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 「憲法改正・国民投票法」に関する安倍政権の実績評価 点数の根拠 / アカウンタビリティー

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言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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アカウンタビリティー 5点/30点中

 安倍総理自身の発言の中で、憲法改正を語る歴史観に矛盾が見られます。すなわち、「戦後レジームからの脱却を目指す」との発言の前提には、戦後日本の国家体制に対する否定的な評価があるはずです。しかし、他方で、「主張する外交」の中身として、安倍総理の発言には、戦後日本の国際貢献、平和路線を認めるべきだとの言い方が随所にみられ、そこでは、戦後日本のあり方を肯定する認識が前提になっています。

 戦後日本の良い面は活かし、悪い面は克服するというのであれば、やはり、安倍総理の言う、脱却すべき「戦後レジーム」とは何かの定義を明確に説明し、そこに整合性あるアカウンタビリティーを発揮しなければならないでしょう。それが欠如していることは、安倍総理の改憲論そのものに論理的に煮詰まった考え方が備わっていないことを示すものです。 安倍総理は、「戦後レジーム」からの脱却という言葉の意味ほどのグランドデザインを語っているようにはみえません。こうした点も、安倍総理は何をやりたいのかという【基準(ア)】が満たされていないことに由来するアカウンタビリティーの欠如といえます。

[ 基準(ア) ]まず、日本がどのような国を目指すのか、国際社会の中で何をやる国(あるいは何をやらない国)になるのか、政党としての考え方を明示すること。

[ 基準(イ) ]次に、それを実現する上で、憲法のどこが問題で、どのような方向で見直さなければならないかを示し、国民が改憲の必要性について判断できる材料を提供すること。

[ 基準(ウ) ]議論の手続き自体の政治的中立性、不偏不党性を確保すること。


 加えて、前述のように、日本が集団的自衛権を行使できるようになってアメリカの戦争を戦える国になるという状況が現実のものになってきたときには、日本の国民の多くは再考するでしょう。集団的自衛権を認めるということは、日本が全く新しい状況になることを意味しますが、その備えはなく、それは時間をかけて説明しながら議論を深めていかなければ、国民の意識には上ってきません。そのような演出は、残念ながら現在までは見られませんでした。

 さらに言えば、集団的自衛権の行使を認めて日本がアメリカの戦争を戦える国になるということは、論理的にいえば、憲法9条を書き直すことによって日米安保条約も書き直すということです。現在の日米安全保障条約は、9条を前提にして中身ができているからです。そこで、当然のことながら、アメリカ側の日本に対する要請としても、9条を変えれば日本はもっとアメリカに協力してもらえるということになります。しかしながら、現状において、こうした説明は全くなされていません。そのような状況では、新しい9条と改訂した9条と日米安保条約というものを、どういう論理でつなぎ、日米安保はどのような姿になるのかという議論に入っていった際に、日本国民のコンセンサスを得ることは困難でしょう。少なくともそこには大きな混乱が予想されます。

 また、憲法改正によって目指す将来の国家像を描いたとしても、改憲を主導する立場の政党や政治家が、彼らのビジョンや発想を一方的に国民に伝えて判断を求めるというスタイルになってしまってはなりません。自民党が2005年に出した憲法草案も、国民にもっと読んでもらう努力を行い、改憲案のあくまでも1つの提案として提示する必要があります。 複数の改憲提案を様々な政治的なグループが提示し、その国民的議論を呼びかけるというステージを政治の側が設定することが求められます。

 いずれにせよ、提起されている改憲論の中身が分からない現状では、有権者がそれを支持すべきかどうか判断のしようがありません。そこであり得る判断は、今のやり方でいいのかどうかという点に限定されてくることになります。もし、そうであるとしても、長期的なロードマップを提示して、例えば今回の参院選はこの段階の試みだという説明を最低限、行わなければならないはずです。


2006年12月04日 20:00

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