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 「憲法改正・国民投票法」に関する安倍政権の「実績評価」 / 評価の視点

「言論NPOの評価基準」をみる

言論NPOでは、これまでに安倍政権が行った政策の実績評価をしました。

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評価の視点

この分野の評価に当たっては、以下の視点を評価のポイントとします。

ア) 日本がどのような国を目指すのか、国際社会の中で何をやる国(あるいは何をやらない国)になるのか、について、明確に提示しているか。

イ) それを実現する上で、憲法の問題点や見直しの方向性など、国民が改憲の必要性について判断できる材料を提供しているか。

ウ) 議論の手続き自体の政治的中立性、不偏不党性が確保されているか。


●日本国憲法(昭和21(1946)年11月3日 公布、昭和22(1947)年5月3日 施行)

・第九十六条【憲法改正の手続】
1 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

・第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 日本国憲法が施行されて60年を経た2007年に、憲法改正手続きを定めた国民投票法案が成立しました。本来であれば施行と同時に作られているはずであった法律が60年の歳月を経てようやく日の目を見ることになり、これで憲法改正論議が具体論へと軸足を移すかどうかが注目されています。

 日本国憲法は行政権を含む三権を規律する最高法規であり、国民と国家の関係そのものを規定する根本規範です。憲法制定権はあくまで日本国民全体に属するのであり、その大多数の合意が形成された範囲内でのみ粛々と改正されるべきものであると考えれば、改憲議論は公正中立的に不偏不党な手続きでなされ、超党派間での議論をと合意を経て国民のコンセンサスを得ていくプロセスを通じて行われるべきものといえます。こうした意味で、日本国憲法は改憲へのハードルを高いものとした「硬性憲法」とされます。従って、憲法改正という分野については、マニフェストサイクルの中で議会で多数を得た政党がそこに提示した政策を実施し、それを次の選挙で国民が判断するといった、通常の政策形成手続には馴染まない面があります。

 その中にあって、憲法の見直しを国民的議論として盛り上げていくためには、まずは国会における政党間での意味のある議論を行う前提として、政党自身が、自らの考える日本のあるべき姿を提示し、それに向けて、憲法をどのように改正していくのかについてのビジョンを提示しなければ、見直し論議は具体的に進展しないという面があります。その意味では、国民の支持を受けた適切な改憲を目指す政党が政権を得て、改正へ向けた国民運動のリーダーシップをとることは、立憲民主主義として必要な手続きであるといえます。

 以上を踏まえれば、政党が改憲を提起するのであれば、次の基準を満たしているかどうかが問われることになります。

[ 基準(ア) ]まず、日本がどのような国を目指すのか、国際社会の中で何をやる国(あるいは何をやらない国)になるのか、政党としての考え方を明示すること。

[ 基準(イ) ]次に、それを実現する上で、憲法のどこが問題で、どのような方向で見直さなければならないかを示し、国民が改憲の必要性について判断できる材料を提供すること。

[ 基準(ウ) ]議論の手続き自体の政治的中立性、不偏不党性を確保すること。


 例えば、憲法9条については、(ア)の国際社会で日本がすべきことは何か、すべきでないことは何かを政治が国民に示して答を求め、その答に従って、改憲すべきかどうかを判断するものであり、それが明確でないまま9条改正を示すのであれば、(ア)と(イ)の手順は逆になってしまいます。それは、(ウ)のクライテリアにも反するといえます。9条改正によって認められることになるのが集団的自衛権の行使であれば、(ア)の答がないままでは、中国や韓国だけでなく、アメリカや東南アジアなども含め世界から疑いの目を向けられるでしょう。憲法を書き直すのであれば、日本が何をやるために書き直すのかを明確に示さなければなりません。

 安倍総理は、本年の憲法記念日の談話で、「戦後レジームを原点にさかのぼって大胆に見直し、新しい日本の姿の実現に向けて憲法について議論を深めることは、新しい時代を切り開いていく精神へとつながる」として改憲に強い意欲を示し、参院選マニフェストには新憲法制定を第一番に掲げました。安倍総理は、自民党が2005年にまとめた「新憲法草案」を基に国民的議論を展開していきたいとしています。

以下、憲法改正についての安倍政権の一連の動きについて、前記(ア)~(ウ)の視点に照らして評価を行います。


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2006年12月05日 20:16

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