世界の課題に挑む

自由と民主主義を基調とする国際秩序は今後も変わらない / 田中明彦(東京大学東洋文化研究所教授)

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160210_tanaka.jpg田中明彦
(東京大学東洋文化研究所教授)


G7各国には国際秩序を望ましい方向に持っていく責務がある

 世界最大の国であるアメリカで、新しい政権が誕生し、これからアメリカが世界の中でどのような行動をとっていくのか、ということをアメリカ自身がこれから決める段階に入っている時期だと思います。そうした秩序が不安な中で、アメリカを含めた世界の先進国は、国際秩序を望ましい方向に持っていくという責務があると思います。その責務を果たすために、どういう方向性に持っていかなければいけないかという方向性を考え、示すことがG7のプロセスだと思います。

 ですから、アメリカの新政権ができて初めて行われる5月のG7に向けて、G7にブラジル、インド、インドネシアを加えた民主主義の10カ国のシンクタンクが集まり、望ましい秩序をつくるための議論を3月に行なうことは非常にタイムリーなことだと思います。


安定した政権の下、長期的な指針を強く主張できる日本に強み

 これまでの国際秩序の中で、G7が最も重視してきたのは「自由」と「民主主義」を基調とするカタカナで言えば、「リベラル・インターナショナル・オーダー(第二次大戦後の国際秩序)」というものです。この価値は今後も変わらない。ただ、いささかの調整が必要になるかもしれませんが、方向性としては、「自由」と「民主主義」という大きな方向から外れないようにするのが大事なわけです。そのための議論を進めていって、今年5月のG7に繋げていくことが大事だと思います。

 こうした議論が日本で行われることは、非常に重要だと思います。世界の先進国の中で言えば、日本は現在、比較的安定した政権の下で、短期的な政治的な利害を超えて、より長期的な指針を強く主張する立場にあるので、日本でこういう議論をすることは大変意義があると思います。

 そいういう意味で、3月4日に行われる「東京会議」には、非常に期待しています。

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