言論外交の挑戦

日本とインドネシアの若手経済人が集まった未来対話 「今日が歴史的な第一歩になる」

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DSCF6920.jpg 「あとから振り返ると、この会議が歴史の第一歩になっているかもしれない」。言論NPO代表の工藤泰志は、インドネシアで行われた「未来対話」の冒頭でこう述べました。

DSCF6917.jpg 5月3日、日本青年会議所とインドネシア青年会議所が共催で「未来対話」を実施。工藤は日本側パネリストとして招かれました。実は工藤が「日本と東南アジアで対話が広がっておらず、若い世代で対話の場が作れないか」と、日本青年会議所に提案したことが、同未来会議発足の発端となったからです。

 今回のテーマは、アジアの現状、課題、目指すべき未来の三つ。今回の対話を企画実行した日本青年会議所アジアアライアンス構築委員会委員長の藤原涼氏が、アジアの現状を報告したのち、議論に入りました。


民主主義を立て直すには何が必要か

DSCF6925.jpg 議論の冒頭、日本青年会議所会頭の青木照護氏が、自由と民主主義、そしてヒト、モノ、カネ、情報が自由に国境を超えるグローバリズムをベースにした自由貿易は、世界経済に有益だとおおむね肯定的だったと、同会議に先立って訪問したイギリスとドイツでの議論を紹介しました。

 その一方で、移民・難民、テロリズムの広がりに危機感を抱いており、行き過ぎたグローバリズムは、少しナショナリズムの方向へ戻さなくてはならないという点でも、賛同者が多かった、と説明。その上で、戻す際に重要なことは「民主主義を立て直すこと。立て直すためには教育を立て直す。なぜなら、有権者に知識がないとメディアの言説に左右され、これを悪用する政治家が出てくる。こうなると民主主義が機能しなくなるからです。日本は民主主義が発展した国ですが、選挙の投票率は平均すると、ドイツの70~80%、インドンネシアの80~90%に比べると40~50%に過ぎず、国民の声を反映しているとは言い難い」と、課題を指摘しました。

DSCF6932.jpg インドネシア青年会議所会頭のジャンディ・ムキアント氏は、「日本の調査によれば、最近は若者の平和指向が低下している。これを防ぐには安定した経済成長が必要だ。現在の日本とインドネシアのGDP(国内総生産)は大きく違うが、協力関係が築いていければ、課題解決に貢献するはずだ」と、対話への期待を表明しました。


アジアではいまだ実現していない平和と協調

 これを受けて工藤は、まず対話自体が始まったことの意義を強調。これが冒頭の言葉に象徴されています。さらに「東京-北京フォーラム」に代表される中国との対話の経験を、次のように披露しました。

 「日本とインドネシア両国には様々な交流があるが、両国の若い経済人が課題を乗り越えるための対話を開始したこと、それが非常に重要だ。私は12年間にわたり、中国の人たちと対話を続けてきた。当初は単なる言い争いになることが多かったが、いまや両国の共通の課題を見つけ出し解決することが、共通の利益であるということが理解され、一緒に課題を克服していこうという雰囲気になっている」。
 
 続いて、将来アジアが目指すべき課題について、次のように語りました。

DSCF6922.jpg 「課題は平和と協調発展。日中の世論調査でも多くの人がこれを望んでいる。なぜなら、今それが実現していないからだ。グローバリゼーションによって、インドネシなどの新興国は恩恵を受けている一方で、先進国では中間層の没落で、これに反対する動きが強くなっている。米国のトランプ大統領がその代表で、アメリカ第一主義を唱えている。もし、アメリカが輸入関税を引き上げ、他の国々もそれに追随して関税を引き上げれば、世界経済は戦前のような大恐慌に陥るかもしれない。この先進国の動きにどう対応するか。

DSCF6914.jpg インドネシアは若い世代が意思決定層に加わっており、将来に希望が持てる。中国のように言いたいことが自由に言えないえない社会ではなく、自由に発言でき、自由に政治参加できる社会でなくてはいけない、ただ、民主主義を立て直すには、自由に発言、自由に参加することによって、課題が解決できないといけないのだ」

 工藤が現在の民主主義が抱える課題を総括して、議論が本格的に展開し、活発な意見交換がなされました。

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