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2000年05月17日

2008年 日本の未来に何が問われるのか

2008年 日本の未来に何が問われるのか

新年に、私がまず思うのは この新しい年を日本が未来に向かうスタートにできないかということです。 私が未来にこだわるのは、この数年、日本の政治は今(いま)にこだわり 未来に向けた問いかけや 将来社会の設計も国民に提示できないままだからです。

年金をめぐる論議はその典型です。 高齢化や人口減が誰の目にも明らかになっているのに、 改革は言葉のレトリックにとどまり、その出口をめぐって国民に広がる 議論はなく、その姿を有権者が実感できない。 そうした課題を克服する新しい活力ある良循環も作り出せない。 そんな状況が、

さあ、鉄人たちよ、 その腕前を見せておくれ~~!

日本の政治に問われているのは、課題解決への意思


斎藤 誠

>一橋大学大学院
経済学研究科教授
世界の構造的な変化と日本のチャレンジ


イェスパー・コール

前メリルリンチ日本証券株式会社
チーフエコノミスト
まともに議論ができる社会にしたい


上山 信一

慶應義塾大学
総合政策学部教授

対外関係の構造改革と、本物の民主政治とを

いまの福田政権は状況に対して正直に対応しているし、前向きな側面を見ていけば、意外にいろいろなことに踏み込んでいます。

どこまで実効性があるかどうかは別として、公務員制度改革も、ほとんどのマスコミが法律も通らないだろうと言っていたのが、首相のひと声で通った。道路財源の一般財源化も、たぶん首相が踏み込んで言ったのは初めてだと思います。曲がりなりにも、そのプロセスで税体系を抜本的に見直すという話をしています。

環境の話では、本当に排出権取引をやるつもりだとすれば、大きな転換です。これまでほとんどタブーだった排出権取引を排除せずに議論しているという意味では、そこだけを見ればということですが、「すごいな」という印象です。

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不思議なのは、そういうすごいことを言っても、受け手はほとんど誰もいないということです。マスコミも選挙しか関心がないのか、あまり取り上げません。アフリカや食料支援も、世界的に見るとキーワードです。その会議を一応日本が主催して、ある程度お金も出すと言っている。ODAの先もアジアからアフリカということをかなり明確に言いました。ひとつひとつを見てみるとかなり大胆なことを言っていますが、マスコミが不感症になっている。

政権のほうに問題があるとすれば、振り付けが悪いのだと思います。アジェンダを最初に設定すべきで、最後に苦し紛れに大きなことをポンと出すのであまり効果的に受け取られない。そもそも選挙でできた政権ではないという事情もあるかもしれません。

選挙を前にしているから、実質的な議論がないまま国会は政党や政治のアピールの場になってしまっている。これはかなり残念なことです。たとえば日銀総裁副総裁人事なども本質的な議論がないままに「出身だけで選別」ということになった。そのような政治的対応にみんな飽き飽きしてしまっている。選挙というのであれば、そういうことをマスコミがしっかり整理して論点を集約したほうがいい。

日本の政治は、いろいろな意味で、これまでの政権が先送りした問題を誰かが解決しなければならない状況です。小泉政権での道路公団民営化について言えば、運営主体を民営化するということはほとんど、どうでもいいことです。

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むしろ、われわれ国民の社会資本ストックとしての道路をどの程度の水準で、どのくらいのコストで維持していくのかという問題を考えることが大事ですが、それは何ら解決しないままに、組織だけ、それも運営主体だけ民営化しただけです。つまり、道路資産の将来のあり方は、小泉政権の道路改革のときから何も議論されていない。 それが今回、道路財源の暫定税率の話になったときに、そこについては従前通りやりますということをやってしまうから、望ましい社会のあり方についての議論がないままにやってきたツケを、あのような形で背負うことになる。

私は、増税に蓋(ふた)をしてしまう議論が続くのは、もういい加減にどうかと思います。それならば、野党も文句だけ言えばいいことになります。肝心なところは先送りにしておいて議論してしまうから、どうしようもなくなってしまう。

 こうした日本の状況に、政治のポピュリズムやメディアの問題があるとの指摘あります。それ自体は私も問題だとは思いますが、私はポピュリズム的な動きがそれ自体あるのは仕方ないのではないと思っています。適度に付き合うのがいい。

それよりも、結局、それぞれのところでそれぞれの人たちが頑張っていくしかない。そういうことに政治も企業も個人も対応しながら、自分たちが創出できる価値を生み出していけるように努力しなければなりません。

