基調講演 : 易 綱 (中国人民銀行頭取補佐)

2007年8月28日

p_070828_13.jpg易綱(中国人民銀行頭取補佐)
イ・ガン

経済学博士。1978年から1980年北京大学経済学部に在学。1980年から1986年、アメリカハムリン大学工商管理学部とイリノイ大学経済学部に在学し、経済学博士取得。1986年から1994年、うち1992年からは終身教員としてアメリカインディアナ大学にて講師、准教授を務めた。1994年に帰国し、林毅夫等と共に北京大学中国経済研究センターを発足、当教授、副主任、博士課程指導教官を担当。1997年から2002年、中国人民銀行貨幣政策委員会副秘書長、2002年から2003年、中国人民銀行貨幣政策委員会秘書長兼貨幣政策局副局長、2003年中国人民銀行貨幣政策司司長に就任。 2004年7月から現在まで中国人民銀行頭取補佐を務める。

基調講演

 みなさま、おはようございます。先ほどお話されました武藤先生の話に賛成します。

 現在、アジアは通貨危機の時とは大きな相違があります。

 今日のアジアの銀行システムは10年前と比べて大きな進展があり、またアジア通貨は強くなっています。10年前、人民元以外は停滞していたのであります。

 加えて、この10年の蓄積によりアジアの外貨準備高も大きく成長しています。

 また、中国は貿易黒字ですが、アジアに対しては赤字であります。これはアジア諸国から部品を輸入し中国で組み立て、欧米に輸出する分業体制が出来上がっているという証左であります。

 現在アジアでは通貨協力を行っています。また、未来の金融協力についても合意しています。

 ただし、アジアには外貨備蓄が多すぎるという問題があり、グローバルな保護主義の台頭などの問題が出てきます。現在われわれはマーケットのメカニズム、市場のニーズに合った通貨の調整等の問題に直面しています。

 また、人民元の形成メカニズムは市場化の方向に向かっておりますが、しかし金融面の協力は発足したばかりであり、ヨーロッパに比べて大きなギャップがあります。

 今日の実体経済のなかで求められている金融協力に成功すれば、開かれたアジアのマーケットを構築できますし、貿易保護主義も避けられます。

 明るく繁栄したアジアを実現するには中日協力はなくてはならないものであります。
そのためにこのフォーラムが有意義なものになることを期待しております。


文責:上井