世界の視点:新アメリカ大統領と国際協力

2016年11月16日

 下記コメントは、世界23カ国のトップシンクタンクの代表者にアメリカ大統領選の結果についての意見として、アメリカ外交問題評議会(CFR)のホームページに掲載されたものです。原文はこちら

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世界の視点:新アメリカ大統領と国際協力

言論NPO代表 工藤泰志

 トランプ新大統領の下でも、アメリカは従来通り、自由と民主主義の理念を堅持し、世界の課題についてリーダーシップを持って取り組むべきである。今回の大統領選挙戦では、トランプ氏から内向きで排他的、保護主義的発言が散見された。こうしたスタンスを実際に進めるのであれば、国際秩序はさらに大きく不安定化するだろう。戦後、アメリカを中心として形成された世界の経済、安全保障のシステムは、アメリカ自身もその利益を享受してきたことを理解すべきだ。

 アメリカの指導力は、これまでもそして今後も、世界的課題の解決のために重要である。そしてその場合、日本や韓国といった同盟国との密接な協力関係が不可欠であり、新政権は過去築き上げた同盟関係に傷をつけてはならない。むしろ、共に経済、安全保障を中心としたイシューを解決するパートナーとして今後も強力なパートナーシップを維持するよう努めなければならない。

 私たちが実施した、日米中韓4カ国の共同世論調査(2015)でも、日本人の8割が米国を世界的規模の課題を解決するために責任ある行動をとると期待している。特に、北東アジア地域において、喫緊の課題の一つは北朝鮮の核問題である。アメリカは、日韓と協力し、対話の場に中国も巻き込みながら最後まで平和裏に進めることによって解決策を見出さないといけない。また、保護主義への誘惑を絶ち、国際貿易の自由化への展開を進めなければならない。