言論外交の挑戦

北京コンセンサス

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 第15回「東京-北京フォーラム」は10月26、27日に北京で行われ、日中両国の各分野からの専門家と代表が、関連議題を巡り踏み込んだ議論を展開した。

 日中両国はいずれも発展の新時代に入り、共通の利益と共通の関心事を拡大している。そのなかで昨年の第14回「東京-北京フォーラム」が終了して以来、この1年間の間に日中のハイレベルの交流が頻繁に行われることで、日中関係は正常な軌道に戻り、さらにその協力を深める方向に向かっている。これを、私たちは歓迎している。

 われわれは、新しい段階に突入した日中関係は、新たな発展のチャンスを迎えていると考える。現在、世界各国の戦略的な力はより均衡的になり、経済のグローバル化は調整の中でさらに進展を遂げ、国際秩序に全面的かつ大きな変革が起こっている。日中両国は同じ世界の重要国として、共に世界、特にアジア太平洋地域の安定、発展と繁栄のために責任を有している。「東京-北京フォーラム」は、民間外交の重要な舞台として、特別な役割を発揮し、日中の協力関係の一層の深化に貢献し、また新時代の要求に応える日中関係の構築のために民意の基礎を固めることができる。

 我々は、こうした考えのもとで、2日間にわたり議論を重ね、以下の合意に達した。


1.現在の世界は百年に一度の大変革を迎え、チャンスと困難が共存している。自由貿易の原則に危機が迫り、世界に広がる一国主義の動きが世界経済の構造に対する大きな脅威になっている。世界の主要経済国である日中両国は保護貿易主義に反対する立場を共有し、より開放的で、ルールに基づく自由貿易体制を貫くためにも、その内容をアップデイトし、それに見合った構造改革をそれぞれの国で進めなくてはならない。多国間主義に基づく国際協力の推進こそが私たちが目指すガバナンスの在り方であり、その立場からも世界貿易機関(WTO)の改革は実現しなくてはならない。

2.日中両国はアジアの重要な国として、地域の経済統合をけん引し、各国の協力発展を促進する責任がある。そのためにも東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期妥結を目指すと同時に、その上で日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉プロセスを早めなければならない。第三国市場協力が着実に進展できるよう共に推し進め、質の高いインフラ建設を協力して実現すべきである。双方は両国の貿易投資の拡大のために、進出企業に公平、無差別でルールに基づいた予見可能なビジネス環境を提供しなければならない。

3. 日中両国がアジア太平洋地域の平和と繁栄に責任をもって取り組むことは国交正常化以来の合意である。日中両国は既に東シナ海における海空連絡メカニズムの運用を開始し防衛交流も再開された。この地域の危機を未然に管理するためにさらにこれを進化させ、危機やリスクを封じ込めるための対策を検討すべきである。また、この地域に持続的な平和の仕組みを実現するための具体的な一歩として、昨年の「東京―北京フォーラム」で合意した多国間協議を民間でまず始めるべきである。

4.日中両国が、世界やアジアでの歴史的な変化に対応し、両国の協力を新しい段階に進めるためには、これまでにも増して両国民間の幅広い相互理解と交流が不可欠である。青少年やメディアなどの幅広い人的交流は思い切って進めるべきであり、そのための環境整備を急ぐべきである。両国民の相互理解を深めるためには、アジアや世界の未来に対する幅広い協力や対話も進めるべきであり、われわれは「東京-北京フォーラム」ならではの優位性を活かし、その舞台づくりに貢献をしていく。

 2005年のスタート以来、日中関係が紆余曲折する中、「東京-北京フォーラム」はさまざまな困難に直面しながらも、一度も中断することなく民間対話を続け、日中関係の安定と発展、協力の強化に貢献を行ってきた。来年、習近平国家主席は、日本側の招請を受け、国家元首として12年ぶりに日本を公式訪問することになる。われわれは、この訪問が両国関係の発展に大きな意義を持ち、深い影響があると一致している。双方は、この訪問が成功裏に実現するためにも、世界やアジアの未来を見据えた日中の新しい協力の環境づくりのために一層の努力をしていく。

2019年10月27日

言論NPO
中国国際出版集団


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