日本の将来を提言する

「衆議院選挙で各党は日本の課題にどう向かい合っているのか」公明党編

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公明党の公約説明

石田祝稔:公明党政調会長


⇒ 代表の工藤が公約に切り込む
⇒ 評価委員と公約を更に深堀りする

 これまで10月22日の投票日に向けて、有権者の皆さんに判断材料を提供してきました。言論NPOの最後の取り組みは、政党のマニフェストの内容に切り込むことです。
 一体、日本の政党は、日本が直面する課題を真剣に考えているのか、その解決に本気で向かい合おうとしているのか、さらに、選挙目当てで甘い話に逃げていないか。
 主要5党の政策責任者にマニフェストからは読み解けない疑問点を直接ぶつけ、議論した模様をお届けします。
 公明党からは、政調会長の石田祝稔氏にご参加いただきました。まず、今回の公約についての説明と、工藤からの疑問をぶつけてみました。


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第一部:公明党は何を訴え、選挙に臨むのか

kudo2.jpg工藤:公明党は今回の選挙で何を実現したいかを石田さんに伺った上で、質問をさせていただきたいと思います。


「教育負担軽減」「経済再生」「長寿社会への対応」「復興・防災」が4つの重点

IMG_2736.jpg石田:まず、パネルを見ていただきたいと思います。

 6本の柱になっています。全体の構成は、①教育負担の軽減、②力強く伸びる日本経済へ、③人を育む政治の実現へ、④復興・災害対策の強化へ、⑤安定した平和と繁栄の対外関係へ、⑥政治改革と行財政改革、です。

ko.png その中でも特に、最初の4つを重点政策として位置付けています。また、マニフェストの最後のページには、憲法についての基本姿勢を提示しております。

 第一の柱は教育負担の軽減です。これは国づくりの基本です。公明党は結党以来、「人への投資が未来を開く」という考え方で、教育の機会均等を図る政策を一貫して進めてきました。例えば、今では当たり前になっていますが、義務教育の教科書の無償配布を50年以上前に実現いたしました。それまでは義務教育の教科書もお金を出して買うということになっていまして、家庭状況によっては教科書を買えないということがありました。それについて、無償配布を行ったわけです。また、児童手当についてもご承知の通りです。この後申し上げますが、幼児教育の段階的無償化も進めてまいりましたし、今年からスタートした給付型奨学金についても一歩一歩前に進めてきました。それから、経済的事情に関係なく、誰もが必要な教育を受けられる社会に是非していきたいということで、幼児教育から大学の高等教育までの無償化に向けて進めていきたいと思っております。今回の衆議院選挙では、消費税増税分の使い道の変更が争点として挙げられています。教育に力を入れていきたいということです。財源は消費税の増税分ということになります。

 第二の柱は「力強く伸びる日本経済へ」です。自公政権において、経済再生ということで、徐々にではありますが雇用環境等含めて経済が好転しつつあると認識しています。ずっと地方も挨拶にまわっていますけども、ある銀行家の人とお話ししますと「良くなっていますよ」ということでした。その中で、今は後継者がいないから廃業の危機にあるというところが多いようです。これはぜひ我々がマッチングをしっかりやりたいというお話をされていました。

 また、働く人の数も大きく増えています。大学生・高校生の就職も非常に好転してきています。娘も6年前に就職したのですが、エントリーシートを大量に出さないといけないという大変な就職氷河期でした。今では、就職についての苦労はその時よりもだいぶ減ってきているのではないかと思います。経済の再生をさらに力強く進めていきたいと思っています。消費税を上げられるような経済環境を確保できるように取り組んでいきたいと思っています。

 第三に、人を育む政治の実現です。寿命は今非常に伸びてきています。先だって、政府に人生100年時代構想会議というものもできました。2007年生まれの子供は50%の人が107歳まで生きるという話もあります。寿命が延びていく中で社会保障体制をどういうふうにすべきかを、考えていかなければならないと思います。100歳まで生きる人が増えるということで喜ぶべきですけれども、それと同時に社会保障の体制をどうしていくのかを合わせて考えなくてはなりません。個人個人にとってそこまで経済を保っていけるのかということもあります。

 特に公明党として力を入れているのが、がん対策です。がんの検診率がなかなか上がりませんので、50%を目指していきたいと思います。また、がんになっても働き続けられる環境の確保が重要です。このことには、ぜひ経済界の方にも協力をお願いしたいと思います。がんは感染症ではありません。それなのに、「みんなに迷惑がかかるから」とやめてしまうと、生活が成り立たない、治療費も出てこないということになってしまいます。また、認知症です。オレンジプランがありますけども、認知症対策にも取り組んでいきたいと思います。

