第2回 東京-北京フォーラム 共同声明 2006.8.4

2006年8月11日

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 日中関係が、現在も厳しい状況下にあるのは無視できない事実です。両国間の政治的な障害、および国民感情の悪化に対して、日中両国の有識者たちは、大変憂慮しています。日中関係に関して、我々は傍観者でいることはできません。アジアの未来にとって日中関係が大変重要であるという認識に基づき、日本の非営利組織の言論NPOと中国のチャイナデイリーおよび北京大学は、この状況に向かい合い、日中関係だけではなく、アジアの未来に向けた民間主体の議論の新しいプラットフォーム、「東京―北京フォーラム」を、提唱し立ち上げました。

 このフォーラムは、両国の世論や政策形成に強い影響力を持つ有識者が積極的に自発的に参加して立ち上げたものです。今年の東京大会は二回目の開催となりますが、いずれも大成功を遂げ、日中関係やアジアの将来に向けた議論は具体的な行動へと大きく発展しようとしています。日本と中国との間に、脆弱で表面的な友好から、お互いが相互に尊重しあい、本音で議論できる関係を作り上げたい。当初、幻想に見えた私たちの夢は、今現実になりつつあり、しかも成熟しつつあることを、大変喜ばしく思っております。

 東京-北京フォーラムは、両国の有識者を結ぶ新しい議論のプラットフォームであるとともに、両国の政府間の議論を補完しさらにリードする民間主体のトラック2であり、民が担う「公共外交」を日中間に実現する新たな試みになるでしょう。それは、政府による外交とも、従来の民間交流とも異なるもので、両国関係の発展に不可欠な役割を果たすものです。

 この2日間の議論で、このフォーラムにも大きな変化がありました。昨年は、日中両国の認識ギャップに対する危機感と今後の課題、相互尊重の重要性が認識されましたが、今年は、課題解決のための具体的な作業が合意されるに至りました。これは、東京-北京フォーラムが単なる議論だけではなく、課題解決のための意味ある議論へと進歩したことを意味するものです。私たちは、こうしたトラック2、公共外交の新しい試みを来年の北京大会に引き継ぎ、これを北京で実現させたいと考えています。

 今年のフォーラムは一旦、幕を閉じますが、今回、私たちは、ここでの議論から継続的に情報や議論が発信される恒常的な議論の場をつくること、すなわち、このフォーラムそのものをメディア化し、課題解決のプロセスそのものにも取り組むことを合意するに至りました。そのために、言論NPOとチャイナデイリーは、日中関係の改善に注目を寄せ、まずこれに取り組む両国の関係者により多くの交流の機会を提供するために、日本語版と中国語版からなる、東京北京フォーラムウェブサイトを立ち上げます。

 皆さんとともに、日中間にある心の壁を乗り越え、日中関係が谷底から脱出し、将来に向かって発展できるよう、私たちはこの議論の場をさらに推進していく覚悟です。

2006年8月4日 言論NPO 中国日報社 

日中関係が、現在も厳しい状況下にあるのは無視できない事実です。両国間の政治的な障害、および国民感情の悪化に対して、日中両国の有識者たちは、大変憂慮しています。