―課題に対する対策について、政党内の候補者レベルでばらつきがあることが明らかに― 「参議院選挙 候補者アンケート回答結果」を選挙区別に公開します

2010年7月07日

 認定NPO法人 言論NPO(東京都中央区日本橋 代表・工藤泰志)は、参議院選挙 候補者アンケート中間集計を、選挙区別に候補者の回答をホームページ上で公開しました。


選挙区別に各候補者の回答の有無、回答内容を公表

 政党のマニフェストがなかなか機能していない中では、有権者は政党のマニフェストに加え、候補者自身の考えやプランを合わせて判断するしかありません。そこで、言論NPOは参議院選に立候補する10の党と無所属の388人に緊急にアンケートを送付し7月3日までに回答のあった181人を中間集計し、選挙区別に候補者の回答内容を公表しました
 送付者に対する回答者の党別の回答率は、共産党が98.4%と最も高く、公明党 は70.0%、社会民主党60.0%と続いています。民主党は33.6%、自民党は34.5%でした。


アンケート結果から明らかになった傾向

当選した場合に取り組みたいことは

 候補者の課題認識を明らかにするために、参議院議員になった場合、最初の1年間に優先的に取り組みたい課題を1つだけ問う質問では、最も多いのは「雇用創出」、続いて「経済成長戦略の策定と実行」となり、この傾向は党別に見ても同じです。現在、選挙戦での論点になっている「財政再建の道筋をつくる」、「消費税の増税などの税制改革」を選んだ民主党の候補はいずれも0人で、自民党も1 人(3.4%)に過ぎません。「財政再建の道筋をつける」を選んだ人が相対的に多いのは新党改革の3人(42.9%)とみんなの党の3人(21.4%)で、「消費税増税を含む税制改革に取り組みたい」と答えた候補が最も多いのは共産党の4人(6.3%)でした。

「日本の財政はこのままでは破たんする」との認識が8割を超える

 日本の財政は持続可能かについては「このままでは持続可能ではなく、日本の財政は破たんする」と答えた候補者は全体では152人で8割を超えています。しかし、消費税については、「たちあがれ日本」と「日本創新党」が全員賛成しており、自民党は21人(72.4%)の候補者が賛成と回答しています。これに対して、公明党、社会民主党、共産党、みんなの党、国民新党の候補者全員が反対しており、民主党は、菅首相の賛成発言にも関わらず、賛成は8人 (22.2%)に過ぎず、反対は13人(36.1%)、無回答が7人(19.4%)と、意見が分かれています。

子ども手当には民主党議員も賛成せず

 少子化による人口減少という現実に対して、日本の将来にとって決定的に大きな課題という認識を持っている候補者が大半でした。こうした認識を持つ候補者に絞って、ではどのような対策をとることが適切かを尋ねると、「子ども手当等を通じた現金給付」を支持する候補者は国民新党の1人しかおらず、民主党候補者の中で選択した人は0人で、「子ども手当」には党内外の候補者に不評なことが分かります。


候補者レベルの意識と政党のマニフェストの間でかい離も浮き彫りに

 この調査結果では、候補者の課題認識にかんしては、政党間でも候補者レベルでばらつきがあることが明らかになっており、また、「財政再建」や「消費税」などの主要な問題では候補者レベルの意識と政党のマニフェストのかい離も浮き彫りになっています。
 既存政党に関する信頼が低下し、政党の「分解」などが一部で始まる中で、政党が選挙を軸に国民に示すべき 政策と、候補者選びが十二分に連動していない、などの問題点も明らかになりました。


