在中の日本メディアと意見交換

2012年3月22日

 中国との事前協議のための訪中していた「東京―北京フォーラム」の実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)と副委員長の宮本雄二氏(駐中国特命全権大使)、運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)は19日、在中の日本メディア12社と懇談会を行った。

 実行委員長の明石氏は冒頭の挨拶で、現状の日中関係はまだまだ相互理解が不足しているとした上で、「単なる外交辞令ではなく、真の相互信頼、お互いに腹を割って話し合える、議論し合えるような日中関係を築くべきだ」と指摘した。そして、今年7月に予定されている東京―北京フォーラムに関しては、「これまでと同じような議論を続けるのではなく、日中関係が直面している課題に対して、見通しや展望を付け、議論のかみ合う対話にしたい」と語り、今回の事前協議ではそれに向けた一歩が踏み出せた、と報告した。

 記者との意見交換では、記者から餃子事件や尖閣諸島事件を例にしながら、「毒を入れたのも、船でやってきているのも中国であり、悪いのは中国であるとういのが日本国民の通常の考え方ではないか。これについて、どのように思うか」との質問がなされた。

 これに対して宮本氏は、「日中両国がそれぞれ相手国に対して、個別の事案について全く違う絵を見ていて、相手が悪いと言い合っているのが現状であり、このままの状況が続けば、日中は衝突しかねないという事態に追い込まれつつある」と指摘した。一方で、今回の事前協議の内容から、日中双方がその危機感と緊張感を持ち始めているということも指摘した。

 そして、「これらを乗り越えるために何が必要か」、という記者からの問いかけに、明石氏は、「双方が自国の国益という観点に立つのは当然であるが、お互いの国益をぶつけ合っているだけではなく、それを突き合せたところからより啓蒙された国益、長期的な国益が生まれてくるかもしれない」と指摘し、このようなぶつかり合いができる自由な舞台こそ、この「東京-北京フォーラム」の意義ではないかと述べた。そして、「両国のナショナリズムが互いに激しくなり、真の意味での国益に反する結果になることは、悲劇でしかなく、それを阻止するために知恵を出そうというのが、今の空気である」と締めくくった。


 最後に工藤は、「これまでの7回のフォーラムを通じて、単なる違いをぶつけるのではなく、違いを認め合って、その課題に向かい合うという局面がようやくこの対話でできてきた。だからこそ、今年のフォーラムでは尖閣問題とか領土問題などについても議論したいと考えている」と語り、同時に、メディアの人たちの協力は必要不可欠だと述べ、このフォーラムにも参加してもらいたい、と協力を呼びかけ、懇談会を締めくくった。

 今後の「第8回 東京-北京フォーラム」の進捗状況は、言論NPOのウェブサイトで随時公開していきますので、ぜひご覧ください。

中国との事前協議のための訪中していた「東京―北京フォーラム」の実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)と副委員長の宮本雄二氏(駐中国特命全権大使)、運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)は19日、在中の日本メディア12社と懇談会を行った。