2004.10.12開催 アジア戦略会議 / テーマ「地球温暖化問題と国際政治」

2004年10月12日

041012アジア戦略会議 今回は、京都大学大学院教授の松下和夫氏に「地球温暖化問題と国際政治」というテーマでお話を伺い、京都議定書における世界各国と日本の取り組み、環境政治について活発な議論が行わました。

松下和夫氏 松下氏は、まずIPCC第3次レポートから地球温暖化問題の現況を説明し、近年世界各地で続発する異常気象にふれました。しかし、温室効果ガスは実用可能な技術により削減可能であるとしている事を指摘しました。

次に、「京都議定書」は唯一の実質的義務を定め拘束力を持つ国際的枠組みであるとし、京都メカニズム(「共同実施」「クリーン開発メカニズム(CDM)」「排出量取引」)の概要を説明しました。そして、米国、英国、ドイツ、ロシア、EU、などの同行を紹介。2004年6月に行われた「自然エネルギー2004国際会議」にもふれました。

日本の取り組みについて、2002年3月からの地球温暖化対策大綱、5月地球温暖化対策推進法改正、6月京都議定書締結と進んできたが、現状では京都議定書の目標は達成困難であるとしました。中長期的取り組みにいて、京都議定書は誠にささやかな第一歩であり、京都議定書以降の目標が必要である。米欧の路線対立のなか日本は独自のイニシアティブが必要と訴えました。

また松下氏は、環境という公共的利益に関わる、権力を伴った多元的主体の活動という「環境政治(環境ガバナンス)」についてもお話をされました。

その後、松下氏とメンバーとの間で活発な議論が行われました。

(※議事録は後日アップされます。)


今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)

松下和夫 (京都大学大学院教授)

福川伸次 (電通顧問)
岩竹常博 (三井物産ライフスタイル事業本部長補佐)
周牧之 (東京経済大学准教授)
国分良成(慶応義塾大学教授)
入山映(笹川平和財団理事長
大辻純夫(トヨタ自動車渉外部海外渉外室長)
工藤泰志 (言論NPO代表)
松田学 (言論NPO理事)

 今回は、京都大学大学院教授の松下和夫氏に「地球温暖化問題と国際政治」というテーマでお話を伺い、京都議定書における世界各国と日本の取り組み、環境政治について活発な議論が行わました。