「2002.12.5開催 アジア戦略会議」報告

2002年12月05日

021205_01.jpg今回は、「中国WTO加盟の影響について」というテーマで橋田坦氏(東京国際大学経済学部教授)に、「WTO加盟により加速する中国『世界工場』化の実態と意義」というテーマで周牧之氏(東京経済大学経済学部准教授)に、それぞれお話をうかがった後、会議メンバーとの活発な意見交換が行われました。


「アジア戦略会議」では、21世紀の対アジア戦略を日本自身の将来像と結びつけながら描き出すために、来春のシンポジウムに向けて幅広い観点に立った議論を進めています。

そうした議論の論点を深めるため、前回の会合までに、中国の現状と外交戦略、ヨーロッパ統合を着実に進めてきたドイツの経験、朝鮮半島情勢をふまえた日本の安全保障問題、FTA構想を中心とした日韓経済関係、日米関係をふまえたアジア全体の安全保障問題、そして企業人の目から見た日本の対アジア戦略、アジアの通貨・国際金融問題をテーマに、それぞれの分野の専門家からお話をうかがってきました。

今回は、ゲストスピーカーに橋田坦氏と周牧之氏をお招きし、WTO加盟後急速に変化する中国をめぐって、それぞれ専門の研究分野から非常に興味深いお話をうかがいました。まず橋田坦氏が、中国WTO加盟の影響について、加盟時の論点であった市場アクセスの拡大や国内制度の改革などが現在どのような状況にあるか、そして今後の展望と課題は何かをお話しくださいました。つづいて周牧之氏からは、中国が現在「世界の工場」化しつつある要因と実態、および世界経済システムのパラダイムが大きく変化してきている状況を具体的な事例を示しながら、お話しいただきました。

そのあと、お二人のお話をもとに、会議メンバーとの意見交換が行われました。特に、世界経済のシステム自体が大きく変化する中、巨大な産業集積と都市空間を背景に急速にグローバル・サプライチェーンを構築していく中国と、日本の現状を比較してさまざまな意見が出され、議論は活発に展開しました。

会員の方には後日議事録を公開いたしますので、そちらを是非ご覧ください。

次回の第9回会議は、12月13日に行います。

今後の議論の展開にご期待ください。また、議論をさらに発展させるために、皆様からのご意見もお待ちしております。

言論NPO個人正会員(基幹会員)の皆様は、「アジア戦略会議オブザーバー」として会議を傍聴できます。ご希望の方は、言論NPO事務局(E-mal: info@genron-npo.net、 TEL: 03-6229-2818)までお申し出ください。

今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)

 橋田坦(東京国際大学経済学部教授)
 周牧之(東京経済大学経済学部准教授)
 福川伸次(電通顧問)
 安斎隆(アイワイバンク銀行社長)
 入山映(笹川平和財団理事長)
 大辻純夫(トヨタ自動車渉外部海外渉外室長)
 谷口智彦(日経ビジネス編集委員)
 鶴岡公二(政策研究大学院大学教授)
 松田学(言論NPO理事)

 今回は、「中国WTO加盟の影響について」というテーマで橋田坦氏(東京国際大学経済学部教授)に、「WTO加盟により加速する中国『世界工場』化の実態と意義」というテーマで周牧之氏(東京経済大学経済学部准教授)に、それぞれお話をうかがった後、会議メンバーとの活発な意見交換が