「財政再建」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / 政策課題の妥当性
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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。
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政策課題の妥当性 15点/30点中
私たちがマニフェストとみなす3点セット(=政権構想+所信表明+施政方針演説)では、下記のような課題設定がなされました。
●政権構想
「成長なくして財政再建なし」との理念の下に、
1)将来世代にツケを先送りせず、財政を確実に健全化、
2)歳出・歳入一体改革の具体化においては、経済成長を前提に、歳出改革に優先取組み、
3)消費税負担のあり方…など中長期的視点から総合的な税制改革を推進
という3つのミッションが掲げられました。
●所信表明と施政方針演説
次の目標・政策手段が提示されました。
①2010年代半ばに向け債務残高の対GDP比を安定的に引き下げる。(所信・施政)
②まずは2011年度には国と地方を合わせたPBを確実に黒字化する。(所信・施政)
③19年度予算編成:「成長に資する分野への重点化・効率化を徹底してメリハリの効いた配分。国債発行額を18年度予算を下回る額に。」(所信)→「税の自然増収は安易な歳出増等に振り向けず、将来の国民負担の軽減に向けるなどの原則。19年度予算で過去最大の国債減額(4.5兆円)、これと併せ6.3兆円の財政健全化を実現。」(施政)
④経済成長を維持しつつ、国民負担の最小化を第一の目標に、歳出・歳入の一体改革に正面から取り組む。(所信・施政)
⑤「成長なくして財政再建なしとの理念の下、経済財政諮問会議を活用」(所信)→「財政は引き続き極めて厳しい状況。歳出削減を一段と進め、財政の無駄を無くすとの基本方針は安倍内閣においてもいささかも揺らぐことはない。」(施政)
⑥公共事業の重点化や効率化徹底。(所信)
⑦改革を徹底して実施した上で、それでも対応しきれない負担増に対しては、安定的な財源を確保し、将来世代への先送りを行わないようにする。(所信・施政)
⑧「抜本的・一体的な税制改革を実施。消費税については逃げず逃げ込まずという姿勢で対応。」(所信)→「本年秋以降、本格的な議論、19年度を目処に、社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しなどを踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現。」(施政)
形式評価 12点/20点中
理念、ミッション、目標、政策手段、工程が示されるなど政策体系性が認められ、一応、マニフェストの形式要件は整っています。財政再建よりもまずは経済成長を重視するという理念を最上位に掲げつつ、成長、歳出削減、歳入確保の順に、政策の優先順位が示されています。この中では、政権発足当初に比べ19年度予算編成以降は、成長から財政健全化路線に重点がややシフトしていることもうかがわれます。
しかし形式用件が満たされている一方で、その手段として歳出削減を優先して歳入確保を後回しにしていることが「歳出・歳入一体改革」(本来は両者の同時実施)と齟齬を来たしており、消費税については「逃げず」としながらも表現は抽象的で、必要な増税措置に係る具体的な記述がないのは形式要件としてもマイナス要素です。
実質評価 3点/10点中
財政健全化が一貫して強調され、そこに政権としてのブレがないことを示したことは評価できます。しかし、形式評価でも触れたマイナス要素に加え、評価の視点で指摘した(ア)~(オ)のような課題が日本の財政に問われている中にあって、安倍政権としても19年度予算編成後の施政方針演説の段階では、多少ともそこに踏み込むことが必要だったと考えられます。
2007年06月25日 15:07
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