「経済」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / 実績
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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。
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実績 6点/20点中
持続的成長を支える基盤整備は不充分
【「イノベーション戦略会議」の長期指針】
「人口減少下でも技術革新、新しいアイデア、ビジネスなどによるイノベーションで持続的成長と豊かな社会を実現する」として、社会システムの改革戦略と技術革新を一体的に推進するロードマップが提示されました。その中で早急に取り組むべき課題としては、ロボットによる生活支援や若手研究者向け競争的資金の充実強化など174項目が盛り込まれていますが、その目玉の一つが大学改革で、複数専攻制度の導入や文系・理系区分の見直しなどが盛り込まれました。
【「成長力加速プログラム」とはなにか】
経済財政諮問会議は本年5月に、一人当たり生産性を今後5年間で1,5倍にするプログラムを策定しました。このプログラムは、
①成長から取り残されている人材・中小企業を支援する「成長力底上げ戦略」、
②生産性の低い分野や消費者の潜在的ニーズが満たされていない分野の効率と質の向上を図る「サービス革新戦略」、
③国際競争力の向上に向け、最先端技術の創造や教育・研究の強化、貯蓄から投資への流れを加速させる「成長可能性拡大戦略」
の3つの柱で構成されています。
【中小企業・地域対策】
2007年6月に「経済成長戦略大綱」の改定が行われました。これは2015年度までに年平均2,2%の経済成長を実現するために策定され、毎年見直すことになっています。今年の大綱には、中小企業対策として再生支援を行う「地域中小企業再生ネットワーク」の創設や、団塊世代の大量退職者を中小企業と結び付ける「新現役チャレンジプラン」の創設などを記載しました。地域対策では、国際会議の誘致を進めて開催件数を五年間で五割以上増やすことや、農村・漁村の活性化にむけて5年間で1000以上の新たな取り組みを創設することを目指しています。
形式評価 4点/10点中
インプットの成果を見ると、将来に向けたビジョンやロードマップには歴代政権に見られない多彩さと豊かさが現れ始めたのは、一つの成果と言えます。しかし、インプットされた施策のほとんどが、将来の理想の絵や、それに向けたロードマップを願望として描いただけで、実際には「提案」の域を出ず、形式評価の対象となりうるものはほとんどありません。「活力ある超高齢化社会に向けた全体システムの再設計」には程遠いものでした。
実質評価 2点/10点中
【地に足の着いていない政策路線】
大きな懸案である財政の歳出・歳入一体改革は、与党内の空気も昨年とは様変わりし、消費税増税の声もなくなりました。確かにこの2、3年の好景気でマクロバランスは大きく改善していますが、そのような時こそ行われなければならない、例えば不景気になっても持続可能なシステムへの構築といったアジェンダへの取り組みはおろそかになってしまいました。
他方、成長政策自体についても、イノベーションや再チャレンジを唱えたところで、たとえば「再チャレンジ税制」を活用できるのはある程度上のクラスであり、誰もが短期間にパソコンのプログラムを作れるようになって生産性を上げられるわけではありません。成長戦略でむしろ見えやすかったのは、お蔵入りとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」です。現在の日本の労働市場は新しい技術に対してデッドロック状態になっており、企業の中核労働力が生産性を発揮できないでいます。そこに柔軟な雇用体系を構築し、技術革新の中核を担っているプロフェッショナルの生産性を高めれば、成長政策に貢献するところ大であると考えられます。
結局、安倍政権の経済政策は、さまざまな施策を総花的に発信して何かをやっているような雰囲気を出しているに過ぎないように見えます。
【経済実態で見たアウトカムは不充分】
世界のトップ100社に入っている日本企業は少なく、収益率も欧米や中国に及びません。金利が低いのは、収益率が低いということです。現在、企業の収益や税収が好調なのは円安による面が大きく、日本の産業が筋肉質になったとは言い切れません。
グローバル資本主義下の成長産業は金融と情報で、日本経済全体が生産性を大幅に上げるカギはここにあります。しかし、これらの分野で米国の牙城を崩すのは容易ではありません。それなら、日本は金融や情報とは異なる成長産業を生み出さなければなりませんが、その答えはまだ出ていません。
2007年06月25日 15:07
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