「 『名目成長3%・実質成長2%』、『2年で2%の物価上昇』 を実現する目途はついたか」有識者アンケート結果

2014年10月31日

調査の概要

言論NPOの活動にこれまで参加していただいた全国の有識者約2000人を対象に、2014年10月27日から10月30日の期間でアンケートの回答を依頼し、回答のあった148人の回答内容を分析した。


回答者の属性

回答者の属性


問1.安倍政権が誕生してからまもなく2年が経過します。 あなたは、アベノミクスの前途を現時点でどう評価していますか。【単数回答】


問2.あなたのアベノミクスへの期待度は、1年前と比較してどう変化しましたか。【単数回答】


問2SQ.前問でそのように回答した理由を具体的にお書きください。


問3.あなたは、アベノミクスによって景気が回復したという実感がありますか。【単数回答】


問4.政府・自民党は「今後 10 年間の平均で名目 GDP 成長率3%程度、実質 GDP 成長率2%程度の成長を実現する」ことを目標として掲げています。あなたは、この目標を達成できると思いますか。【単数回答】


問4SQ.前問でそのように回答した理由を具体的にお書きください。


問5.政府と日本銀行は2013年1月22日、デフレ脱却のために「2%」の物価上昇率の目標を盛り込んだ共同声明を公表しました。さらに同年4月4日、日銀の黒田東彦総裁は、その達成期限に関して「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」と表明し、量的・質的金融緩和を導入しました。来年2015年には「2年」を迎えますが、あなたはこの物価目標を達成できると思いますか。【単数回答】


問6.安倍政権が打ち出している成長戦略の中の主な項目の中で、あなたが評価している政策は何ですか。【3つまで回答】

その他

  • ただし、総論賛成、各論反対の各省庁の障壁を打破できればとの条件付きです。(男、70代、自営業)
  • "評価している"という意味が、(成果はともかく、打ち出したということについての評価なら) ・国家戦略特区の加速的推進 ・女性が活躍するための環境整備 (出ている成果、進め方についての評価なら) ・農業改革 ・地方創生(男、40代、NPO・NGO関係者)
  • 持続的な経済成長のためには、個人的に特に「農業改革」「TPP」「地方創生」に興味があるが、いずれもこれまでにない「大胆な改革」とは感じられない。また、ここにきて「再生エネルギーの買取り問題」や「女性閣僚の相次ぐ辞任」など拙速な対応によるほころびも感じはじめた。安定した政権運営は「日本復活」に不可欠。今一度政権奪回当初に立ち戻り、強力なリーダーシップによる政権運営を期待したい。(男、50代、会社員)
  • 特措の税制改革を行う。(女、60代、その他)
  • ・安部政権の政策に共通するのは、成功するモノと失敗するモノ・おいてけぼりにされるモノとの格差を広げようとすることが感じられる。(男、60代、NPO・NGO関係者)
  • 掲げている項目自体は評価に値するものもあるが、果たして実際にどの程度実行されるかが疑問な項目がほとんど。(女、50代、その他)
  • これからは民間(企業)の出番だというが、右肩上がりでない状況で民間が出やすいような条件作り(規制改革ほか)や呼び水政策が必要。本アンケートの設問についての私の意見を以下述べます。 私は、アベノミクスのポイントは「失われた20年」といわれた状態を脱し、日本経済を成長軌道に乗せることであると考えています。したがって、名目成長、実質成長、物価上昇についての数値目標をそのとおり実現できるかどうかが評価基準であるとは考えません。アベノミクスは三つの矢から成っていて、第1と第2の矢により、デフレ現象に終止符が打たれ、日本経済に明るさが戻りつつあることは確かですが、問題は第3の矢であり、日本経済が成長軌道に乗るような施策が示されていると言えるのか、どのような施策が必要かといった点にこそ焦点を絞り、議論すべきであると思います。この問題は、構造改革を伴う中長期の問題であり、景気動向という短期の問題と混同することを避ける必要があります。(男、70代、各団体関係者)
  • 悪い見本を示したという、逆説的評価はあるのか(男、60代、自営業)
  • 生産者に対する補助金、優遇政策は、無意味です。消費者に対する優遇策をとるべきです。(男、50代、企業経営者・幹部)
  • メニューは悪くないが、実効性が伴わない。(男、60代、自営業)
  • 消費税の3パーセント引き上げを実行したこと。(男、60代、学者・研究者)
  • 消費増税の先送り(男、50代、企業経営者・幹部)


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