系に基づく循環型社会に移行することを含めた将来の選択肢を、そのメリット・デメリット、リスクや負担の問題とともに国民に提示することこそが、政治に問われているのです。



2007年06月25日 15:07

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