「第8回東京-北京フォーラム」で、日中国交正常化40周年を契機に
日中の民間による日中関係の発展をめざす「東京コンセンサス」を提唱

2012年7月03日

 認定NPO法人 言論NPO(代表:工藤泰志)が、中国日報社(以下チャイナ・デイリー、総編集長:朱霊)と7月2日~3日に東京で開催した「第8回東京‐北京フォーラム」は、日中国交正常化40周年を契機に日中の民間による日中関係の発展を提案する「東京コンセンサス」を提唱して閉幕しました。

 「東京‐北京フォーラム」では、主催者である日本側の言論NPOと、中国側のチャイナ・デイリーを運営母体に、両国の有識者から構成されるフォーラム実行委員会およびパネリスト登壇者たちが、中国で反日デモなどが深刻化した2005年以来8年間にわたり日中の関係改善に向けて本気の議論を重ねてきました。その上で、今年のテーマ「世界と未来に向けた新しい日中関係」に向け、「第8回東京‐北京フォーラム」を成功させるために前回フォーラム開催後から1年をかけて、政府では解決しがたい課題などに対し、質の高い健全な民間対話を行うための入念な準備に備えてきました。

 今回の「第8回 東京‐北京フォーラム」には、日中両国から各界を代表する有識者約100名の討論者たちが参加しました。2日間にわたり会場に集まった日本全国および中国からの延べ約1,000名を超す参加者とともに、尖閣諸島など領土問題を含む日中両国間で表面化している課題に正面から向かい合い、質の伴う建設的な議論を本音レベルで行いました。今年は日中国交正常化40周年の年ですが、日中関係は未だに不安定な状況にあり、多くの障害があります。こうした状況の中で、本フォーラムでは、民間の対話が果たすべき役割を考え、EU危機に対する日中の対応や尖閣諸島問題、両国民間の相互理解など、両国が抱える障害や問題を乗り越えるため、政府対話よりも一歩前に踏み込んだ議論を行いました。その結果、新しい日中関係の構築のためにこの問題を対話の力で乗り越えるため、その解決だけでなく両国民間の相互理解により新たな展開を創出することをめざした、日中の民間による日中関係発展への提案「東京コンセンサス」を発表しました。 「東京コンセンサス」全文はこちらをご確認ください。


「第8回 東京‐北京フォーラム」パネリスト

【日本側】

福田 康夫(元内閣総理大臣)、玄葉 光一郎(外務大臣)、古川元久 (国家戦略担当大臣)、細野豪志(環境大臣)、明石 康(元国連事務次長)、宮本雄二 (前駐中国特命全権大使)、武藤敏郎 (大和総研理事長)、山口廣秀 (日本銀行副総裁)、山田啓二(全国知事会会長・京都府知事)、河合正弘 (アジア開発銀行研究所所長)、仙谷 由人(民主党政調会長代行)、塩崎 恭久(元内閣官房長)、加藤紘一 (日中友好協会会長)、石破 茂 (前自民党政調会長)など約50名

【中国側】

曾 培炎(中国国務院元副総理)、王 晨(国務院新聞弁公室主任)、呂 祖善(全国人民代表大会財政経済委員会副主任委員)、程 永華(中華人民共和国駐日本国特命全権大使)、趙 啓正(全国政治協商会議外事委員会主任)、楊 毅(国防大学戦略研究所前所長)、魏 建国(中国国際経済交流センター副理事長兼秘書長)など約40名


【東京‐北京フォーラムとは】

 「東京‐北京フォーラム」は中国で反日デモなどが深刻化した2005年に日本の非営利団体である言論NPOと中国のメディアである中国日報社(チャイナ・デイリー)及び北京大学国際関係学院との提携により北京でスタートしました。毎年両国の有識者100名が出席し、安全保障や経済など5つの分科会で議論を行っています。中国では公共外交の重要なチャネルとひとつと位置づけられており、この対話に連動して、日中共同の世論調査を毎年実施しています。日本側の実行委員長は明石康元国連事務次長。学識経験者、企業経営者・政府関係者、主要メディアの編集幹部ら約50名が個人の資格で日本側の実行委員会に参加しています。