私は、人間とか社会というものを信じていますし、困難や変化があれば、人間や社会はそれを必ずいつかは乗り切るものだと思っています。私は一時期、ある銀行の調査部でものを書いていましたが、当時の84年頃から外向けに書いていたものを時々読み返すのですが、そこには、情勢判断を間違えたり、とんでもないことを書いたりということもありましたし、一方、後から見ても「なかなかいい」と思うこともあります。それは気持ちの持ちようなのです。自分自身が状況に恐れてしまったときは、過度に危険回避的な発想で、思考回路が後ろ向きになってしまう。

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世界の構造的な変化と日本のチャレンジ

 日本はこの91年バブルが弾けた後、長い停滞を続けました。日本社会全体が病院に入っていたような空気でした。しかし、2002年1月を底にした今回の経済の拡大は、まだ続いていますし、今後も基本的には続くと思います。そういうふうに今は、日本の社会全体が、長い病院生活から抜け出し、前向きに動き出したところです。経済の基礎体力もかなり回復した面があります。

 そういう中で、日本が歴史の発展の中でどういう状況にいるか、それから世界など大きな枠組みの中でどこにいるか、まず立ち位置を再確認しなければなりません。

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91年、日本のバブルが弾けたとき、ソ連が崩壊して冷戦が終わり、世界は戦後の世界政治経済のパラダイムの最大の転換をしています。インドの台頭もこの辺りから来ますし、中国はそれより前に台頭しています。アメリカも70年代、80年代にはガタガタで日本との摩擦も広がりましたが、復活しました。それから、産業技術においても、情報化技術が起きて、産業技術の形を生み出す安い技術のパラダイムも変わっています。

 つまり世界は、日本が病院に入っている間、競争力を持つような、あるいは経済成長発展がしやすいような環境、制度、仕組みを作るための制度改革の大競争をしているわけです。そういう中で日本はずっと小さな病気を治すために、この10年あまり心とエネルギーを集中していったのです。 日本はこの91年バブルが弾けた後、長い停滞を続けました。日本社会全体が病院に入っていたような空気でした。しかし、2002年1月を底にした今回の経済の拡大は、まだ続いていますし、今後も基本的には続くと思います。そういうふうに今は、日本の社会全体が、長い病院生活から抜け出し、前向きに動き出したところです。経済の基礎体力もかなり回復した面があります。

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 そういう中で、日本が歴史の発展の中でどういう状況にいるか、それから世界など大きな枠組みの中でどこにいるか、まず立ち位置を再確認しなければなりません。91年、日本のバブルが弾けたとき、ソ連が崩壊して冷戦が終わり、世界は戦後の世界政治経済のパラダイムの最大の転換をしています。インドの台頭もこの辺りから来ますし、中国はそれより前に台頭しています。アメリカも70年代、80年代にはガタガタで日本との摩擦も広がりましたが、復活しました。それから、産業技術においても、情報化技術が起きて、産業技術の形を生み出す安い技術のパラダイムも変わっています。

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 つまり世界は、日本が病院に入っている間、競争力を持つような、あるいは経済成長発展がしやすいような環境、制度、仕組みを作るための制度改革の大競争をしているわけです。そういう中で日本はずっと小さな病気を治すために、この10年あまり心とエネルギーを集中していったのです。

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まともに議論ができる社会にしたい

 国内では、政治の世界は衆参のねじれ現象で、もっぱら、いつ解散・総選挙するのか、次はどうなるのかとか、そういうことだけが問われていて、まさに言論不況みたいな状況です。そこでは、筋論というか自分の主張だけ言っていて、ねじれ解消どころか本当に実りのある議論にならないような感じになってきています。

 世界を見ると、いま政治的に大きく変わってきました。アメリカも大統領が変わる。中国も胡錦濤政権が第二期目を迎えて、今までの市場経済の一本槍からどうやらそれの行き過ぎの部分を是正するという動きになってきています。

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 外交面からみると、国がある限りは絶えず外交的な問題は起こってきますが、世界の流れの中で、本当に中東がどう落ち着くか、イスラエルがパレスチナをどうするかですけれども、そういう意味でも、日本は自分たちでやるべきチャンスをずっと外交の部分で失ってきています。

 したがって、私は自分たちの外交のあり方も含めて、政治も含めて、あるいは民間も含めてどんどん議論して欲しいと思います。国民全体でこんなに知識レベルの高い国はないわけですから、議論すれば皆分かるわけです。だから、外交が両極に行って、話がまとまらないという状態はどうにかして回避する方向にあって欲しい。さもないと、日本は人口減少で世界の中での経済的地位が落ちてくることが避けられず、アメリカもまたおそらくウェイト的には落ちてくるでしょう、そのアメリカの後塵を拝しながらどんどん落ちていくことになりかねません。

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投稿者 gnpo : 17:03 | コメント (0)