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 「公務員制度改革」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / 実行プロセス

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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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実行プロセス 15点/20点中

 形式評価 7点/10点中


 【総人件費削減・公務員の労働権の見直しなど個別課題には一定の成果がみられますが、個別国家公務員法等改正案を今国会で審議する必然性は不明確です】

 本年4月に国家公務員法等改正法案が国会に提出され、6月7日に衆議院で可決されました。この法案の第1の柱は公務員への能力・実績主義の導入(人事管理、能力本位の任用制度、新たな人事評価制度等)ですが、特に注目され議論を呼んだのが第2の柱である「再就職に関する規制」です。

 そこでは、各府省による職員や職員OBに対する再就職あっせんを禁止し、新・人材バンク(官民人材交流センター)に一元化すること、現職職員の求職活動の規制や、退職職員の現職職員に対する「はたらきかけ」規制などが盛り込まれました。しかし、今国会成立の目処は立たず、なぜ今国会で成立させなければならないのかも明確になっていません。

 (1)総人件費削減:5年間で約1万9000人の純減目標は既に前政権下で2006年に閣議決定され、各年度の削減数は毎年度の予算編成で決められることとなっています。また、行革推進法には純減目標達成のための円滑化措置が盛り込まれており、その手法としては、非公務員型の独立行政法人化と、府省間の配置転換の2つがあります。

 後者の府省間配置転換に関しては、最近10年の平均では概ね80名弱にとどまっていたのが、今般、農林統計や旧食糧事務所からの配置転換者は4月1日で748名(10倍近く)と量的に顕著な増加がみられました。

 しかし、行革推進法で決められた地方公務員の5年間で4.6%以上の純減目標については、今後数年間は団塊の世代の大量退職に係る退職金支給が続くと見込まれ、4.6%との数字自体が過去5年間の退職純減をそのまま引き延ばしたものであり、それを上回る努力が必要となっています。

 (2)国家公務員法の改正:公務員の再就職あっせん規制に係る改革案は2006年末の経済財政諮問会議に民間議員ペーパーとして提出され、霞ヶ関を始め大きな反発がある中、安倍総理のイニシアチブで、この改革の推進を新任の渡辺行革担当大臣に指示しました。

 この線に沿って本評価の冒頭に記した内容の法案化作業に当たり、霞ヶ関の構造の基本部分が根本から崩れることを懸念する各省庁や与党などから激しい抵抗がなされ、行革担当大臣等との間で攻防戦が展開されました。

 法案は本年4月に国会に提出され、重要法案が目白押しの後半国会でも教育3法などと並ぶ最重要法案として総理自身が位置付けましたが、今国会での成立には暗雲が立ち込めています。

 (3)公務員の労働基本権の見直し:安倍政権に求められている公務員制度改革が抜本改革であるため、まずは上述の再就職あっせん規制が優先されました。そのため法案を出すに当たっても、まずは労働基本権以外の、能力主義や再就職あっせんに係る改革から手をつけるという作戦がとられました。

 その中にあっても、政府与党合意を踏まえて、本年4月24日になされた閣議決定「公務員制度改革について」においては、「労働基本権については、行政改革推進本部専門調査会の審議を踏まえ、引き続き検討する」との文言が盛り込まれるに至り、同日に出された同調査会の「議論の整理」においても、改革の方向が謳われることとなりました(後述)。

 総人件費削減については、上述(1)のように、行革推進法で規定されたプログラムに沿って安倍政権が設定した課題に即した措置が概ね着実に講じられています。公務員改革のうち能力主義の推進や再就職あっせんの規制については、上述(2)のように、所要の法案を閣議決定し、6月7日に衆議院で可決されるに至りました。

 しかし労働基本権については、上述(3)のとおり、未だ具体的な成案を得るに至っていません。「進める」という点での形式評価としても、進展は不十分であると言えます。


 実質評価 6点/10点中


 【総人件費削減や能力主義の推進への取組みは評価できますが、公務員改革の本質的な課題には応えていません】

 総人件費削減については、上述(1)のように、目標達成に向けて、政府全体で真摯かつ誠実な取組みが進められているといえます。能力主義の推進や再就職あっせんの規制については、上述(2)のように、宣言された課題達成に向けて勢いのある取組みがなされ、法案の衆議院通過まで至りました。

 しかし、日本の公務員改革に本来問われるはずの、本質的な課題への取組みはなされていません。労働基本権については、上述(3)のように、公務員改革全体のプロセス上の作戦という要素や、最後に改革の方向は謳ったという進展はあるとしても、課題達成に向けた真摯な検討が実質的に進展したとはいえないでしょう。



2007年06月25日 15:07

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