2006年の日本には何が問われているのか/福川伸次
2006年の日本には何が問われているのか
― 言論NPOのアドバイザー7氏はこう主張する
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福川伸次/ふくかわ・しんじ(財団法人機械産業記念事業財団 会長)
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1932年生まれ。55年東京大学法学部卒。同年通産省(現経済産業省)入省。ジェトロ・アムステルダム駐在員、太平首相秘書官等を経て、通産省事務次官に。88年、退官。神戸製鋼副社長を経て、94年、電通顧問兼電通総研代表取締役社長兼研究所長に就任。2005年12月より財団法人機械産業記念事業財団 会長に就任。主な著書は『21世紀・日本の選択』『IT 時代・成功者の発想』『日本への警告』等。
『全体最適のあり方を追求すべき』
私は、今の日本で一番大事なことは、全体最適のあり方を追求するということだと思います。小泉首相は一点豪華主義で、郵政ならば郵政ということで国民の支持を得たのですが、政治の目的は、は部分最適を追求するのではなくて、全体最適を追求することにあります。今の政治にはそういう雰囲気が全くないわけです。
つまり、2006年の議論で大事なことはポスト小泉体制が、どういう全体最適のビジョン作るかということだと思います。
この場合、私は3つの点が大切だと思います。まず国内では財政再建や社会保障の改革を進めることがもちろん大事ですが、それと同時に、日本の成長力や社会の発展力をどのように維持するのか、技術力の充実、文化と技術の融合などによって日本の成長力を維持する戦略を作らなければなりません。
2番目に大事なのは、国際公共財の提供に日本が積極的な役割を果たすことです。そのために外交の問題はどう展開するかということです。今、日本は、国際公共財の提供に、ほとんど何も出来ないわけです。国連の常任理事国にも入れないし、WTOの改革でもイニシアチブをとれない、FTAだって、中国などに先を越されて、アジアの期待には全く応えられていないというのが現状です。
3番目に大事なことは、日本の社会の秩序というか、社会の持続性というか、連帯性が崩れていることです。企業の不祥事がいろんな形で現れ、犯罪は増え、検挙率は下がっている。教育水準も下がり、日本の社会の良さが崩れつつあるわけです。加えて、拝金主義が蔓延していて「カネのためなら何でもいい」という風潮が進んでしまっている。
つまり、日本社会のディスプリン(規律)が崩れているように思います。
こうした状況を考えると、全体最適のビジョンに向けた議論が新年、特に大事だと思います。逆にいえば、そうしたことが今の日本はできないまま、孤立を深めているように見える。その結果、国としての魅力が下がり、国のブランド力とがどんどん落ちているというのが、今の日本の状況です。
そうした状況を立て直すことが06年の課題だし、言論NPOに求められている議論だと思いますね。
2005年12月30日 15:00
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