一般社団法人日本貿易会 審議員会 講演報告

2014年4月15日

一般社団法人日本貿易会 審議員

 4月14日、言論NPO代表の工藤は、都内で開催された一般社団法人日本貿易会の審議員会に出席し、「言論NPOが取り組む新しい民間外交」と題して講演を行いました。今回の講演には、同法人の幹部や会員法人の幹部ら約30名が参加しました。

工藤泰志 講演で工藤は、現在、世界では東シナ海における軍事衝突を懸念する声が高まっていること、また、北東アジアでは過剰にナショナリスティックな世論によって政府間外交が停止しているため、同地域におけるガバナンスが不安定化していることを指摘しました。その上で、こうした状況を打開するためには、「当事者意識を持った民間同士の対話により、課題解決に向けた世論を形成し、政府間外交を後押しする必要がある」と述べ、こうした取り組みである民間外交を「言論外交」と名付け、その実践としての「東京‐北京フォーラム」や昨年創設された「日韓未来対話」といった日中・日韓間の民間対話実施などの具体的な取り組みや将来的なビジョンについて紹介しました。
 
 講演の最後に工藤は、国民による「無関心の罪」が戦前のドイツにおけるナチス台頭を助長したというピーター・ドラッカーの論考、そして国際世論を客観的に理解しようとしない日本に警鐘を鳴らした朝河貫一の論考をそれぞれ紹介した上で、「言論外交」の実施過程において有権者一人ひとりが当事者意識を持つことの重要性、そして「言論外交」が多くの人に理解され、支援される必要性を訴え、講演を締めくくりました。

 講演後には出席者との間で質疑応答・意見交換が行われ、その中で工藤は今年で10回目を迎える「東京‐北京フォーラム」について、同フォーラムでは「相手を批判しない、政府の立場を反芻しない、課題解決に向けた議論をするという三原則の下、出席者が課題解決に向け本音で議論している」と述べ、同フォーラムが日中間の民間対話チャネルとして確実に成長していることを強調しました。


 今年も「第2回日韓未来対話」「第10回東京-北京フォーラム」の開催を予定しています。それぞれの進捗状況については、適宜、言論NPOのホームページで公開していきます。

 また、今回の講演で取り上げた「言論外交」の取り組みについて、書籍『言論外交‐誰が東アジアの危機を解決するのか‐』が4月10日(木)に発売されました。言論NPOが取り組む「新しい民間外交」について多くの方に知って頂くためにも、是非ご一読頂ければと思います。

4月14日、言論NPO代表の工藤は、都内で開催された一般社団法人日本貿易会の審議員会に出席し、「言論NPOが取り組む新しい民間外交」と題して講演を行いました。今回の講演には、同法人の幹部や会員法人の幹部ら約30名が参加しました。