 第四が復興・災害対策です。東日本大震災から6年7ヶ月になりました。まだまだ、特に福島については、復興はこれからです。また、東日本大震災を経験して地震・津波に意識が集中したのですが、福岡の大雨や広島の土砂崩れなど、地震以外の災害に対する脆弱性にも取り組んでいかなければいけないと思います。災害対策全般について、被災者生活再建支援法や災害救助法など様々な法律がありますけども、もう少し、被災者の生活を再建するという考え方のもとで、住居等の再建も含め、「(国が)私有財産の形成に寄与するからだめだ」ということではなく、本当の居住の基本・生活の基本をどう守っていけるかを考えて行く必要があると思います。


国連中心の制裁によって北朝鮮の核放棄を目指す

 第五に、安定した平和と安定の対外関係です。北朝鮮には核・ミサイル開発や拉致の問題があります。私が当選した時、2005~06年も非常に危険な状況のもとにありましたが、今またそのような状況にあります。脅威は能力と意図の掛け算だと思っております。能力がなければどんなに意図があっても心配することはありませんが、北朝鮮については意図がわからない。能力についてはだんだん増強している。やはり国際社会と連携して、核やミサイルの開発の放棄をさせ、北朝鮮の国民のためになる政治をやってもらわなければいけない。そのためには、日本が単独でということではもちろんありませんので、国連を中心にして、経済制裁等を穴のない形で実行し、対話に対して本気になってもらう。そういうことが大事だと思います。その意味で、平和安全法制を成立させていたということは一つ大事なことだったと思います。

 第六に、政治改革・行財政改革があります。森友・加計問題や日報問題で通常国会は大変多くの時間を費やしました。しかしなおまだ、国民の間では疑問が払拭されておりませんので、当然選挙が終わった後も野党の方々は質問されるでしょう。総理も選挙戦を通して、また選挙戦後の国会でも真摯な答弁に努めてもらいたいと思います。また、公文書管理についてもしっかりガイドラインを改正していこうと思います。

 最後に、憲法についての姿勢です。今回、自民党、希望の党、維新の会など、様々に憲法についての意見が出てきていますので、我が党の基本姿勢を明確にしておこうということで、憲法に対する基本姿勢を示しました。憲法の三原則、国民主権・基本的人権の尊重・恒久平和主義については、将来にわたって変える必要のない大事な三原理であると考えております。


消費増税後を予定している社会保障充実を前倒ししたい

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 以上がマニフェストでありますが、ちょっと見ていただくと「子どもマニフェストというものも作成しております。子どもということで易しく書くというのはおかしな話でもありますけど、将来の有権者のみなさんにもわかりやすく、子どもマニフェストという形で作成したわけです。

 もう少し教育負担について詳しく申し上げれば、我が党としては私立高校に通っているご家庭を支援したいと思っています。年収制限を590万円未満としていますが、現在の公立学校への支援金に上乗せして、私立学校の平均的な授業料まで支援したいと考えています。また、給付型奨学金もまだ2万人規模ですから、もう少し拡大する、金額についても学生生活を支えるのに十分でなくともある程度目処がつくような額にすべきではないかと。

 また、高齢者の支援についても忘れてはならないと思います。消費税を10%に引き上げる時にやることになっていたことは三つありました。そのうち一つは昨年の参議院選挙でお約束しまして、年金の受給資格取得期間を25年から10年に短縮をする。これは法律が成立しまして、10月から、年金は一生もらえないと思っていた方がもらえるように大きく変わりました。また、年金を受給されている方で収入の少ない方に加算金を出す、そして介護の軽減、これらは消費税増税後に行うことになっていますが、それを少しでも前倒しできないか考えています。

 また、軽減税率についてもしっかりやるということで取り組んで行きたいと思っております。
 

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財政破綻の回避や急速な少子高齢化への対応といった日本が直面する課題に対して、今の政治は本質的な解決策から逃げている状況です。言論NPOは、政治家を選ぶ有権者の側が、この国の未来に対する当事者意識を備えなければいけないという考えのもと、政権や政党の政策が課題に向かい合うものになっているかどうかを定期的に評価し、有権者に判断材料を提供しています。

また、日本の将来像を見据えた政策を有権者の立場に立って議論し、政治に提案する取り組みの実現を目指しています。

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