「民主主義」と「自由」を考える10日間に
~ワシントンからの第一声~

2017年1月09日

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「民主主義」と「自由」を考える10日間に

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 新年あけましておめでとうございます。言論NPOの工藤泰志です。

 さて、私は今、ワシントンにいます。今日は氷点下6度、非常に寒い日になっています。ワシントンでは、20日のトランプ大統領の就任式に向けて、様々な準備が始まっています。


アメリカの世界での役割、民主主義の構造がどうなっていくのか、多くの有識者と議論する

 私が今回、ワシントンに来たのは、トランプ政権が誕生して、アメリカという国がどのような方向に向かって動いていくのか、多くの有識者と話をするためです。明日から私たちは、ワシントンで約50人の有識者の方と話すことになっています。私がこの中でどうしても聞きたいのは、アメリカという国が国際政治の中で今後どんな役割を果たそうとしているのか、選挙中にトランプ氏が言った保護主義的、孤立主義的な行動が今後本当に行われるのかどうか、そして、トランプ氏という大統領を生み出したアメリカの民主主義の構造が、どのような大きな変化の最中にあるのか。今回、私は、アメリカの多くの人たちと議論したいと思っているわけです。


日本でも民主主義が試練に直面する中、言論NPOの真価が問われている

 私たちがこうした議論の必要性を感じているのは、日本においても、「民主主義」、「自由」という、私たちが戦後共通の規範として考えてきたものが、大きな試練、危機に遭遇していると考えているからです。言論NPOは16年前、まさに日本の自由と民主主義をどう機能させるのか、そして、その一つの手段として、市民が強くなることによって民主主義を強く機能させたいということで誕生した組織です。この1年、その真価が問われていると、私たちは危機感を強めています。


グローバリゼーションの中で、民主主義をどうすれば機能させられるのか

 私は、グローバリゼーションの中で、様々な所得の格差や雇用の不安、またヒトやモノの移動に伴う大きな不安が起こっていること、そして、それに対して多くの人たちが、将来不安や様々な怒りを持っていることは理解しています。そうしたグローバリゼーションの大きな課題と、自分たちの国の中での生活の安定を両立しながら、そうした課題を解決する責任があるのだと、私たちは思っています。その中で、どうすれば民主主義がきちんと機能させることができるのか、それが私の大きな問題意識です。

 明日から、多くの人たちに私が思っていることをぶつけて、その中で一つでも二つでも、これからの時代、歴史の大きな展開を考えるようなヒントを、どうしても得ていきたいと思っています。なぜなら、私たちは今、民主主義というものを学ぶ局面に来ていると考えているからです。そして、多くの人たちと話した結果を、皆さんにもいろいろなかたちで報告していきたいと思っています。

 ということで、今年、言論NPOは、まさに日本の民主主義、そして世界の民主主義と自由というものに、真剣に取り組んでいきたいと思っています。今年1年の言論NPOの活動に、ぜひ皆さんも参加し、注目していただきたいと思っています。 非常に寒いワシントンですが、その第一報とさせていただきました。