候補者に聞いた13の質問

問1.参議院議員に選ばれた際に、あなたがこの1年間で優先的に取り組もうと考えている課題は何ですか。
 問1SQ.そう考える理由を一言でお答えください。
問2.あなたは、日米関係と日中関係はどちらが重要だと考えていますか。
問3.あなたは、米軍基地が日本に存在することは必要だと考えていますか。次の中から1つ選んでください。
 問3SQ.そう考える理由を一言でお答えください。
問4.あなたは、日本の財政は持続可能だと考えていますか。
 問4SQ.問4で「このままでは持続可能ではなく、破たんする」と回答した方にお聞きします。あなたは、この課題に対してどのような方策を打つべきだと考えていますか。一言でお答えください。
問5.あなたは地方分権の主役は誰だと考えていますか。
問6.あなたは、地方分権を進めるためにカギとなる課題は何だと考えていますか。
 問6SQ.そう考える理由を一言でお答えください。
問7.あなたは消費税の増税に賛成ですか、反対ですか。
 問7SQ(a).問7で「賛成」と回答した方にお聞きします。消費税増税の幅として、どの水準まで許容しますか。
 問7SQ(b).問7で「反対」と回答した方にお聞きします。その理由はなぜですか。一言でお答えください。
問8.現行の社会保障制度は、若い世代が高齢者を支える仕組みとなっていますが、少子高齢化の進展により、その持続可能性が危ぶまれています。あなたは、若い世代の負担を減らすために、地元の年金受給者に「皆さんの年金を月5,000円減らします」と説明できますか。
 問8SQ.問8で「できない」、「説明する必要はない」と回答した方にお聞きします。その理由はなぜですか。一言でお答えください。
問9.あなたは、少子化による人口減少という現実に対して、どのように考えていますか。
 問9SQ(a).問9で「日本の将来にとって決定的に大きな課題である」と回答した方にお聞きします。少子化対策として、どのような政策手段を取るのが適当と考えますか。
 問9SQ(b).問9で「日本の将来にとって大きな課題とはいえない」と回答した方にお聞きします。その場合、あなたは、どのような社会を目指すべきだと考えていますか。一言でお答えください。
問10.あなたは、日本の農業政策(生産調整)についてどう思いますか。
問11.あなたは、今後の日本の農業の担い手を考えた場合、どの部分の人たちを大事にするべきだと思いますか。
 問11SQ.そう考える理由を一言でお答えください。
問12.現在の日本の政治が、官僚たたきだけに傾斜しており、政治家が優秀な官僚を活用しきれていないという意見がありますが、あなたはこの意見に対してどう考えますか。
問13.あなたは、「政治とカネ」をめぐる問題で国民の信頼を回復するために、どんな方策が必要だと考えていますか。以下の中からもっとも重要だと思うものを2つ選び、優先順序をつけて回答してください。


2010年参議院選挙特集一覧

 言論NPOでは、下記の様な参議院選挙特集を行なっています。選挙まで4日となりました。一つの判断材料としてご参考にしていただければ幸いです。

★参院選特集① 9党政調会長インタビュー『マニフェストを問う「結局、何を約束するのか」』
★参院選特集②  2010年参議院選挙 全国候補者アンケート結果本日公表!
★参院選特集③  言論NPOマニフェスト評価委員インタビュー「マニフェストの読み方」
★参院選特集④  参議院議員選挙直前 言論NPO会員アンケート 結果公表
★参院選特集⑤ 「民主党政権9ヶ月の実績評価」 / 「マニフェスト評価~2010年度参議院選挙版~」
★参院選特集⑥ 「民主党の実績評価ならびに日本の政治に関するアンケート結果
         ~半数が2大政党制は日本の政治が目指すべき政治ではないと考えている~」


言論NPOについて 

 言論NPOは「健全な市民社会」には「健全な議論」が必要との思いから、非営利で新しいメディアや議論の舞台を作ろうと8年前に発足した非営利組織です。現在、有権者主体の政治と緊張ある政策論議のためのマニフェスト評価、議論の舞台をアジアに広げるための「東京‐北京フォーラム」の開催、当事者としての対案を専門家による各種会議の議論を基に作成し、政府などに提言する等の活動を行っています。

【認定特定非営利活動法人 言論NPO概要】
所在地:〒104-0043 東京都中央区湊1丁目1-12 HSB鐵砲洲4階
設立:2001年11月 代表者:工藤泰志

【お問合せ先】
認定NPO法人 言論NPO事務局(担当:山下・宮浦)
TEL:03-6262-8772  FAX:03-6262-8773

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