【東京新聞】 「この人」権力批判だけでは限界 国の構成員としての議論を

2001年10月16日

2001/10/16 東京新聞

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 権力批判だけでは限界 国の構成員としての議論を  「キーワードは真剣勝負」。インターネット上で、会員間の本格論争を展開する運動を立ち上げた。「利益が目的ではない」と、会費などで運営するNPO(民間非営利団体)形式を選び、実務を支える官僚、学者らはボランティアだ。

ホームページは毎月更新され、今月は評論家の山崎正和氏、椎名素夫参院議員らが米中枢同時テロなどをめぐって意見を戦わせた。「まずはこうした質の高い議論を見せる。次に会員である読者に意見を求め、いいものは筆者に迎えたい」と、双方向を目指し、来年は雑誌も創刊する予定だ。

休刊になった「論争 東洋経済」の元編集長。政治家、官僚などを登場させて改革論議を展開したが、マスコミの「中立的な議論」に限界を感じ、舞台を変えた。趣旨に賛同する会員は約200人。強烈な危機感が共通項だ。 「経済は恐慌と同じ状態。今までは権力を批判していればよかったが、権力が壊れ始めた。自分たちがこの国の構成員として挑戦しないと、この国は死んでしまう。議論の中から現実をつくる段階で、オピニオン(意見)が問われている」

Jリーグ鹿島アントラーズのファン。東京都足立区に妻と二人暮らし。43歳。アドレスはhttps://www.genron-npo.net (篠ケ瀬祐司)

 

2001/10/16 東京新聞