フォーラム結果発表 記者会見 2006.8.4

2006年8月04日

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言論NPO、中国日報社、北京大学主催「第2回 東京--北京フォーラム」は8月4日、盛況のうちに幕を閉じましたが、その場で日中両国参加者、工藤泰志氏(言論NPO代表)、張平氏(チャイナデイリー・インターネット版社長)、白石隆氏(政策研究大学院副学長)、賈慶国氏(北京大学国際関係学院副院長)、松本健一氏(麗澤大学教授)、劉北憲氏(中国新聞社常務副社長兼副編集長)など10名が出席し記者会見が行なわれました。

主催者である、工藤氏、張氏からは、昨年、今年と北京、東京の双方でフォーラムが開催できたことで、フォーラムの成功を実感でき、政府外交とは異なる、民間の外交チャネルすなわちトラック2を作ることができると確信したとの発言がありました。また、ここでの議論の内容を可能な限り公開することに努めているとの説明がありました。

引き続き、各分科会の報告がありました。分科会は「アジアの大交流と日中協力」「資源とエネルギー 環境--日中の共同課題」「総合認識と相互理解の改善--メディアの役割(世論調査を基に議論)」「歴史問題を乗り越える」「アジアの未来と日中関係」の5つです。

資源・エネルギー問題は、国家主権、紛争にも関係するとの配慮から非公開で議論されました。日中政府間で資源問題に関する議論はなされているがグランド・デザインは難しい状態にあります。日中フォーラムのような民間チャネルにおいては、エネルギーと環境問題をあわせて議論しロードマップを作ることが可能ですが、そのためには両国の専門家が正確な情報に基づいて議論する場が必要であるとして、次回のフォーラムに向けて、準備会儀を発足し、継続的に議論を続けてゆくことが合意されたとの報告がありました。

歴史問題では、日中両国民の歴史認識の相違点について議論されました。第2次世界大戦は、大平洋戦争とアジア侵略戦争の2つの側面を持っていますが、日本は米国との戦い、すなわち大平洋戦争としての記憶、中国はアジア侵略戦争としての記憶を強く抱いている点に相違があります。また、歴史問題は国民の誇りにも通じるものです。首相の靖国神社参拝は中国民族の誇りを傷つけることであること、日本人の誇りは戦争の過ちを認め、反省し、平和に向けて60年間努力を続けたことであることが議論されました。今後は、国家のアイデンティティを再構築することに加え、アジアのアイデンティティを構築することが必要で、そのためにも共同の歴史研究の場が必要であることが議論されたと説明がありました。

他にも、メディアが両国民の感情の悪化を増幅しているところがあり、節度を求める必要があるのではないか、アジア域内で活発な交流が進む中、アジアの秩序を維持するためのルール作りの必要性などが議論されたとの報告がありました。いずれの分科会でも、人的交流の重要性が指摘されましたが、高校教師、メディア関係者など多面的な人的交流の提案があったこと、そして文化交流が有効であることなどが議論された点について報告がありました。

また、日中両国の複数の出席者から、安倍官房長官がフォーラムの場で、日中関係改善のための努力について意思表明があったことを歓迎するとの発言がありました。

言論NPO、中国日報社、北京大学主催「第2回 東京--北京フォーラム」は8月4日、盛況のうちに幕を閉じましたが、その場で日中両国参加者、工藤泰志氏(言論NPO代表)、張平氏(チャイナデイリー・インターネット版社長)、白石隆氏(政策研究大学院副学長)、賈慶国氏(北京大学国際関係学院副院長)、松本健一氏(麗澤大学教授)、劉北憲氏(中国新聞社常務副社長兼副編集長)など10名が出席し記者会見が行なわれました。